喧嘩は勝っているうちにやめてしまおう

このコロナ相場で明らかに市場平均を上回る爆益取った人も多いんじゃなかろうか。

あまり大きな声で言えないのですが、私もその一人です。少しコロナ相場を振り返ってみます。

普段はパッシブ運用&分散投資に分がある

市場平均を上回ろうとすると、漫然と時価総額比率とかで買っていたり、リスク分散させすぎるとダメである程度山を張っていく必要があります。

リスク分散のし過ぎは消毒されすぎていて旨みがない。保険貧乏というヤツで儲けが取れない。当たり前の話です。

とは言え、どんな形で山張れば良いのかって話になると売買のタイミングや投資対象の選定などが非常に難しく、普通の市場環境ではそこでほとんどの人が躓いてしまって上手く行きません。

人間は理屈通りに動けない生き物で、特に投資に重要な将来への予想という段になると、感情や印象さらには希望的観測なんてものを排除して物考えるのは非常に困難なのです。

だから株を買うのなら無難にインデックス投資したり、株だけじゃなく他の金融商品や実物資産にも分散して持っておくことに意味があるし、長期的に見てその方が上手く行くことも多いのは確かな話です。

投資計画を書いたノート、ドル札、電卓
分散投資は運用成績は地味でも手堅い

繰り返し言いますが、インデックスに勝てる運用できる人はプロでさえそう多くはありません。これが現実です。

でもコロナ相場は違った

簡単な連想ゲームだった

ここからは私の主観なんですが、コロナ相場ではその理屈が通用しなかったなと思うのです。

ダメな金融商品と伸びる金融商品、ダメな銘柄と伸びる銘柄の取捨選択がめちゃくちゃ簡単だったからです。

大体こんな感じで誰でもすぐ思いついたんじゃないでしょうか。

打たれた政策・起こった現象
  1. 大規模財政出動+金融緩和
  2. 外出・移動の規制
  3. 医療体制の逼迫+ワクチン開発競争
予想される影響
  1. 金利低下
  2. 法定通貨の価値・信用が低下
  3. 巣ごもり需要増加
  4. 医療系の研究開発が活発化
  5. 人の外出・移動で成り立つ産業への打撃

そして最終的にはこうなります…。

売りの金融商品と買いの金融商品のリスト

正直、投資家として賢いかどうかはあまり重要ではなく、行動や決断が早いか遅いかが明暗を分けた感じがします。

株式の選別も難しくなかった

株式の中でも、コロナ騒動を追い風にする銘柄と打撃受ける銘柄が騒動当初から割とはっきり分かって、かつ選別が簡単だったように思います。

必要なものと不要なものを分ける女性
コロナ相場では銘柄仕分けは簡単だった

巣ごもり系のEコマースやオンラインゲーム、ストリーミング、その他IT系が伸びるのは馬鹿でも分かる話だったと思うし、ワクチンや薬の開発に血眼なんで医療系が伸びるだろうことも誰だってわかります。逆に、人の動きや外出を止めるので航空関係、鉄道、旅行系その他人が外に出ることで儲かる業種がダメになるのも明らか、強烈な金融緩和を行うので金利低下から銀行系がダメなのも明らか。

なので、保有している銘柄で切るべき銘柄と買い増す銘柄の判断自体は難しくなんかなかったし、負け組をさっさと損切りして勝ち馬に乗せ換える勇気さえあれば誰でも儲けられた気がします。決断遅いと乗り遅れたんでしょうが。

インデックス投資の良さが生きなかった

こういう状況でインデックス投資だと、誰が見ても明らかにダメと分かる銘柄も指数に採用されていれば買わないわけにはいかず、リターンの足を引っ張ってしまいます。長期的に見れば優秀な投資手法でも、今回のコロナ相場に限ってはあまり有効じゃなかった感じですね。

若干余談ですが、アクティブの機関投資家にしても、大損を避けるためにポートフォリオの半分程度はインデックスと同じ構成にするルールを定めているケースが多いんです。このケースでもダメだと分かっていてもクソ株を持たざるを得ないんでリターンの足を引っ張られてしまいます。

まあ、インデックスもアクティブも金融緩和の影響で株式自体が伸びてるのでそれなりの儲けは出ている感じですが、彼らのパフォーマンスを個人投資家が上回るの割と簡単だったんじゃないかな。今回は。

まさに個人投資家の非インデックス勢が大勝利の展開でした。

投資家の淘汰はこれから

とは言え、いつかはこの相場も終わって普通の相場環境になるときが来ます。

今までは株式以外の金融商品から株式へ、負け組株式から勝ち組株式へと資金流入が続いて来ましたが、やがてアフターコロナ仕様の適正株価に落ち着く時が来ます。

そうなると、今までは、例えばとりあえず大手IT系買っておけば何でも儲けることができたのが、IT系の中でも銘柄の取捨選択が必要になるようになります。こうなると、不勉強な投資家や情報弱者の投資家は必ず淘汰されます。

階段の途中で挫折する人
これから実力のない投資家が弾かれる

自戒を込めて言いますが、今爆益を取った人の多くは行動力があって決断が早いタイプの人間ではあるのだろうけど、必ずしも投資家としての実力が優れているというわけではないんです。行動力や決断力も実力のうちではあるんですが、儲けられた理由の半分は運なんです。自分の実力じゃない。

喧嘩は勝っているうちに終わらせた方が良い

強敵相手にまさかの優勢。どうする?

もし今市場平均に対して明らかに勝っているというのであれば、基本的には勝っている間に撤退してインデックスファンドに金突っ込んでしまうのが得策です。あるいは、金融システムと切り離されていて値動きがマイルドなもの…私が好きなアンティークコインや宝石なども株式を利益確定した資金の行先としては良いかもしれないです。

基本的にはいつまでも勝ち続けることはできません。何度も繰り返しますが、インデックスに勝つのはプロでも簡単ではないんです。なら、勝っているうちに幕引き図ってしまうのが賢いやり方です。

例えていうなら、ただのおっさんがメイウェザー相手に試合してて、偶然にも会心の一撃が当たって奇跡的にダウン取ったような状態です。今は。

テレビのリモコンとボクシングの試合
まさかの優勢。さあ、どうする?

普通の感覚だとここらでやめておこうってなるでしょ?そのまま試合続けたら怪我では済まないですからね。

投資の世界ではプロともガチ勝負になる

ボクシングだったら、初心者がいきなりトッププロやチャンピョンと勝負するようなことは絶対になく、分相応の人と試合重ねながらキャリアを積むなり、趣味として楽しんだりすることになります。

だけど、投資は違うんです。

試合会場は公開の市場一つしかなく、そこには百戦錬磨のファンドマネージャーもこれでもかといるし、市場の値動きを研究し尽くしてできたアルゴリズムだって沢山存在します。

実感がどこまであるのか分かりませんが、初心者でも趣味でやってるだけの人もこいつらをみんな相手に戦わないといけない。しかも彼らは食い扶持がかかっているので一切容赦はしてここないんです。

スーツを着て刀を抜いた男性
プロも素人に対して一切容赦しない

そう、メイウェザーが、パッキャオが、ドネアが、、、リングに上がったただのおっさんにガチで勝負挑んできます。それはもう、殺す気で。そんな世界なんですよ。

ただ相手が見えないから恐怖感じないだけなんです。

ちなみに、私は今月になってから、個別銘柄のうちでRSIが70%を超えて過熱感ある銘柄から徐々に売っています。まだまだ上がるのかもしれないけど、欲張るとロクなことないんで手堅く行こうと思います。

私自身が上述の運が良いだけの投資家だと思っているので。

自覚のない馬鹿はどっかで確実に焼かれますが、少なくとも私には自覚があります。馬鹿なのも実力以上に儲けたのも大きな問題ではないと思うのですね。馬鹿の自覚がないことや、運が良いだけだったのを自分の実力と勘違いすることの方がよっぽど問題が大きい。

そのお金の行き先は検討中ですが、良さそうなのが何もなければインデックスに投入予定です。

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