AIを駆使する機関投資家に個人投資家は勝てるのか?
お疲れ様です。
今日はこのご時世らしい話題を扱ってみたいと思います。
投資の世界において、人間の個人投資家は機関投資家のAIに勝てるのか?
これねぇ…、結構不安感じていたり、興味持っていたりする人多いと思うんで、記事にすることにしました。
最初に結論から言います。
間違いなく、勝てます!
確かに、AIは強力な武器です。
ただ、武器はそれをちゃんと使える人間がいてこそ、敵を倒せるわけです。
絶対に忘れてはいけないのは、どんなに強力な武器でも、それを使う人間が愚か者だと全く役に立たないということです。
投資の世界でもAIの利用が広まっている
昨今、AIの進歩は目覚ましいですよね。
チャットGPTとか、検索エンジンに付属してるAIとか使ってみたら、少々??な部分もないわけではないものの、十分使いモノになりそうな回答が返ってきます。
生成AIで作った架空の人物がCMにも出ているようですが、もう本物のタレントと区別つかないし、
AIが書いた小説が、人間の小説家に交じって賞レースで佳作取ったなんて話もありました。
もう人間の仕事の多くがAIに奪われてしまいそうな勢いです。
投資の世界においても同じで、もう昨今では機関投資家の多くがAIを導入して投資判断を行っている模様。
普通に考えれば、そんな強力な武器を手にした機関投資家には、個人投資家なんて敵うハズありません。
機関投資家にお金を託しているのは愚か者
最初に一つ言っておきます。
全く同じ知能や知識を持った2人の人がいたとして、
片方がAIを利用して投資をやる。
もう片方が自分の頭だけでやる。
この条件でマトモに勝負したら、そりゃ自分の頭だけでやってる方は勝てないと私も思います。
ただ…現実的には、AIで武装した機関投資家にも、十分に付け入る隙はあるんですよ。
まぁ、このプロットを見てください。
過去10年間の日経平均の株価と公募型国内株式投資信託への資金の入出金状況を重ね合わせてみました。
個人投資家がどのタイミングで投資信託に資金を突っ込んで、どのタイミングで解約してるのか見えるようにしてます。
どうですか??
株価が底を打ったタイミングやレンジ相場を上抜けする直前に売っています。
これって、本当なら、一番買いを入れるべきタイミングなんですがね。
そして、株価の上昇が一旦止まったタイミング、
「利益確定するならここだろ?」
ってタイミングで買いを入れています。
まぁね、私もヘマすることありますし、後になってからなら、何とでも言えるって話はあるんですけど、
ここまでの逆神振りになると、もう呆れるしかないですww
コロナショックのときもしっかり売ってやがるし。
まず、投資信託を運営してる機関投資家にお金を預けているのは、大多数が愚か者だということです。
AIの背後に愚か者がいて起こること
その結果、何が起きるのか、大方想像がついたんじゃないでしょうか。
クライアントが愚か者だと、代理人も愚かな振る舞いをすることになる
という話があったりしますが、まさにこれ。
こんな愚か者から資金を集めてファンドを運営していたようでは…
AIが「今は買いだ」と判断していても、愚か者が資金を引き揚げるので、泣く泣く保有株を売らざるを得なくなります。
強力なAIを用意していても、どの株から手放すかの優先順位付けに力を発揮するのが精々でしょう。
逆に、「利益確定しろ」とAIが判断していても、愚か者が大挙して資金を突っ込んできたら、割高を承知で新たに株を買わざるを得なくなります。
いくらAIが頑張っても、買うにあたって相対的に割安な銘柄を選ぶぐらいが関の山。
こんなのでファンドの運用成績が振るうハズありませんよね。
(だから私はファンドマネージャーなんて仕事、絶対にやりたくないです。)
結局、AIに指示を出す大本が愚か者だと、AIもマトモに機能しないんです。
AIは強力な武器だけど、愚か者がそれを手にしたところで全く役に立たないんですよね。
だからね…
愚か者でさえないのなら、個人投資家でも十分にAIで武装した機関投資家に勝てると私は考えます。
AIは戦術的に強くても戦略的には弱い
若干話は逸れますが、「戦略」とか「戦術」って言葉よく使いますが、意外とその違いを分かってない人多い気が…
戦術ってのは、目の前で起きている現象に対する対処。
戦争が起きているのなら、
敵に奇襲仕掛けろとか、
挟撃狙ってみようとか、
補給部隊を狙って兵站を脅かそうとか。そういった類の話です。
戦略ってのは、より良い未来のために、どう行動するのかというグランドデザインです。
まずは最終目標を設定して、そこに到達するための作戦を考えるわけですが、ここにおいては戦争なんてのは数ある手段の一つに過ぎません。
で、基本的には、AIが得意とするのは戦術の分野なんかなぁと思います。
だけど、言うまでもなく、現実には戦略という土台あっての戦術です。
歴史が示すとおり、最後に勝利を収めるのは戦術家ではなく戦略家です。
AIなんてのは生き物ではないので、どんなに優秀になろうと、何かしら人間から課題を与えられないと動けません。
結局、物凄く優秀な指示待ち野郎みたいなもので、ハッキリした具体的なミッションを与えてやれば完璧な答えを返してくるんですけど、
課題が抽象的になるほど不得意になっていくし、
意思や欲望があるわけじゃないんで、「最終目標を設定する」という、戦略の最上位の部分は、今後どんなにAIが進化しても、絶対に人間がやらなければいけません。
さっきの投資の話だと、機関投資家のAIなんて
「今売るとしたらこの銘柄」
「今買うとしたらこの銘柄」
って的確に指示しよるとは思うんですけど、そもそも、その上位側の意思決定、要はその投信を買うのか売るのかなんて話は、個人投資家個々人の決めることです。そこに機関投資家のAIは関与できません。
まぁ、今時なら、その辺をChatGPTにでも聞いてみたら良いのかもだけど、
AIは上位側の抽象的な意思決定になればなるほど苦手って性質を踏まえると、どこまで使えるんだか…。
少なくとも、何を最終ゴールにして答えを出すのかって話だけは自分で考えないといけません。
若干蛇足にはなるけど、
「AIに奪われることがない仕事って何?」
みたいな話が話題になるけど、このあたりの話がヒントになりそうな気がしてます。
今後は、ホワイトカラーの下っ端とか、中途半端な高学歴が仕事奪われていくんじゃないかな?