FIREの手段として不動産投資はアリか?
こんにちは、窓際投資家です。
今日のテーマは不動産投資。でも、私は不動産投資はやりません。
何故かと言うと、一番の理由は実家が質量共に充実した「負動産」を持っていて、親や祖父母が苦労しているのを子供の頃から見ており、不動産にどうしても良いイメージが持てないからです。
食わず嫌いという奴なのかも…。
まあ、そんな個人的な事情は横に置いておいて、不動産投資がアリかなしか検討してみたいと思います。
Contents
不動産投資のメリット
融資によるレバレッジが利く
株を買うから融資してくれ…なんて言っても銀行は金貸してくれませんが、不動産を買う目的であれば融資が受けられます。
なので、自己資金が小さくても大口の投資ができるし、借金の利子よりも投資収益の利回りが大きいのなら蓄財ペースを大幅にブーストすることが可能です。
金融商品にも信用取引やCFDやレバレッジETF等ありますけど、金利や手数料が高すぎて使える場面が限られます。なんで、投資家にあまりメリットがないように思います。
市場の歪みが放置されやすい
これは私が好きなアンティークコインやカラーストーンと似ている点です。
金融商品の場合は、今、どの商品が、どんな値段で取引されていて、その商品がどんなものなのか。全てガラス張りでリアルタイムで確認できて、パソコンやスマホ一つですぐに売買できます。
なので、割安な商品や割高な商品があったとしても、それが長期間に渡ってそのままの状態で放置されるという現象が起こりづらいと言えます。
金融商品で市場平均を超えたパフォーマンスを出そうとすると、その中で他の投資家を出し抜いて先回りする必要があるわけですが、投資に必要な情報にみんながアクセスできる中で他人出し抜こうとすると、裏側から一般人が知りえない情報取ってくるか、相当頭が良くて努力もできる人か…どっちかじゃないと厳しいというか無理。
要は、市場の歪みを利用して儲けたいところだけど、それができる市場参加者が限られるという話です。
ところが、実物資産の場合は、どこで、どんなものが、どんな値段で取引されているのかガラス張りになっていないし、すぐに売買できるわけじゃなくて流動性も低いです。
なので、割安な物件、割高な物件がそのままの状態で放置されやすく、自分の足で情報を集めるとあれっ?という感じの掘り出し物が見つかるケースだって多いと言えます。
値動きが緩やか
これも同じものが2つない系の実物資産共通の特徴と言えるかも知れません。
流動性が低いが故に、急激な値動きがありません。
金融商品だと値動きが激しくて、あんまり持ち分を増やすとメンタルが持たない人も多いと思いますが、実物資産ならこの点は安心かもしれません。
インフレヘッジになる
このブログでは法定通貨の価値がなくなるリスクに備えるべきで、銀行預金100%は返って危険だと度々言ってますが、不動産でも備えることは可能です。(参考:現状&投資は株中心で 預金より分散投資or株式投資)
例えお金が紙くずになろうと、土地や建物が同時にガラクタになるってことはありませんから。(ただし、通貨危機による経済のショックで叩き売りに遭う可能性はある。)
不動産投資のデメリット
需給の問題で全体平均の期待値が低い
まず、日本の人口はこれからどんどん減っていきます。そして、現在でも既に毎年中核市一つ分ぐらいの人口が消えています。
なのにです。住宅を始めとした不動産の供給は未だに続いています。
- 景気対策の一環として国民に新築住宅を建てさせる政策を取っていること
- 新興住宅地を造って他の自治体から人口奪ってきたら税収が増える、国全体のことなんか知ったことではない…という地方自治体のエゴ
- 異常なまでに新築しか売れない歪んだ市場
原因は色々あるのでしょうが、シンプルな話として人口が減ると不動産への需要は減ります。その中でストックが増え続けているという状態だと、需給の問題から市場環境は相当厳しいと言えるでしょう。
単価が高くリスクヘッジが利かない
単価が高くて、リスク分散がしづらいという点も見逃せません。
例えば、準富裕層の私は現在20銘柄程度の金融商品と片手以上両手以下の実物資産を保有して運用していますが、不動産投資しようとしたら銀行で融資してもらってレバレッジ利かせても、せいぜい2つか3つしか所有できないんじゃないだろうか。
それが青写真通りに収益生んでくれればいいですが、人間は間違いおかす生き物で、自信満々で勝負に出ても結局失敗したなんて話ザラです。
災害のリスク
これ無視できないと思うんですよね。コインやカラーストーンなら災害時に持って逃げることができますが、不動産持って逃げるの無理。
買ったばかりの物件が地震や洪水でやられた…ってなるともう最悪ですよね。借りて住んでる人にとっては、ノーダメージだけど大家さんたまらんわ…。
その他のリスク
ざっと思いつく感じでは…
- 持っているだけで固定資産税がかかる
- 流動性が低くてすぐに換金できない
- 想定外の修繕
- 事故物件になる可能性
- トラブルメーカーの入居で他の入居者やテナントが逃げ出す可能性
良く聞く話としてはこんな感じなんですかね。
そもそも論として気になること
そして、そもそも論として…なんですけどね。
不動産投資のHow to本やブログも多いと思います。こんなやり方したら儲かりますよって書いている訳ですけどね。
で、ほとんどの著者が今も不動産投資を継続中なんです。つまり、不動産投資をしている最中に「今のところこのやり方したら上手く行っていますよ」と発信している訳です。
私個人的にはこの「今のところ」というのが曲者だと見ています。
建物が寿命終えて解体して更地にしてそれを売る、或いは建物を中古で売るということをやって、売った代金を回収して税金も納めて、そこで初めて損したか得したかが初めて確定するわけです。
何でもそうですが、売るまで投資は終わらない訳です。売って初めて結果が確定します。
ということは、発信してる人たちは結果がまだ分からないのに、途中経過だけで「これが儲かる」と発信してしまっているわけです。不動産の場合は金融資産と違い、投資のリードタイムが長いのもあり、本やブログ書いてる人の多くがまだ結果を確定させていません。
そして上でも言ったように、日本の場合は全体の市場環境がどんどん悪くなっているので、今イケイケで不動産投資してる人たちであっても、今後まともに売り抜けられるのか結構眉唾物だと思うんですよね。
思ったような売値で売れなかったとか、最悪の場合は買い手が付かなかったとかあり得るし、そのまま持っていても固定資産税がボディーブローみたいに利いてくる訳です…ホンマに大丈夫なんかぁ?
アンティークコインやカラーストーンだって超長期投資なんで、私も似たような状況で情報発信してる訳で、他人の事言えない気もしますけどね。カラーストーンなんて99%以上はガラクタだし。
まとめ
総合的に考えて、それなりに魅力は感じるのですが、日本国内ではやっぱりやりたくないですね。
もしやるなら海外。
でも、制度面で縛りも大きいし、こまめに物件の管理しようにも難しくて、おそらく海外の管理業者に丸投げになるんだろうな。言葉の壁だってあります。
海外不動産投資をするための仲介業者もあるようだけど、そこかますと中抜き発生しますしねぇ。
面倒くさい上にアウェーで勝負するが故のコストも大きく、儲かるのかどうかも私には良く分からないです。なので、当面不動産投資はやっぱりやるつもりありません。海外でも。
あと、REITという手もありますが、ああやって金融商品化されてしまったものは、実物資産というより金融資産としての性格が強くなるんで、上記で説明した不動産の長所も短所も全部なくなります。あれ買うなら株のインデックスファンドで良いかな。