「優良株をガチホ」はただの宗教

長期投資だって難しい

私もインデックス投資から初めて少し慣れてきたころに個別株に手を出しはじめ、最初は優良株の長期投資が初心者向きでは?と思い、10年スパンで良いと思った会社の株をガチホする投資を始めました。

ですが、これが私には合わなかったんです。性格や得手不得手はみんなあるんで、こういう投資の方が向いている人ももちろんいるとは思います。

最近SNSを見ていると、「優良株を長期投資すれば良い」というのがお題目のように語られています。

別にそれが間違いだとは思いません。理論上は間違ってないと思います。だけど、言うのは簡単でもなかなか理屈通りには行かないものですし、私なんかは投資する中で長期投資特有の難しさを感じてきました。

これから個別株投資をお考えの方のために、私が長期投資をして感じてきたことを書き出してみます。

長期投資のメリット

長期投資のメリット
  1. ゼロサムゲームにならず、プラスサムになる⇒期待値の上ではチャンスが大きい
  2. 株価のノイズを無視できる⇒売り買いの細かいタイミングは適当で良い
  3. 売買手数料が安くなる

こんなところでしょう。なので、巷で言われている言説は間違いではないです。私も最初、ここら辺の事情を考えて優良株ガチホ戦略を考えました。これはこれで魅力的です。デイトレとかより遥かに良い。

でも、理屈通りにいかない問題が色々あったんですよ。

長期投資のデメリット=銘柄選びが難しい(選び間違えるとドツボ)

折り重なったおみくじ

早い話が、「優良株だと思って持っていたら実はクソ株でした」こんな話がザラにあって、これを避けるのが結構大変だし、完全に避けるのはもう無理なんです。

将来性は解釈論でしかない

大前提として、長期的に見れば企業価値や業績に株価は連動するというのは事実としてあります。

ただ、そこで最も重視されるのは現在の業績ではなく、将来性です。今現在の業績評価することはある意味誰でもできますが、将来性となると評価が非常に難しい。何せ解釈論にしかならない部分なんで。

芝の上の矢印とFUTEREの文字

これについてはプロでも頻繁に間違うんです。ウォーレン・バフェットでも売った後に株価が上がるなんて事例ザラにあります。

社外から見ても分からないことが多い

昔話になりますが、私が20代のころ勤めていたパープル企業の株を澤〇ファンドも買っていました。長期投資で有名ですね。

財務体質は良いし、業績は良いし、研究開発費もそれなりに増やしていました。そして、赤字が出た事業部があると、すぐに組織を再編して黒字事業部と合併させ、赤字事業が対外的に目立たないように工夫もしていました(これやったの1度や2度じゃない)。なので、表面的には上手くやっているように見えたのかもしれません。

ただ、内情としてはパープル企業にありがちな話で社員がみんな楽を覚えてモラルハザードが起きており、主力事業はジリ貧になる一方。新規事業開発のためにつぎ込んだ研究開発費もあまり有効には使われずにドブに捨てている…そんな状況でした。

あくびするスーツ姿の男性

社員の間では「あのファンドも大したことないな」ってずっーと話題になってたんですけどね。

株価の方はと言うとリーマンショック前がピークでそれからずっと下がり続けていて、今ではピークの半値以下。今も保有しているのか知りませんが、大損こいたのは間違いなさそうです。(逆に市場の判断って凄いなと思います)

つまり、そういうことなんです。どんなに外から頑張って調べても会社の内情なんて詳しくは分からないし、将来性を予測する上で重要な情報がそこに隠れている場合も多いんです。だからプロでさえバンバン間違いを冒します。個人投資家は言わずもがな。

将来性が既に株価に織り込まれている可能性も

自分が下した将来性の評価が正しかったとしても、それが既に株価に織り込まれている場合だってあります。こうなると、期待が事実に代わるだけなんで、株価は上昇しません。

市場には多くのプロの投資家が参戦していますから、一介の個人投資家が下す評価よりも市場が下す評価の方が早くて正しいことが多いです。上に挙げた例だと、市場の判断力が澤〇さんの判断力の完全に上を行っていましたよね。

確かに、市場が判断間違うケースもあるにはあって、それを突くことで大きな儲けを取れるのは事実でしょうし、著名投資家のやり方は大体これですが、、、仕事の片手間でやってるような投資家が狙ってそれをできるのかどうか。

(なので、余談ですが、個人投資家の場合、いくら自分が良いと思った銘柄でも株価がジリ貧になってる銘柄は避けた方が賢明でしょうね。長期でも短期でも。)

試行錯誤して自分に合ったやり方を見つけよう

両手に持ったパズルのピース

インデックスのドルコスト平均法&永久保有はまずやるべき投資なんでしょうが、それ以外のことやりたいのなら、結局は少額から試行錯誤していって自分にあったやり方見つけるしかない気がします。人の数だけ正解はあると思います。

私は色々試した結果、個別株に関しては数年単位で利ザヤを抜いていく中期投資が自分には合っている感じでした。

因みに、短期投資のメリットとデメリットを挙げてみます。

短期投資のメリット
  1. 手っ取り早く儲けられる
  2. 企業のファンダメンタルや将来性を無視できる⇒チャートから投資家心理を読んでいればOK
短期投資のデメリット
  1. ゼロサムゲームである
  2. 売り買いのタイミングがシビアに求められる
  3. 手数料がかかる
  4. 株価を頻繁にチェックしないといけない

中期投資は、これと上に挙げた長期投資のメリットやデメリットを足して2で割ったような感じになります。

私の場合は長期投資の中に「企業のファンダメンタルや将来性を無視できる」という要素を少しだけ取り入れると上手く行くようになってきました。

市場の判断力を信じてトレンドをフォローして入っていく、でも市場が間違い冒す場合もあるので、それが露見する前にある程度美味しい部分を取って数年で利食ってしまう…そんな感じですね。

自分に未来読むの無理だってこと良く分かったし、現状、自分にはこれが一番合っています。なんでもそうですが、自分のダメな部分知ることは凄く大事です。

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