地方公務員マイナー技術職…仕事内容や組織のここが嫌
こんにちは、そしてこんばんは。窓際投資家です。
寒い日が続いてますが、日差しだけは春めいてきました。
私が週末限定農家してる畑でも、フキノトウが出てきました。
社畜にとって、春といえば人事異動の季節。
特に、私がいるお役所も含め、多くのお役所では
原則として3年で異動になる
という不文律があり、私は今の部署が3年目なのでこの春で異動になる可能性が高いのです。
で、私はマイナー技術職。
マイナー技術職は人数も少ないし、行く部署が結構絞られます。
故に、行くことになりそうな部署がいくつか候補としてある訳ですが、正直今更行きたい部署なんかありません。
…なーんてことを考えていたら、この仕事や組織の嫌な部分が一杯頭をよぎります。
ということで、今回は「地方公務員マイナー技術職のここが嫌だ」というテーマで進めて行きたいです。
最初に断っておきますが、「ブラックだ」とかそういう批判をするつもりはありません。
今まで言ってきたように、この仕事は…
ヌルくて比較的コスパが良い仕事なのは確かなんで、社会不適合者が投資や副業で自立するまでの繋ぎとしては結構使える
と思います。
また、公務員全般の話として、新卒であることや職歴がそこまで重視されないんで、私のように…
一度民間に就職して躓いた人にもお勧め
です。
な ん で す が …
良い話ばかりじゃないということです。
就職先や転職先の候補として考えている人は参考にしていただければなと思います。
回転ドア人事が招く悲劇
もう一度言います。
マイナー技術職は人数も少ないし、行く部署が結構絞られます。
で、何が起きるか?
同じような人が、同じような部署を、グルグル回り続けるだけの回転ドア人事になります。
同じ人が、就職から定年までの間に、3回とか4回とか同じ部署行くのなんて普通。
で、何が起きるのか?(2回目)
ムラ社会的雰囲気になる
限られたメンツで限られた部署を、グルグル回転ドア人事されてるうちに、同じ職種の人同士で…
良く言えば、めっちゃ仲良くなります。
悪く言えば、物凄くムラ社会的な雰囲気が出来上がります。
これは絶対悪ではありません。
だから、完全に好みの問題にはなるんですが、私のように職場の人間関係がドライであってほしいと思う人にはキツいと思います。
休みの日までみんなで集まって、ゴルフ行ったり、フットサル行ったり、終わってから飲み屋行ったり…。
(コロナ騒動が起こってからは行ってないようだが)
繰り返し言いますが、これは絶対的に悪いことじゃありません。
でも、私からすると、こんなのホモみたいで気持ち悪いし、貴重な休日がこんな形で消えるなんて狂気の沙汰です。
私の場合、こういう誘いに関しては何度かあっさり断わるとその後誘われなくなり、今に至ります。
秒で広がり、ずっとついて回る噂話
じゃ、実害ないのか?
というと、あります。
噂話がすぐに広がるんですよね。
一度でも仕事でやらかしたり、一度でも上司とソリが合わなくて衝突したりすると、その情報がすぐに共有されます。
うちは割とデカい自治体です。
なんで、人数が多い事務、土木、建築あたりの職種なら、異動しちゃえば周りの人がみんな入れ替わって、良いも悪いも全てがリセットされます。
だけど、マイナー職種だと、どんなに異動を繰り返しても似たようなメンツで仕事をすることになります。
故に、一度でも何かあったら全くリセットされずにずっと十字架を背負い続けることになります。
私なんかは、これが嫌で仕方がないです。
元々仕事が出来る方ではない上に休職歴まである私にとっては、ずっと噂話や陰口のネタになり続ける展開になっていて、かなりキツいです。
そして、周り見ていると、できる人はできる人で結構キツいみたいです。
一度「あいつはできる」という噂が広まると、どこの部署に行ってもきつい仕事や面倒な仕事ばかりさせられている模様。
「困ったらあいつが助けてくれる」というイメージがずっとついて回るが故の悲劇ですね。
そこで
いくら何でも、これ以上は無理!
これ以上無茶させるならこっちにも考えありますよ?
って無茶を断れればいいけど、周囲となあなあ・ズブズブの関係になってるから、そうも言えずに無理してしまう感じですね。
やる気のない私からしたら、噂話や陰口のネタになり続けるのも嫌だけど、どこ行っても無茶な仕事させられ続けるってのはもっと嫌ですね。
技術職なのに手に職が付かない
ここから先は、お払い箱に入れられてしまった私には今更関係ない話です。
でも重要な話だと思うんで、一応話のネタとして出していきます。
これは恐らく行政職の技術全部がそうだと思うんですが、自分の手を動かして仕事することってのが基本的にありません。
出てくる図面や書類をチェックしたり、公共事業を受注した会社の監督をしたりって感じの仕事しかありません。
要は、他人が手動かしてるのを見るだけで、自分で手を動かすことが一切ないのです。
昔は自分で図面描いたり、水道局や下水処理場で水の分析したり…みたいなのが結構あったらしいのですが、今はアウトソーシング化されてそんなのほとんどありません。
民間の技術職だったら、実験やったり、製品の図面描いたりしますよね?
その中で成功や失敗の体験を積み重ねながら成長していきますよね?
役所に行くと、こういうのが一切できません(2回目)。
で、何が起こるか?
いつまで経っても理屈ばかりで、現場・現物・現実が分からないまま。技術者としての成長がありません。
そして、自分で一切手を動かしたことない人が、外で手を動かしてる人の監督をしたり、許認可を与えたりするような仕事をする羽目になります。
民間で働いたことある私からすると、これは正直あり得ないなぁと思っちゃいます。
手を動かす仕事の多くが「税金かけて役所でやることか?」となるのも事実。アウトソーシングするのもやむを得ないってのは分かりますが…
なんで…
監督したり、許認可与えたりする側より、監督される側や許認可を求める側の方が多くのノウハウを持っていてよっぽど賢い
なんていう悲劇がしょっちゅう起きています。
具体例を挙げると、
自分で配管や配線の一つもやったことない職員が、公共事業の工事監理で受注業者の番頭(現場代理人)相手に指導する
…なんていう…笑えない光景をそこら中で見ます。(仕事は違えど私もこういう状態です)
もっと大問題になった海外の事例を挙げよう。
米国株投資家の皆様は記憶に残っているだろうけど、ボーイングが737MAXで2018年と2019年に続けて事故を起こして飛行停止措置を受けた時、ボーイングの技術者のこんなメールの一節が話題になりましたよね。
「(737MAXは)道化たちによって設計され、その道化たちは猿によって監督されている」
引用:737MAXは「道化が設計」 ボーイング社員のメール公表 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
…要はボーイングの技術者が、監督してる連邦航空局(FAA)をサル呼ばわりして馬鹿にしてる訳です。
恐らく、FAAは何もノウハウを持っていなくて、現場でモノを触っているボーイングの技術者の方が何枚も上手なんでしょう。
だからFAAの技術職なんて簡単に丸め込まれてしまうし、こうやって娑婆の技術者に馬鹿にされるんだと思われます。
最初にこの記事見た時
海外だろうと、役所なんてどこもこんなもんなんだろうな。
うちだって外の会社から見たら似たようなもんだろ。
と思ってしまいました。
…という話があるんで、
「技術者として成長したい」という気があるなら、技術職の公務員はお勧めできません。
特に、まっさらな状態である新卒で入るのはやめたほうが良いです。
骨のある技術者になりたいなら、少なくとも新卒では民間行った方が良いと思います。
出世できない
マイナー職種って、メジャーな職種に比べたら出世できません。
非常に単純な話として、管理職ポストが非常に少ないので。
私の職場で私の職種なら、どんなに仕事できる人でも本庁の課長までですね。
この「本庁の課長」ってのは、民間企業で言えば大体部長クラスに相当します。
どうせ殆どのサラリーマンは部課長止まりなんだし、部長までなれるなら問題なくない?
いや、その考えは甘いで!
どういうことかと言うと、どこ行ってもそうだと思うんですけど、必ず一定数は舌を巻くほど優秀な人がいます。
で、民間いた時に見ていた感じでは、こういう人はトントン拍子で階段を駆け上がり、本部長やら執行役員やら…さらにもっと上の役員クラスになっちゃうことも珍しくありません。
だけど私の職種なんかだと、こういう非常に優秀な人までもが本庁の課長(民間だと部長ぐらい)で止められてしまう上に、そのポストも精々1つとか2つしかありません。
こうなると、本当だったらこのクラスに上がれるハズの人が係長(民間の課長)とかのまま定年を迎えるハメになります。
で、そういう人がいるせいで、ヒラから係長に上がろうとした時のハードルもメジャー職種より高くなってしまい、本当ならスンナリ係長になれてるハズの人も、出世が遅れてしまう訳です。
いわゆるドミノ現象が起きるんで、結構実害は大きいんですよ。
ま、無能な私は職種関係なく出世とは無縁なんで、この辺はマジでどうでも良い話なんですがね。
災害の時だけ有難がられる
で…我々は事務、土木、建築といったメジャー職種の方々に職場内では頭が上がりません。
まぁ…大きな流れは政治家や幹部のメジャー職種が決める話で、我々は決まったことを執行していくだけ。
つまらないと言えばつまらないし、全くやりがいなんて感じないけど、責任がなくて気楽と言えば気楽です。
このあたりは、私のような無能にとっては丁度良いっちゃ丁度良いです。
ただやはり、メジャー職種の人に偉そうにされることがあるのも事実だし、サラリーマンとして技術者としてプライド持ってる人には不快な部分もあると思います(私にはそんなものないけど)。
で、嫌だなぁと思うのが…
平時にこうやってぞんざいな扱いをしていおいて、災害の時だけは凄い有難がってくることですね。
洪水やら地震やらって起きた時は災害復旧の実働部隊はやっぱり技術職。
普段は偉そうにしてる事務方が、こういう時だけは凄い有難がって来るんですね。
遠方で災害が起きた時に、他の自治体から応援要請があって職員派遣したりしてますが、こういう時に応援で欲しいと言われるのも技術であって事務じゃありません。
周り見ていると、結構災害で壊滅して世紀末状態になった場所に応援行かされてる人いますね。
普段偉そうにしてる奴らはほとんど行かされていないのになぁ。さすがにムシが良すぎませんか?
それでも、みんな嫌な顔せずに働いていて偉いなぁと思うけど、多分不満に思ってる人少なくないと思います。
ただまぁ…
派遣されるメンツ見てると精強兵を選んでいる感じです。
無能な職員を応援で派遣したら自治体間の信頼関係に傷が入りそうだしな。
だからこの話も、自分のところで災害が起きない限りは私には関係なさそうです。
まとめ
地方公務員マイナー技術職種の嫌なところをまとめると
- 回転ドア人事によるムラ社会
- 技術職なのに手に職が付かない
- 出世できなくて扱いが低い
- 災害のときだけ有難がられる
というところかなと思います。
私にとって実害になっているのは①だけで他は大して気になりません。
ですが、私と違って「仕事を通じて成長したい」or「仕事にやりがいや生き甲斐が欲しい」って人や、色んな可能性がある若い人には小さくないデメリットがあるように思います。
だから「やめておけ」と言うつもりは全くないですが、良い話ばかりではないということです。
就職先や転職先として、役所のマイナー職種を検討してる人は参考にしてください。