暦年贈与 vs 教育費 子供にお金投下するならどっち?

お疲れ様です。窓際投資家です。

この前の記事にも書いたんですが、私は子供の教育にあまりお金をかける気がない一方で、せっせと子供に対する暦年贈与を毎年やっています。

これ…皆さんどう思います?

色んな考え方あって良いと思うし、「これが正解」と言える答えはないと思うんですけど、私の考えとしては…

子供の教育に闇雲にお金かけるぐらいなら、そのお金を暦年贈与した方が子供の人生にとってプラスじゃないのか

と考えるクチではあります。

効果が確実な暦年贈与、費用対効果が怪しい教育費

私が教育費より暦年贈与と考えている最大の理由が、

教育費の費用対効果はあやふやである反面、暦年贈与の効果は確実である

というのがあります。

厳しい時代を生き抜くためには、教育にお金かけるのも間違いなく一つの考えではあります。

ただし、教育の場合、お金かけても効果があるとは限らないんですよね。

子供の適性を無視した分野で頑張らせようとしたり、チョイスした手法が子供のキャラクターと相性悪かったりすると、逆効果になることさえあります。

もちろん、子供の適性をしっかり踏まえた上で相性の良いアプローチ選択すれば、滅茶苦茶費用対効果が良い投資になるケースもあるわけですが、それをするには親の側にも高度なスキルやセンスが必要だし、ある種のギャンブル性が間違いなくあります。

何より、社会的地位や収入や学歴は半分以上が持って生まれた遺伝情報に左右されるなんてデータもあります。

そもそも論として、教育によって持って生まれたものまで変わる訳ではありません。

例え費用対効果が良くていい投資になったように見えても、殆どのケースは…

元々持っていた良い素質が覚醒するきっかけ

⇒ 遅かれ早かれ何かのきっかけで覚醒する

一時的に下駄を履かせているだけ

⇒ 相性が良い環境から離れた瞬間、魔法が解けたように元の状態に戻る

の何れかに過ぎず、

人生トータルで長期的に見た場合、持って生まれたレベルに収斂していく。

実は教育の影響なんて限定的。

…ってのが今まで私が生きてきた中の肌感覚でもあります。

だったら、教育費なんかそこそこにしておいて、浮いた分を子供に暦年贈与でもしてやった方が、子供に人生にプラスになるんじゃない?

と思うんですよね。

100万円余分に教育費かけてもそれに見合った効果出るか分かりませんが、

100万円暦年贈与してやれば、それは確実に子供の財産になりますから。

暦年贈与は経済リテラシー教育の成否がカギ

ただし、暦年贈与も良い事ばかりではありません。

子供に積極的に暦年贈与かけていくのであれば、金銭管理や経済リテラシーを家庭でしっかり教えてくことが絶対に必要です。

何もせずに大金を「はいどうぞ」では、多くの場合、悲惨な結果を招くでしょう。

その意味では、子供にお金を投下する選択肢として、ハッキリ言って暦年贈与は「取り扱い注意」です。

で、ここでちょっと不安にならないでしょうか?

というのも、家庭での経済リテラシー教育だって所詮は教育の一種です。

私が肩肘張って子供の教育にお金かけたくない理由思い出してください。

一般論として、持って生まれたものの影響が割と強いんで、教育の効果は世間で思われてるほど大きくない。

この理屈で行くと…

家庭で経済リテラシー教育を頑張ってたところで、効果は限定的ってこと??

ってなってしまいます。

まぁ…実際そうなんやろなぁ…という面あります。

金銭管理にも、資産運用にも、持って生まれた性格的な向き不向きは確実にあります。

ギャンブルにハマりやすい人とか、浪費癖ある人とか、やっぱり一定数いますしね。

彼ら見ていると、金銭管理や家計管理の知識がないというよりは、性格や頭の作りの問題で制御が利かない感じ。

そこまで酷い人は稀だとしても、例えば投資ブロガーやインフルエンサーを観察してるだけでも、

訳知り顔でインデックス積立投資の理屈解説しておいて、

それを自分で続けられない。

下手な個別株投資やスイングトレードに手を出してリターンを下げる。

自分で解説した理屈通りに行動するのさえできない…そんなお馬鹿さんも少なくありません。

何だかんだ言って投資ブロガーやインフルエンサーは一般人に比べたらリテラシーある方だと思うんですけど、それでもこの有様。

こういう生まれ持ったパーソナリティを矯正してくの、無理とは言わないけど、かなりハードル高い思いますよ。

というか、基本的には変わらないと思った方がいい。

そう考えると…子供のパーソナリティも一様ではないですから、

経済リテラシー教育はちゃんとできるのか?

と言われると、「はい」と断言し辛いところは間違いなくあります。

これは暦年贈与の最大のリスクと言えるでしょう。

経済リテラシー教育は親の頑張り次第でどうにかなる?

ただです…

これは私の仮説なんですが、

経済リテラシー教育に関しては、比較的親の頑張り次第でどうにかなる分野なのでは?

という気もしてます。

なぜか?

経済リテラシー教育は親の頑張り次第?(仮説)

学校で教えてくれない。習い事でやるのも一般的じゃない。

教えられるだけの知識持ってる親も極めて少ない。

つまり、殆どの子供はマトモな教育環境を与えられていない。

であれば、マトモな教育環境を与えることさえできれば、遺伝的な適正がなくても、ある程度の結果が出やしないか??

米国では、第二次大戦前は学歴、社会的地位、収入に与える遺伝の影響は2割から3割だったそうです。

それが、戦後に社会福祉制度が整備されて劣悪な環境に置かれる子供が減った結果、遺伝の影響が半分程度にまで高まったそうです。

教育環境が良くなって全員公平にチャンスが与えられるのは本来素晴らしいことですが、これによって皮肉にも遺伝ガチャ要素が強くなってしまった…そういうことらしいんです。

なんとも複雑な気持ちにさせられますが、これが現実です。

これを今の日本の教育環境に置き換えて考えてみます。

学校で教える国語や数学といった勉強は、ほぼ100%の子供がある一定水準以上の教育環境を与えられて学んでます。

みんなが持っている資質を100%近く発揮できる環境になっているせいで、遺伝の影響で優劣が決まりやすいと思われます。

野球、サッカー、ピアノ、水泳…等の人気の習い事もそれに近い状態かと。

日本の場合、米国よりずっと格差が小さくてストリートチルドレンなんていない国ですから、遺伝の影響は米国より強いと推測できます。

逆に、マイナーな習い事になってくると、

多くの子供はそんなもの眼中にないので、なかなか自分から「やりたい」とは言わない。

親にとってもそんなもの眼中にないし、

習わせる場所も限られるし、

自分で教えようにも自分にその知識やスキルがない。

…そんな状態です。

なんで、ちょっと教えれば、そして本人がちょっと頑張れば、すぐに無双状態になれるんですよね。

で、経済リテラシーって完全に後者です。

親に一定程度の知識があって子供に熱心に教えてやろうという気さえあれば、子供の資質に関係なくある程度のレベルまでは行くんかな?と思ったりはします。

ただし、これは私の仮説ですので悪しからず…。

贈与の仕方を工夫するのも手

とは言え、頑張って教えても実を結ばないケースも、どうしたって一定数ある気がします。

これはある程度仕方がないことです。

となったら、散財してしまわないように、財産の渡し方工夫するしかない訳ですが、こういう場合も一応手はあると思います。

保険をプレゼントする

保険のパンフレットと電卓と虫眼鏡

まず、保険を子供にプレゼントしてしまう手が考えられます。

まず、子供に保険事故が起こった場合に保険金が下りる保険を自分で契約して、保険料を一括で払ってしまいます。

最初は保険金の受取人を自分にしておくんですが、後から保険の受取人を子供に変更。

そうすることで、保険を子供にプレゼントできます。

最大のメリットとしては、保険事故が起きない限りお金が下りないので、子供は絶対に浪費できません。

だけど、何かあった時の保障はきっちり受けることができるんで、子供の人生にとっては間違いなくプラスですね。

余談ですが、敢えて解約する時にお金が返ってこない「掛捨て型」の保険を選択することで、贈与税を大幅に圧縮できるメリットもあります。

詳しいサイトを見つけたのでリンクを貼っておきます。

まぁ…私は保険ってものがあまり好きではないですが、こういう場面ではワンポイントで利用価値あるっちゃありますね。

金融資産のウエートを落とす

あとは、金融資産のウエートを落とすこと。

株式とか債券みたいな金融資産って簡単に売って換金できてしまうんですよ。

特に最近はネット証券とかあるんで、本当にクリック一つだったりします。

こんな状態にしておけば、浪費家やギャンブル狂は…そら使い込むでしょうねぇ…。

だったら、換金し辛い形にしてしまえば良いじゃない!という話です。

代表的なのは、不動産ですかね?

負動産だったらマズいと思いますけど、一定程度の資産価値ある不動産だったらアリじゃないですか?

多くの不動産を相続して大家業をやるってなると、それはそれでリテラシー必要な気がしますが、自分が住む家だったらそんなリテラシーめいたもの必要には思えません。

不動産は持ってる限り住む場所を提供してくれて、自分で住宅を用意する必要なくなって生活は楽になります。

換金するのは結構大変で時間も手間もかかります。この時間や手間ってのが浪費家に対しては大きな抑止力になるんですよね。

個人的には、不動産はあまり好きじゃないですけど、こういう目的なら利用もアリだと思ってます。

最後に

ということで、私は闇雲に教育費にお金使うぐらいだったら、そのお金を子供に暦年贈与してやりたいと考えてます。

ただし、相対的に暦年贈与の方が良いと考えているだけで、暦年贈与にも色んなリスクや問題点があって、工夫も必要だと認識しています。

なんで、別に教育にお金使うのが間違いだと思ってるわけじゃないです。

費用対効果に疑問符が付くにしても、多くの場合、全くの無駄になる訳ではないだろうから…。

ただ気になるのが、世間の人を見ていると、どうも教育にお金かけることを過大評価してそうな感じがすること。

それで本当に子供が幸せになれますか?

もっと別のお金の掛け方してやった方が、子供の人生豊かになりませんか?

…このあたりのこと、もっと、周りに流されずに、常識に囚われずに、ゼロベースで真剣に考えた方がええんちゃいますかね?

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