インデックス積立投資の出口戦略
こんにちは、そしてこんばんは。窓際投資家です。
前回の記事で、
「FIREした」と言って発信活動してる人のほぼ全員が…
勤め先の会社を辞めはしているけど、何らかの形で未だに時間を切り売りしている。
酷い場合はサラリーマン・OL時代より切り売りする時間が増えている。
という矛盾を指摘しました。
そうなってしまう理由も色々あるんだと思います。
まず、代表的なものとしては
セミリタイアやサイドFIREであるが故に、ある程度は稼がないと食えない
…ってところでしょう。
あと、お金云々を抜きにしても
- 社会との繋がりが少しは欲しい
- 誰かに認められたい
みたいな理由から、決して割が良いとは言えないバイトやブログ運営をしてる人もいる感じです。
で、前回の記事では触れなかったんですが、これらの理由に加えて…
リタイアしたものの、築いた資産を取り崩す恐怖に耐えられずに、結局働いている
…という人も結構多いのでは?と、思ったりします。
ぶっちゃけ…私も守銭奴なんで、この気持ち分かります。
私はまだ経験してないですが、折角築いた資産を取り崩すなんて、HPが削られていくような感覚でしょうから…。
そもそも、FIRE民が馬鹿の一つ覚えのように信奉する米国型もしくは世界型の株式インデックス投信の積立投資なんてのは…
- 長期間継続すること
- 絶対に売らないこと
で、再現性良く威力を発揮します。
私も好きだし、素晴らしい投資手法ではあると思います。
ただ、なまじこれらの前提が存在するため、いざリタイアとなると
- 積み立てをやめること
- 売って現金化すること
に強い抵抗を感じてしまうんですよね。
で、悲しいかな…他人のブログ見ていると、その結果として
十分な財産持っていても、それを有効活用できずに結局社畜時代と同じように働く
なんていう、笑えない話も結構起きているように思うんです。
特に日本では、一度ブランクを作った中高年が正規雇用に戻るのは非常に困難です。
それ故、この展開に嵌ると、多くの場合、社畜時代より切り売りする時間単価を下げてバイトするしかありません。
これ、キツいですよねぇ。
こんなことが起きてしまうのは、投資の出口戦略がないから。
ということで、今回は積み上げてきたインデックス投信の出口戦略について考えてみたい。
インデックス投信の定率取り崩し設定
まずは、インデックス投信を毎月定率で取り崩していけるサービスを利用する手ですね。
例えば、保有してる米国型もしくは世界型株式インデックス投信を、月々0.3%ずつ売って現金化するように設定しておけば、単純換算で年に3.6%を現金化できます。
これなら、FIRE民のお好きな4%ルールを忠実に実行可能かと。
マージン見ておきたいなら、売る率をもう少し低く設定しておけば良い。
もっと言えば、死ぬときに財産がゼロになっていなければそれで良いんで、財産を減らさないことに拘る必要も本来ありません。
だから、「5%ルール」とか「6%ルール」にしたって構わない訳です。
そういう設定も可能ですよね。
私なんかは、インデックス積立の出口戦略としては、このやり方が最有力だと思っています。
今のところ、このサービス使えるのは楽天証券だけですが、早晩他のネット証券にも波及すると予想してます。
手動で売りを入れるのに比べれば、機械的に〇%ルールを実行してくれる分だけ安心感あるかなぁ…と思いますね。
ただ…折角築き上げた投信の枚数を徐々に減らしていく行為には違いないんで、キャラクターによっては
「それでも抵抗ある」
って言う人もいるかもですね…。
高配当株・ETFへの乗り換え
当ブログでは折に触れて高配当銘柄信者をこき下ろす記事書いていて、私は配当や優待狙った投資なんて邪道だと思っています。
毎月分配型投資信託なんて、証券会社が用意したお馬鹿トラップにしか見えません。
ただ、それは資産形成をする段階での話だとも思います。
貯めた財産を取り崩すフェーズにおいては、高配当株や分配金に重きを置いた投信を利用するのも、間違いではないと感じます。
それでも、アクティブファンドや毎月分配型投資信託はどうかと思うけど、高配当ETFとかならありじゃないですかね。
リタイアしたら収入がなくなるので、何らかのキャッシュフローは必要になります。
そのキャッシュフローを得る方法としては、理論的にはインデックス投信の定率取り崩し設定の方が分があるようには思います。
忠実に4%ルールに則った取り崩しができますから。
ただ、積み上げてきたインデックス投信を売って、高配当系の個別株やETFに載せ替えるのも有力な選択肢です。
分配金出さないインデックス投信を5%売るのも、配当利回り5%の高配当株から配当を受け取るのも、理屈上は同じリターンです。
配当を払った分、企業価値が棄損されて株価が下がりますから。
両者の違いと言えば、
- 「売る」という行為をするか、勝手にお金貰えるのか
- 投信の口数は減るけど、高配当株の保有株式数は減らない
といったところだろうか…。一応は。
ただ…人間の頭はAIじゃないんです。
「売る」って行為をしなくてすむこと
そして
配当を貰ったからと言って、保有してる株式数が減る訳じゃないこと
…金銭的には意味のないことでも、心理的な意味は非常に大きいと思います。
「売る」という行為をして、身を削られるような思いしなくてすむメリットは大きいんとちゃうかな??
子供や孫に全力生前贈与→いざとなったら頼る
最後に、もしこれができれば最強だと思います。
- 逃げ切り計算機上ギリギリの戦力だけを手元に残し、残りを子供や孫に全力で生前贈与。
- それと引き換えに、万一資金がショートした時の援助をお願いしておく。
- 贈与された側は財産をこれまで通り、インデックス投信などの形で長期目線・長期保有で運用していく。
私としては、やれるもんなら、こうしたいです。
その心としては…
売っちゃうのが勿体ないなら、それを世代を超えてリレーすれば良いじゃない!
ってことです。
「超長期で見れば確実に有利」って投資対象を、世代を超えてリレーする
…ってめっちゃ夢があっていいなぁって思うし、バトンを早目に渡すのと引き換えに、自分の万一の時の援助を頼んでいたら、安心感もあります。
贈与する側、される側、双方にとってメリットあるんじゃないですかね。
まぁ…終末期になるとボケてしまう危険もあるし、歳相応に思考力も落ちてきます。
そういうリスクを回避する意味でも、頭がしっかりしてるうちに生前贈与しちゃうのは良いことだと思います。
私はインデックス投信というより、アンティークコインやカラーストーンでこれやりたいなぁと思っているんですが、インデックス投信にもこれは有効だと思いますよ。
ただ…これやりたいってのは、私の願望に過ぎません。
実際にこれができるかは別問題だと思っています。
このスキームは…
- 子供や孫との関係が良好であること
- 子供や孫がしっかりファイナンシャルリテラシーを身につけていること
が絶対条件です。
無闇にこれをやると…
- 約束を反故にされて自分が野垂れ死ぬ
- 子供や孫がガチホすべきものを売ってしまう
- 子供や孫がそのお金で散財したり、更にはヘンな投資商品で大損したり…果ては財産がパーになる
というリスクがありますので…
「親が思ったように子供は育たない」って良く言うし、これは絵に描いた餅かもですね…。
まとめ
最後に、表にまとめるとこんな感じです。
出口戦略 | 長所 | 短所 |
---|---|---|
インデックス投信 定率取り崩し | 忠実に4%ルールを実行できる | 積み立てた投信を売らなければならないため、 心理的な抵抗が大きい |
高配当株・ETFへの 乗り換え | 保有銘柄を売却する必要がなく、 心理的なハードルが低い | ・忠実に4%ルールを実行できる訳ではない ・銘柄選択を誤るとリターンが大幅に落ちる |
全力生前贈与と引き換えの 支援依頼 | ・長期で見ると有利な投資商品の長所を 最大限に引き出せる ・贈与する側には安心感があり、 される側には大きな金銭的メリットがある | ・子供や孫との関係が良好でないといけない ・子供や孫にしっかりとしたファイナンシャル リテラシーがないといけない |
因みに、私の出口戦略はというと…
インデックス投信の定率取り崩しが最有力ですね。
ただ、何とか全力生前贈与がやれるように持っていけないかなぁ…と思ったりもしてます。
既に
「子供を3千万円持たせた状態で社会人にする」
って目標もあったりしますが、まぁ、これはあくまでも目標ですわ…。
こんなの実際にできるのかどうか分かりません。
ま、そのための努力はしますがね。
今日は以上です。