空き家が増えるのは税制のせいなのか?
こんにちは、そしてこんばんは。窓際投資家です。
人口が減少する中で郊外に造成される訳の分からない新興住宅地の存在と、そんな場所に家を買う人をボロカスに批判した昨日の記事に対してコメントを頂きました。
引用します。
家壊したら固定資産税が6倍になるんです。
そりゃだれも家壊せませんよ。だからボロの家を放置するしかない。そんなぼろが建っている土地もだれもいらないから、ぼろ空き家ばかり増えてくことになるんです。
税制を代えないとどうしようもない。(原文ママ)
そうなんですよね…。
確かに、空き家を壊して更地にしたら、土地にかかる固定資産税は最大で6倍に跳ね上がります。
実際、うちの実家もこのルールがあるんで、4軒も家屋を所有していて壊していないんですよね。
ニュース番組とか見ていても、このルールの存在がよくやり玉に挙げられます。
確かに、このルールが存在しているせいで空き家が放置されている面もあると言えそうです。
今日は、この質問に、実際に実家がクソエリアで負動産を所有している当事者目線で回答していきたい。
「更地ペナルティ」をなくしても問題は解決しない(多分)
それじゃ、仮に法改正して
建物が建っていようがいまいが土地の固定資産税は同じにします!
としたら、問題解決するか?
というと、私は「しない」と思います。
というのも、クソエリアでは更地にしたところで買い手なんて付きません。
そして、更地にしたらしたで管理が必要なんですよ。
その管理もタダではできません。これは空き家と一緒。
草も生えるし、ゴミ捨てられたりもするし…。
こうなると、結局は
解体費用が掛かる分、空き家を取り壊すのは損
となってしまいます。
法改正しないよりはした方が良いとは私も思いますが、そこまでインパクトないんちゃうかなぁ?
需給を無視した乱開発こそが問題
逆にです。
「仮に更地にしたら売れるアテがある」
となると、どうでしょう?
どうせ使わない土地や家屋なら、そして、売れるアテさえあるなら、解体費用を払ってでも家屋を解体して更地を売りに出すんじゃないですかね?
少なくとも、うちの家なら絶対にそうします。
恐らく、同じように負動産をかかえてしまってる多くの人は同じ思いなんじゃないだろうか??
なんで、更地ペナルティ税制自体は特にイジらなくても、需給完全無視の焼き畑みたいな乱開発をやめて、今ストックとしてある不動産に買い手が付くようにしてやれば、それで済む話な気はしています。
そうやって健全な不動産市場が戻ってくるのだとしたら、更地ペナルティにも投機的な土地の買い占めを抑制する意味はあるんだし、残してても良いような…。
まぁ…いずれにしても、立法や行政の不作為が問題なんだとは私も思いますよ。
が、前の記事からの繰り返しになりますが…
- 地方自治体にとっては近隣の市町村から人口を奪ってくる手っ取り早い手法。
- 土建業界はある程度大型プロジェクトをやらないと食えない。銀行も儲かるからカネを貸す。
- 国の政権与党は土建業と仲良し。彼らが損する政策はできない。
- 何も考えずに買うお馬鹿消費者(金持ちぶりっ子)の存在
という事情が複雑に絡み合って今の状況生み出しているんで、私の知る限りでは問題意識持っている役人もいるにはいますが、一筋縄ではいかないでしょう。
なんだかなぁ~