これって、日本版サブプライムローンじゃないの?
お疲れ様です。
窓際投資家です。
最近は50年ローンなるものがあるらしい
物件価格の高騰で増える「50年返済住宅ローン」は大丈夫なのか…返済開始後の行動で老後に天と地の差
(前略)
最長50年返済まで可能な住宅ローンが増えている。もともとは住宅金融支援機構が民間機関と提携して実施している住宅ローンのフラット35に、50年返済まで可能なフラット50を付け加えたのが端緒といわれるが、その後、各地の地方銀行に広がってきた。
ただ、地方銀行の住宅ローンを利用できるのは、その銀行の営業エリアに限定されることもあって、なかなか利用者は増えなかったが、3年ほど前から全国で利用できるネット銀行の多くで50年返済が可能になって、急速に広がってきた。
(中略)
22年度に買った人を対象とする23年4月調査では、「35年超~50年以内」の合計が12.6%だったのが、23年度に買った人が対象の24年4月調査では、16.0%に増えている。まだまだ全体では2割弱だが、それでも27.0%増えている計算であり、24年度に買った人の調査がまとまれば、40年超の利用者がさらに増えるのは間違いのないところだ。
(中略)
実際、都心やその周辺の高額マンションを買う人たちのうち、2割程度は50年ローンを利用しているといわれるが、そんな人たちの多くは、50年かけて返済していくとは考えていないようだ。
長い返済期間のメリットとして、毎月の返済額が減る分、キッチリと家計管理して貯蓄を進め、計画的に繰上返済して、結果的に35年返済より早めに返済を終えたいと考えている人が少なくない。
都心やその周辺の立地のいいマンションを買っておけば、5年後、10年後には価格が上がっているはずだから、買った価格より高く売れて、手元に売却代金のかなりの部分が残る。それを元手に住まいのステップアップを実現したいという考え方だ。そのためには、50年ローンがうってつけというわけだ。
逆に、50年ローンを利用してでも、いま買っておかないと、ますます高くなって、いよいよ買えなくなってしまう、そんな思いもあるのかもしれない。
(以下略)
住宅を買う気がない私はあまり詳しくなかったのですが、最近は50年ローンなるものがあるんですね。
お恥ずかしい話ですけど、知らなかったです。
この記事を読んで、脊髄反射的に思ったのが…
おい、大丈夫か!?ということ。
リスクが存在しないかのような空気こそが危ない
私の思ったことを少し掘り下げると…
- 生涯賃金2億円、生涯可処分所得1.5億円程度の会社員や公務員が、一度に5000万円前後の買い物するなんて、バランスが悪すぎるしリスク管理上問題がある。
- 5年先も見えないのに、10年、20年、ましてや50年先の未来が見える人なんかいるわけない。
- 「住宅価格は上がり続ける」という思い込みは極めて危険。
1と2に関しては他の記事で取り上げてるんで、ここでは割愛します。興味あったら↓の記事をどうぞ。
で、3ですけどね…。
確かに、私には関係のない話ですが、首都圏では住宅価格が高騰してるみたいですね。
で、「長く続かない」「もう危ない」と言われながら、上昇相場が10年20年と続いてきました。
まぁ、そうやって警告が入るうちは相場ってまだまだ上がるものなんですけどね。
ただまぁ、そういう状況が一定程度長く続くと、これもいつものことなんですが、相場が上げ続けること前提でモノを考える人が多くなってくると。
そして、これまた大体において、こうなってくると、危ない。相場が。
記事にあるように、将来の値上がりを見込んで多少無理してでも買うって発想してるんだったら、目論見が外れて上昇相場が終わった時点で死にます。
終の棲家にする目的であったとしても、相場が低迷すれば何千万円レベルの大損被りかねないし、銀行に金利を巻き上げられ続けて一生を棒に振ります。
日本版サブプライムローンに見える
これもう、人間の性なんですかねぇ?
何度痛い目に遭っても、人間って必ずそれを忘れて同じ過ちを繰り返してる
…私そういう冷めた思いに駆られてしまいます。こんなの、紀元前からずっとだもんね。
最近だと、
こういう思い込みがリーマンショックの引き金になったの知らないのか?
と言いたいところです。
約20年前の米国で、
住宅価格はどんどん上がり続ける!
無理してローンを組んででも今家を買わないと、そのうち手が届かなくなってしまう!
とまぁ、冒頭の引用記事に出てきた理屈と全く同じ理屈で、米国人が我も我もとマイホームを買い求めました。
銀行も銀行で、
住宅価格はどんどん上がり続ける。
もしローンの返済が滞ったとしても、住宅を差し押さえて競売にかければ問題なしと…
となり、無茶な条件でジャンジャン貸し出してしまいました。50年ローンなるものを用意する日本の銀行にもそういう思惑があるのかもしれません。
ところが…
住宅価格が下がり始めたのをきっけけに、ローン返済が滞った物件を差し押さえて競売にかけても貸したお金が回収できない事案が続出。銀行は多額の不良債権を抱えます。
これがサブプライムローン問題というヤツで、最終的にはこうやって増えた不良債権が爆薬となり、リーマンショックを招くことになります。
銀行も債務者も爆死したわけですね。
私なんぞは、この50年ローンの記事を読んで、日本版サブプライムローンやなぁ…と思ってしまいました。
40年近く前の日本のバブルでも、似たような話があったらしく、冒頭の引用記事でもそのことが指摘されています。
人間、何度同じ失敗しても懲りない…。
投資の世界に身を置いていると、人間ってもうどうしようもない馬鹿だなって思ってしまいます。
だからこそ、一定の傾向を掴んで冷静に対処すれば、搾取する側に回れたりもするわけですが…
もちろん、未来のことは分からないですけどね?
私としては、仮にリーマンショックと同じ結末になったとしても、政府は愚か者達を税金使って助けるようなことはしないでほしい。
そんなことするから無責任な行動とる人が増えるし、それを続ければ最終的には、全員が愚か者と共倒れします。
でも日本って、資本主義国家の仮面被った共産主義国なんで、やりそう…。
だったら、そうしなくていいように、今のうちに何かしら規制して欲しいもんですね。
50年ローン自体が悪いんじゃない。
ただし、住宅ローンというツール自体がアカンとは思いません。
経済の理屈をしっかり理解した上で上手く使いこなすのであれば、利用価値高いとは思うんですよ。
これを使って住宅を買う人を全員一緒くたにして「アホだ」と言うのは違うと思います。
理屈を理解せず、何も考えず、浅はかな考えで利用するのがダメなだけで、しっかりした戦略があるんだったらどんどん使えばいいと思いますね。
現に、私だって、
仮に今住宅を購入するのだとしたら、
50年ローンも含めて、できるだけ長期のローンを組めるだけ組みます。
即金で買ってしまうこともできるんですが、それでも敢えてそうします。
と言うのも、金利が上がったと言っても、住宅ローンの金利なんて1.5~2%前後の範囲です。
私なんぞは、財産の多くを投資に回していて、ダントツでウエートが大きいのが株式。
リタイア民なら「4%ルール」なんて言葉、耳にタコ出来るほど聞いてるでしょうが、平均的かつ長期的には、インフレ率抜きでこの程度のリターンを叩き出してきたのが株式。
今後どうなるかは分からないにせよ、過去の話は参考にはなりますので、基本的にはローンの金利より株式のリターンの方が大きいと見込むのは間違いではありません。
であれば、株式を売って即金で住宅買うよりも、株式を売らずに持ち続けた上でローンの利息払っていた方が得なんですよね。
でまた、都合が悪くなったりアテが外れたりしたら、私の場合、持ち株の株価が極端に低迷したりしない限り、株式を売却していつでも繰り上げ返済できます。
皮肉な話かもしれないですけど、ローンって一定の資金力がある人にとっては資産や信用にレバレッジをかけてステップアップするツールとして機能するんですけど、
資金力ない人が安易に使うと一生を棒に振りかねない…そういう傾向はあるのかもしれません。
もう一度言いますが、大事なのは、そこに戦略があるのか否か。
でもまぁ…半数以上の人にはそんなもんないやろね…。