サファイア:ルビーと並ぶ投資対象

前回に続いて、今日は投資対象としてのサファイアを記事にします。

どんな石?

サファイアのルース
こんなやつです。

酸化アルミニウムの結晶、コランダムのうち、赤くないものを指します。因みに、クロムが混入した赤いものがルビーです。

特に断りがない場合、サファイアと言えば同じコランダムに鉄やチタンが混入して青くなったものを指します。

こちらもルビーと同じく、加熱処理により色味を調節する技術が確立されていて、売られているものの大半は加熱処理されています。こういうものに資産価値はありません。

産出量

調べたものの、はっきりしたデータは分からず。ただ、ルビーの兄弟なのでダイヤモンドより圧倒的に少ないのは確か。

産地は?

サファイアの原石
サファイアの原石

基本的にはルビーが採れる場所ではサファイアも採れます。

ミャンマー、中国、インド、パキスタン、オーストラリア、タイ、カンボジア、ベトナム、スリランカ、マダガスカルなど。

インクルージョン(内包物)として、ルビーの中にサファイアが入り込むことや、サファイアの中にルビーが入り込むこともしばしば。

最高品質はカシミール産

最高品質のものはカシミールのインド実効支配地域で19世紀に産出しましたが、20年と経たずにほぼ枯渇。今では偶然取り残しが採掘されることがある程度で、基本的にはもう出ません。

スッキリとした青が特徴で、コーンフラワーブルーと呼ばれます。

矢車草
コーンフラワー=矢車草

層状の特徴的なインクルージョンが入るので、素人目にもすぐカシミール産だと分かるやつも多いです。

ほんどのものはインドの富裕層や旧宗主国イギリスの貴族のコレクションとして大切にされていると言われ、市場には滅多に出て来ません。

二番手はミャンマー産

次に評価が高いのが、ミャンマーのモゴック産。最高品質のルビーが採れる鉱山で、一緒にサファイアも出ます。

こちらのは深い海のような青で、日本人が好きだと言われる群青色と言っていいかも知れない色。ロイヤルブルーと呼ばれます。個人的にはコーンフラワーブルーよりこっちが好きなのですが、ブルーサファイアのうち6割程度がロイヤルブルーだと言われているので、カシミールのコーンフラワーブルーに比べると希少性の面では落ちてしまいます。

ただ、以前の記事で書いたように、モゴックも枯渇寸前なんで、こちらのサファイアもあまり市場に出て来ず、なかなかの希少性と資産性があります。

その他の産地のものは希少性がなかったり、色味に問題があって加熱処理して売られていたりで資産性はないと見て良いです。

マダガスカルなんかは高品質な石も出るということですが、鉱山にまだまだ埋まっていてこれからも市場に供給され続けるので、希少性の面であまり期待できません。

投資対象として狙いは?

ルビーと同じですが、

10年以上持てば買い値からインフレ率程度は値上がりした値段で売ることができる

という基準で選びます。買った時に払う中間マージンを10年でチャラにできたら良しとします。個人的には実物資産は守りの資産だと思うので、値上がり益を狙う必要はない気がするんですよね。で、私が情報収集した感じだと、この条件満たすものは大体下記のようなものだと思います。

投資対象となるサファイア
  • カシミール産コーンフラワーブルー、もしくはミャンマー産ロイヤルブルー
  • 非加熱
  • カシミール産なら1ct以上、ミャンマー産なら2ct以上
  • インクルージョン、傷等目立つ欠点がない

サファイアもルビーと同じく、法定通貨を信用しない層や値動きの激しい金融資産を嫌う層の需要を取り込んだり、中国需要なんかもあって価格が高騰中です。

本命はカシミール産

買いだけど入手困難すぎ

カシミール産サファイアはミャンマー産ルビーと同じような状態になっています。(参照:カラーストーン投資界のGAFAM株:ルビー

ほとんどお目にかかれないし、国内にほぼ存在しません。札束積んでも買うこと自体が困難。取引実績なさすぎて宝石商自体も適正価格や相場観が分かりづらいような状況らしいです。

ただ、これはミャンマー産ルビーにも言えますが、希少性はピカイチなので、将来的に自分が売る側に回った時に自分が価格決定の主導権握ることができる可能性も高いです。なので、上記の条件満たす石があれば良心的な値段か分からなくても買ってしまうって手はあるかもしれません。高値掴みのリスクはありますが、入手困難であればあるほど希少性と資産性は高くなる訳ですから。

2級品以下を掴まないことが大事

あと、売れらているカシミール産は悪い意味であれ?と思うような石が多いです。ネットの写真で見たら立派に見えても現物見たらあれっ?となることも多いですよ。それが結構な値段付いてます。

なので、他のレアストーンにも言える話ですが、もし買うなら可能な限り色んな石を見て目を肥やしてから投資対象選んだ方が良いです。

レアストーンでは良くある話なんですが、レアであるが故に良い石を見たことがない宝石商も多い。そのせいで2級品を高値で有難がって卸から買ってしまい、それをまた高値で売っている…なんてケースが散見されるようです。それに引っかからないようにすることが大切です。

出遅れ狙いならミャンマー産

ミャンマー産サファイアは同じミャンマー産のルビーほどはまだ高騰していないので、出遅れ銘柄狙いでありだと思います。

それでも鉱山がほぼ枯渇している上に中国の爆買い需要もありますから、なかなか見つかりません。ですが、宝石屋に行って簡単に見つかるようなもので資産価値あるものなんてありません。「簡単に見つかる=希少性がない」って話なんだもん。何だかんだ言って、宝石の99%には資産価値なんて無いに等しいんですから。

そこらへんは貴金属店に行ってお金さえ払えば必ず買える金の地金とは大きく違う点です。これはあらゆるトレジャーアセット投資に言えることです。

感覚的には、ミャンマー産で上記条件満たしていて、ルースで150万円以下なら買いじゃないかなー?と思います。

以上、サファイアに関する投資情報でした。

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