「新しい資本主義」が変質??

2022年7月29日

こんにちは、そしてこんばんは。窓際投資家です。

投資家としては気になるニュースがあったので、引用します。

岸田首相、骨太の方針決定も「新しい資本主義」不発…「アベノミクスに逆戻り」の声も

5月31日、岸田文雄首相(64)の看板政策「新しい資本主義」の具体化に向けた実行計画案が公表され、経済財政運営の基本方針「骨太の方針」に盛り込まれた。

2021年秋、岸田首相は「新しい資本主義実現会議」を設置。半年以上かけてまとめたものが、今回の実行計画案だ。

「『新しい資本主義』は、岸田首相が2021年9月の自民党総裁選で掲げた政策で、安倍政権の成長重視路線から、分配重視路線に転換する方針と受け止められてきました。

ところが、フタを開けてみると、分配ではなく成長重視。しかも計画案では、アベノミクスの3本の矢も堅持する方針を明記しています。安倍晋三元首相への気遣いなのか、そもそも岸田首相に、確固たる信念がなかったのか。その “変節” を批判する声もあがっています」(経済担当記者)

実行計画案では、年末までに「資産所得倍増プラン」を作るとし、NISA(少額投資非課税制度)の限度額や非課税期間の拡充、iDeCo(個人型確定拠出年金)の対象年齢拡大などを検討するという。

だが、資産所得倍増は、国民が持つ金融資産を投資に振り向け、利益を増やす政策で、給与を増やして所得を上げる所得倍増とは似て非なるものだ。

SNS上では、「新しい資本主義」の中身に落胆する声があがっている。

(以下略)

引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/27c914bbaf74365adc2aad922c90c7781113e7f8

う~ん…確か、再分配だの、金融所得課税強化だのと言ってた時も、世間は散々岸田さんを批判してたんじゃなかったですかね??

それを修正して成長重視&投資促進を言い出した途端、これもまた文句言われるのか…。

正直、政治家がこういう理不尽な叩かれ方してるのはちょっと気の毒です。

こうやって、何かあるたびに文句ばかり言って、企業や行政や政治家を委縮させてしまう国民性こそが、失われた30年の本当の元凶だと思うのですがねぇ…。

だから、私は1円も日本関連のものには投資しないんですよ。

「貯蓄から投資」は正しい

さて…まぁ、度々言ってきてますが、そう言ってる私も日本の政治家には全然期待してなかったりするんですがね。

ただ、「貯蓄から投資」って方針に限っては概ね賛成です。

詳細は過去に記事で書いたので、割愛します。

端的に言えば、ピケティ氏が言うように

資本成長率>経済成長率

となってしまうのを、無理に是正するのではなく、積極的に逆利用して豊かになろうって話です。

そりゃ、ネット民が言うように、そして、岸田さんが当初言っていたように、所得を倍増できれば良いけど…

稼げる産業が軒並み先細りorオワコン化してる現状で、一体どうすると言うんだ!?

という話です。

これを実現していくためには、地道に新しい産業を育てて行くしかない訳ですが、そんなの一朝一夕にはできないってことは誰にでも分かると思います。

そもそも高齢化が進んで、働いて所得を得る人たちが人口のボリュームゾーンって訳でもなくなってきてる訳です。

もちろん、こういう問題を解決するための地道な努力は必要でしょうけど、その結果が出るのってウン十年先ですからねぇ。

リンク先の記事書いた時は、「再分配」と称して金持ち潰しをしようとする岸田さんをボロカスに批判しましたが、今はこの時提案した政策に近いことやろうとしてるようなので不思議なもんです。

ま、こんな弱小ブログ、政治家のセンセイ方が見ているとは思えないですが😅

どうせ誰も制度を使わない?

ただ…理屈の上では投資奨励するのは良いんでしょうけど、理屈通り行くのかというと、厳しいところもあるんだろうなぁ…とも思います。

何せ、日本人のマネーリテラシーの低さと凝り固まった思考回路は伊達じゃないですからね(若くても例外じゃない)。

記事の中では、NISAやiDecoを拡充するとのことです。

多分、NISAやiDecoを拡充しても、今までやってた人が突っ込む額を増やすだけで、恐らく投資人口は増えないと思うんですよ。

というのも、日本の一般人のマネーリテラシーって壊滅的に低いので、大半の人は

日本人あるある
  • NISAやiDecoが滅茶苦茶お得な制度であること自体を理解できない
  • それが理解できたとしても、「銀行預金は安全資産」という刷り込みが強すぎて尻込みしてしまう

…恐らくどっちかだと思うんですよね。

実際、うちの職場でも、職員向けのライフプランセミナーとかやっていて、そこでもiDecoとNISAを推してるんですが、実際にこれをやる職員は殆どいません。

そして、そういう人が経済学部出ていたりするんで、本当に開いた口が塞がらないですね。

大学で一体何を勉強したんだろう??

こんな状態なんで、制度だけ作っても不発に終わるんじゃないかと思ったりもします。

でもね…

行政あるある

国民や住民を助けようとして、立派な制度を作るんだけど、それが利用されない。

そして、制度を利用しない人達から、思いっきり文句だけは言われる。

今回のNISAやiDecoに限った話ではなく、こういう話、うちの職場でも物凄く聞きます。

これ、最早「行政あるある」。

住民や国民が制度の主旨や旨味を理解してくれることを前提に制度を作るんですが、ある程度その道に詳しい人でないと旨味のある制度であること自体が理解できないんですよね。

あるいは、融通の利かない組織が作るシロモノなんで、制度そのものがすげー使いにくくなってしまうこともしばしば…。

なかなか、一筋縄では行かないんだろうなぁ…。

増税の口実に?

あと、増税の口実にしてきそうなのが怖いんですが。

一番有力なのが、金融所得課税の強化ですよねぇ…。

選挙が終わった途端に

「NISAとiDecoの拡充と引き換えに、配当や譲渡益の税率を上げます」

とか言い出しそうな気がするのは私だけ?

去年の秋に、岸田さんは金融所得課税強化を口にして炎上しました。

だけど、今もこの話を決して引っ込めた訳ではありませんからね。

私個人の損得で言うと、大きな額を動かしている投資家の御多分に漏れず、増税と引き換えならNISAやiDecoの拡充なんてなくて良いです。

なんで、大口で投資やってる人は、今の政府が出す甘い言葉は話半分に聞いておいた方が良いのかもしれません。

そういう個人的な話を抜きにしても…

自分で公務員やっててめっちゃ思うんですが、税金や社会保険料をせっせと払っても、役人や政治屋のおもちゃか利権団体の栄養分になるだけですよ。ホント。

「税金と社会保険料を減らしてくれ」

「行政サービスのレベルなんて落としてくれて構わない」

イチ国民としては、役所や政治家にはずっとこう言ってれば良いと思うんですよ。

国民からカネ取って何かをやろうとすると、必ずそこには利権構造が生まれるんだもの。

さて、この先どうなるのか見ものだなぁと思う次第です。

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