実物資産投資
実物資産投資についてまとめました。
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実物資産を持つ目的
私の場合は、下記の目的で実物資産としてアンティークコインとカラーストーンを保有しています。
- 国家の財政破綻とそれに伴う預金封鎖や資産課税から資産を守るため
- 株式のリスクをヘッジするため
万が一、リタイアした後に預金封鎖と財産課税のコンボで金融資産が吹っ飛んでしまったら、一度履歴書にブランク作ってしまっているので、もう一度働いてリカバリーというのも多分難しいはずです。
だから、私には非常時のための予備戦力や保険が必要だと考えました。
また、ポートフォリオの中心が株式なので、株式のリスクをヘッジする目的もあります。
アンティークコイン・カラーストーンを選択する理由
数ある実物資産の中から選んだのがアンティークコインとカラーストーンです。
その理由としては、目的に一番合致するから。
非常事態に強く値動きが緩やか
当然、どんな資産持つのが良いかなんて目的によって変わるわけですが…
私の場合、一番の目的は預金封鎖が起きるような非常時の保険であって儲けることではありません。
そもそも、何の生産活動も伴わない実物資産で株にリターンで勝つのなんて無理ゲーですよ(参考:アンティークコインのグレードと利回り)。
そして、非常時に威力を発揮する資産の条件は、
- 金融システム、インターネットと縁が切れている
- 素人には価値の査定が困難
- 投資や資産防衛目的で買う人が少ない
- 保管が簡単で持って逃げられる
- 外国人にも人気がある
だと思います。
これに基づいて主だった防衛用の資産を比較したら、こんな感じです。
チェック項目 | アンティークコイン | カラーストーン | 金地金 | 骨董品・絵画 | 仮想通貨 |
---|---|---|---|---|---|
金融システム&インターネットから 縁が切れている | 〇 | 〇 | △ | 〇 | × |
見る人が見ないと価値が分からない | △ | 〇 | × | ◎ | × |
資産防衛目的で買う人が少ない | △ | 〇 | × | 〇 | × |
保管が簡単で持って逃げられる | 〇 | 〇 | △ | × | 物じゃない |
外国人に高く売れる | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
アンティークコインやカラーストーンはこの条件を比較的バランス良く満たしています。
また、この手の資産は流動性が低いが故に値動きが緩やかです。
株式のような値動きの激しい資産のリスクをヘッジするのにはうってつけと考えました。
比較的フェアトレードが成立する
この手の実物資産を買う段においては
フェアトレードが保証されている=騙されて偽物を掴まされたり、法外な高値で買わされたりしない
というのも非常に重要です。
ですが、上記条件の2の資産価値のステルス性とフェアトレードが成立することは二律背反・トレードオフと言って良いです。
ここが悩みどころなんですよねぇ…。
価値の分かりにくさを重視すれば、専門家である売る側は相場観があって価値も判断できるけど、買う側はそれができない…という情報格差ができてしまい、結果としてボッタクリの被害に遭ったり偽物掴まされたりする訳です。
絵画や骨董品の世界がまさにこれなんですね。
アンティークコインやカラーストーンは、これらに比べると鑑定・鑑別システムがしっかりしており、まだフェアトレードしやすい傾向があります。
特にアンティークコインは、PCGSやNGCといった大手鑑定機関が真贋を鑑定した上に70 段階でスコア付けまでしてくれます。
だから、コインの種類とスコアだけで店舗間で売値の比較が出来てしまうし、オークションで似たようなコインがいくらの値段付いてるのかネットで確認できてしまいます。
まぁ、その分資産価値のステルス性が落ちるので良し悪しなんですけど、落とし所としては良いのかなと思ってます。
アンティークコイン・カラーストーン投資のメリット・デメリット
上記の内容と多少被りますが、コインとカラーストーンのメリットとデメリットをまとめると、ざっくりとこんな感じになります。
- 国家がクラッシュするレベルの非常事態に強い。
- インフレ対策に有効。
- 値動きが緩やか。
- 持ったり集めたりすることを楽しめる。
- 投資適格のものを探すのが大変。
- 中間マージンが何割レベルですぐに換金もできないため、超長期投資が前提となる。
- 現実的に、国家がクラッシュするレベルの非常事態が起きる確率はそこまで高くない。
- 一物一価ではなく、適正価格が分かりづらい。故にボッタクリに遭う危険がある。※
- 偽物を掴まされるリスクがある。※
※ただし、骨董や絵画に比べたらかなりマシ。資産価値のステルス性があるという意味でメリットでもある。
カラーストーンについて
まずは信頼できる店を発掘
コインに比べたら鑑別システムも割とふんわりしたところがあり、適正価格が分かりづらいです。流通ルートが複雑で中抜きも多い業界です。
同じような石でも、経て来た流通ルートによって小売り価格が大きく変わりますし、適正価格の分かりづらさも相まって高値掴みさせられやすいと言えます。
これを防ぐには、
鉱山の関係者や海外の現地バイヤーとパイプを持っていて、高品質な石を直接仕入れられるような店を探す必要があります。店の信用も重要です。
持つことが伝統や習慣になっているものを狙う
ルビー、サファイア、ガーネット、翡翠、エメラルドなど、身に付けることが上流階級の伝統や習慣になっているカラーストーンの中で、高品質かつ希少性が高いものを狙っていこうと思います。
ダイヤモンドは市場をデビアス社が仕切っていて、仕手株的な要素強いので、私はやめときます。
また、希少性が高くても身に付ける伝統や習慣が確立されてなくて、今後確立される見込みもないものはスルーさせてもらいます。コレクターズアイテムとして認識されても、資産として認識されづらいだろうから。
アンティークコインについて
買い物は信用ある老舗でしたい
アンティークコインの場合は、鑑定とそのスコアだけである程度適正価格も分かるし、カラーストーン程も店選びで神経質になることもないのかなと思います。
大きく分けて、何十年も続いている老舗のコイン商と、ここ最近のコイン投資ブームの火付け役になった新興コイン商がいますが、それぞれ一長一短があるように思います。
私はどっちかと言うと老舗推しですけどね。
優秀な鑑定士がやってる老舗は鑑定機関に出してない品物も堂々と真贋保障して売るし、鑑定済みのコインの鑑定が間違っていたら、それをちゃんと指摘して注意書き入れて売っています。東京にあるダルマとか銀座コインとかめちゃ優秀。
新興コイン商の方は、未鑑定のコインを自信持って取り扱っているところは少ないし、「鑑定機関の鑑定を信じるしかない」って言いながら売ってる有様なところも多いです。
全部とは言いませんが、店員の目が¥マークで我田引水の買い煽りが酷いところ…結構ありますしね。
ただ、新興コイン商はコインを趣味の対象ではなく、投資対象として捉えています。なので、そういう視点でマーケットを分析して、値上がりが見込めそうなものを選んで仕入れている…という良い面もあります。
まあ、一長一短ですね(二回目)。
煽りの対象になっていないものを狙う
日本人にはあまり人気がないけど、外国人には人気がある…というものを狙いたいです。
日本国内ではやけにイギリスコインやモダンコインが人気で値上がりしてるらしいですが、特にモダンコインは日本人しか買わないから私はスルーします。
日本が経済的にクラッシュしたら、こんな資産おそらく誰も買ってくれなくなるから。これじゃ、危機管理になりません。
買う目的にもよるのでしょうが、こういうのは資産防衛には向かないと見ます。
国内限定のブームには絶対に乗りません。私は。
逆に、日本国内で買い煽りの対象になっていないコインを地道に狙っていきたいですね。
チャイナマネーの先回り投資
中国で仮想通貨が禁止されたことを受け、仮想通貨に向かっていたチャイナマネーのトレジャーアセット系実物資産への流入が見込まれます。
何せ、中国の人は政府や政府が発行する人民元を信用していません。
なので、政府に所在を把握され辛く、政府の力で価値を操作することができない資産への根強い需要が元々あります。
そういう需要の一環で、仮想通貨も宝石や骨董や美術品といったトレジャーアセット系資産も、既に中国人が爆買いしてきたわけですが、仮想通貨という選択肢がなくなったことで、仮想通貨に向かっていたチャイナマネーがトレジャーアセットにも流入してくるものと思われます。
カラーストーンの方では、希少性が高い割にはまだ値段が安く、中国人が好きな赤い石とのことで、レッドスピネルに注目しています。
アンティークコインの方はアジアの出遅れ銘柄狙いで日本の旧20円金貨に注目です。