解雇規制の緩和について窓際族が考えてみる
こんにちは、そしてこんばんは。窓際投資家です。
恐らく、世界一手厚く法律で守られているであろう日本の正社員。
コンプラを気にする会社であれば、そうそう首にはできません。
何を隠そう、私なんかはこれを散々利用して、無能なのにも関わらず今の地位を築いた訳ですが…
ただこれ、
正社員を保護しすぎじゃないのか?
ここまでやり過ぎると、社会や経済にとってマイナスではないのか?
という議論が、もう20年ぐらい前からずっとされ続けています。
これに関して、現役窓際族として思う事を今日は書いていきたい。
解雇規制の緩和には賛成
最初に言っておくと、私は
解雇規制の緩和には賛成
です。
まぁ…やり方にもよるとは思うけど。
日本の正社員って、めっちゃ手厚く守られてます。
これ、一見優しい制度に見えるけど、結局、
回り回って世の中の大多数の人が損してる
…ように私には見えます。
解雇規制が正社員の首も絞めている?
考えてみて欲しい。
「一旦正社員を雇ったら解雇できない」
となると…
業績が悪くなって人が余る事態も想定しなくてはいけないし、
正社員で採用したものの使いモノにならない人が一定数出るリスクも考慮せざるを得ません。
こうなると、リスクを考慮して
正社員の採用は極力絞り、非正規を増やして調整弁に
給料は割安な水準に
…となりますよね…。何かあった時のために。
解雇規制とは別の話ですが、労働者の同意なくして雇用条件の改悪ができないのも問題で、これも、雇う側からしたら、
「一度賃上げしたら、下げるの大変」
となるんで、賃上げにも慎重にならざるを得ないでしょうね。
私なんかは、日本の労働者って厳しい解雇規制と引き換えに
簡単に雇ってもらえない
≒簡単には転職できない
≒会社の言いなりになるしかない
いくら頑張っても賃金が上がらない
というクソゲーを受け入れるハメになってる気がします。
個人的な感覚で申し訳ないけど、恐らく、解雇規制を少々緩和したところで、それで長い目で見て実害を被るのって煮ても焼いても食えないレベルのどうしようもない人だけちゃいますかね??
大多数の人って、規制緩和された当初は憂き目に遭って痛みを伴うとは思うんですが、長い目で見たら労働条件も少しずつ良くなって得するんじゃないかと思うんです。
解雇のハードル下がれば、転職する時も雇ってもらいやすくなるし、そうなると、会社に不満があったらソッコーで辞めちゃえますよね。
あと、
オワコン業界が優秀な人材をロックしてしまって成長産業に人材が移らない
って問題も解決するだろうしね。
日本の場合、今のところ「緩やかな衰退」ぐらいで済んでいて急激な変化が起きてないから、正社員の過剰保護が正社員の首も絞めていることに気付いていない人が余りにも多いんじゃないかと私は思います。
病気休職が不要に?
転職や再就職が簡単になれば、休職制度って要らなくなりません?
病気になったら退職して治療に専念。元気になったら再就職。
…ってことで良くないですか?
今の日本みたいに、会社にしがみつきながら、だましだまし働き続ける必要なんてなくなります。
私も過去に1年間休職しましたけど、自分の経験からすると、そうなるんだとしたら凄く良いと思います。
というのも、休職するのって滅茶苦茶精神衛生が悪いから。
私の場合は…
休職できる期間にもリミットがあるし、年齢的に再就職はかなり厳しいのが目に見えていたので、仕事を休み始めた当初は
「早く回復しないと」
「治らなかったら強制退職だよね?」
って凄く焦りました。
毎月診断書を貰って病状を職場に報告して、管理職と面談もしなきゃいけないし、そこで
「思わしくない」
と言ったら露骨に管理職の顔が曇るので、悪い話であればあるほど言いづらかったです。
それに、小さな部署にいる時に病気になったので、休職されてシワ寄せが行く他の人にどう思われてるんだろう?と思うと、凄い怖かったです。
そんなこんなで、ある意味で働いているよりもずっとストレスフルだったように思うし、
いっそのこと、退職してしまえばこのストレスから解放されるのかな?
ってか、このストレスが病状悪化させてそう…。
って何度も思いました。
なんで、再就職の保証さえある程度あるんなら、スパッと辞めてましたね。
それがないから、しがみついたのだけど…その結果、辛い思いを沢山することになりました。
産休・育休・時短勤務等も不要に?
そして、これ、うちの家の現在進行形の話ですが、再就職さえ保証されてるなら、会社が用意する子育て支援も要らない気がしてるんですよ。
再就職さえできるんなら
妊娠・出産を機に会社辞めちゃう。
子供がある程度大きくなって手がかかならくなってから、再就職。
で良くない??
その方が会社にとっても、働く人にとってもストレス小さくないですか?
現実問題として、産休や育休や時短みたいな制度をモリモリ使いながら会社にしがみつかれても、
それをカバーする周囲の人や会社は堪ったもんじゃない
って部分はどうしたってあります。
みんなが結婚してみんなが子供持つ社会ならいざ知らず、生涯独身の人もいれば子無し夫婦だって少なくないこのご時世、
「お互い様」
とは…現実的には、なかなかならないでしょう。
制度使うのが私のような男だったら特にね!
企業は企業で利潤を追求する組織なので、あまり度が過ぎると、
「小さい子供を抱えた人(特に女性)は雇いたくない」
となってしまいます。実際、中小零細だとそんな会社ザラだし…。
そうやって支援してもらう側の人間としても、マトモな神経した人ならその辺の事情や空気は感じ取って気にするだろうし…ストレスじゃないですかねぇ、これ。
だったら、一旦離職して再就職…ってスタイル取った方が、お互いスッキリしませんかね?
正直、うちの家なんかはまさに当事者で、来春から私も時短取りますけど、仮に再就職可能だったらこっちの方が良いなぁ。
それが日本の硬直しまくった雇用慣行じゃできないから、離職しなくていいように手厚い子育て支援があるのだろうけど、これを使い倒されつつしがみつかれて耐えられる会社…ぶっちゃけ多くない。
「欧米では…」
という言葉を意識高い人は好きみたいだけど、それこそ、米国なんかでは日本みたいな充実した産休や育休制度なんかなくて、
「子育てに手がかかる時期は一旦退職して、子供が手を離れたら再就職ってスタイルが一般的」
と、某米国在住のブロガーさんの記事に書いてありましたね。
会社にどれだけ貢献したかで処遇を決めるべき
プライベートな理由で処遇変えるのはおかしい
という理屈が米国流だそうです。
「住んでる場所で処遇か変わるのはおかしい」
という理由で住宅手当や通勤手当もないし、
「子供いるのかどうかで処遇変えるなんておかしい」
という理由で産休・育休もなければ扶養手当もないそうです。
これはこれでキツそうだけど、自分の経験上、
変に個人的な事情に配慮して手心加えると恨みつらみの元にしかならん
という気がしているんで、こういう考えは嫌いじゃないかも。
最後に
因みに、当ブログで散々書いてきたように、私は日本の解雇規制の厳しさを徹底的に利用して今の地位を築きました。
私はサラリーマンとしては超絶無能なんで、
解雇規制緩和なんかされたら、高確率で首じゃないかな…
と思ってます。
どのぐらい緩和するかにもよるとは思うけど。
私個人の損得で言ってしまうと、解雇規制は厳しい方が得ですね。
だけど、
「自分個人の損得」
と
「制度としてどうあるべきなのか」
は分けて考えないといけないと思います。
ハッキリ言って、私みたいなのは首にしちゃった方が良いと思うんです。世の中的には。
まぁ、労使のパワーバランスを考えたら、簡単に解雇できるのも問題なんでしょうけどね。
大概の労働者は会社の言いなりになってしまう弱い存在なのは確かなんで…
なんで、
「簡単に払える金額ではないけど、覚悟を決めれば払える」
…ぐらいのラインの解雇手当払えば解雇できます。
ってしたらどうかな?
そういや、民間時代に追い出し部屋に入れられた時は、
こんな形で飼い殺しにするぐらいなら、割増退職金付けて首にしてくれないかな?
ってずっと思ってましたね。
同じこと言ってる人他にもいましたね。
社内で晒し者になってるのが辛いんですよ。
逆に言えば、金銭解決で解雇できるようにしたら、自己都合退職に追い込むためのこの手のイジメが減って良いんじゃないかとも思います。
…とは言え、正社員の解雇規制の緩和なんて、中々できないんちゃうかな?
ある意味、「正社員の椅子」ってのは日本では最大の利権で、何だかんだで、この利権持ってる人がかなりの数いるわけです。
そして、正社員の多くが、その利権が自分たちの首を絞めてることに気付いてない。
なんで、正社員の解雇規制の緩和なんかを公約に掲げたら、そんな政治家選挙に落ちるでしょう。