カラーストーン投資について
宝石投資についてまとめた記事がなかったのでうpしてみました。ちょっと長くなってしまったので2回に分けます。今回は1回目です。
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資産としてのカラーストーンの性質
ざっくり一覧でまとめてみると、こんな感じです。
フェアトレードには程遠い
カラーストーンは鉱山で掘り出されてからの流通ルートが複雑なため中間マージンが何回も取られます。結果として、どんなルートで入手したのかによって全く小売の原価が異なってきます。
また、コインと違ってオークションのような公開の場での取引も少なく、希少品になるほど取引実績の確認が難しい面があります。
結果として、コインより適正価格が分かりづらい状態になっているし、それをいいことにぼったくる店も多いです。
希少性が全て
アンティークコインの価値=貴金属の価値+希少性によるプレミアム
カラーストーンの価格=希少性によるプレミアム
となります。貴金属でできたコインと違い、カラーストーンはただの綺麗な石ころで、例えば、ルビーやサファイアなら酸化アルミニウムの結晶です。物質としての価値はほとんどありません。このため、宝石の価値は希少性によるプレミアムが全てです。
資産としてのステルス性はコインより高い
フェアトレードに程遠いこと、希少性という数値での評価が難しい指標のみで価格が構成されていることの結果としてこうなります。
楽しみながら資産防衛でも書きましたが、何だかんだ言っても99%のカラーストーンは投資不適格なんです。買った時の値段が高かろうと資産価値はありません。石ころ自体の価値なんて大したことなく、中間マージンが載りまくった結果に過ぎないんです。買取に出せば二束三文です。
なので、極端な話、国外逃亡企てるとして、ネックレスや指輪の形で資産価値のある宝石を身に着けて堂々と税関を通っても、多分何も言われないですよ。見る人が見ないとそんな価値のあるものだって分からないですからね。ルースなら金属探知機さえスルー。
また、預金封鎖と財産課税が行われる段になっても、家に置いていた貴金属類を没収された例はあっても、カラーストーンまで徹底して没収した事例は多分なかったように思います。
というか、99%のカラーストーンは資産としてはガラクタなので、その資産価値を把握&課税なんて技術的にも問題あるし、手間の問題もあるんで国はおそらくここまでやってられないです。
宝石投資の現状
インフレヘッジ・アンチ金融資産需要
リーマンショック以降の金融緩和により、インフレからお金を守るための需要が高まり、希少性の高い一部のカラーストーンは価格が高騰している、らしいです。
なぜこういう言い方をするかと言うと、取引実績のデータが数字として確認できないからです。これは私が資産運用目的のカラーストーンを買ったお店の店主に聞いた話です。
希少価値の高い一部のカラーストーンであれば、
「おそらく2015年以降だと年率4~5%ぐらいで価格が上がっているのでは?」
というコメントをその時いただきました。
中国需要
中国の存在も無視できません。中国人は自国通貨を信用していないのか、国からマークされない形で資産を持ちたいからなのか、まあ、おそらく両方なんでしょうが、ミャンマー等の宝石産地には中国人バイヤーが大挙してやってきているようです。最近は。
そして彼らが上昇相場を作っていると。
余談ですが、知り合いの中国人に聞いた話では、最近の中国では贈収賄の手口としてお金を一旦宝石や骨董品に代え、それをやり取りするというのが流行っているということです。人民元を直接やり取りすると足が付くからなんだとか。
日本でもマイナンバーカードとか議論されてますが、何やっても悪いことする人はするんですよね。ホント。
今後は
大前提として、先のことは誰にも分かりません。私にも分かりません。
その上での予想なのですが、先進国の経済や財政の状況を鑑みると当分大規模な金融緩和はやめられそうもないし、当面は中国の経済成長も続くでしょうし、価格の高騰は続くんじゃないでしょうか。
そういう話がなかったとしても、通貨や金融システムと切り離した資産を持つことはリスク管理上重要なので、ポートフォリオの一部に組み込んでおくのはアリだと思います。
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