値上がりするアンティークコインの傾向

こんにちは、そしてこんばんは。窓際投資家です。

今日は値上がりするアンティークコインの傾向についてまとめてみました。

セキュリティ上の問題から、何を買ったとか何を持っているとかは言えませんが、こんな考え方で銘柄選んでますよ…という話です。

何冊かの関連書籍を読んで、何店舗かのコインショップに実際に足を運んで集めた情報をもとに書いていこうと思います。

基本:アンティークコインの価格決定要素

まずは基本の「き」です。アンティークコインの価格決定要素は下記4点です。

アンティークコインの主な価格決定要因
  1. 希少性
  2. 状態
  3. デザイン
  4. 発行された国の経済力

順に一つずつ見ていきましょう。

希少性

これは1番分かりやすいし、一番重要です。価格は需要と供給の関係で決まりますから、残っている枚数が少なければ、それだけ価格上昇要因になります。

現に、富裕層向けのオークションの落札価格上位の殆どは、試作貨もしくは贈答用や何かの記念に少数のみ作られたコインが占めています。

逆に、市場流通用に何十万、何百万と作られてそれなりの数残っているコインは、100年前のとかでも地金価格+α程度で買えてしまいます。

もっと古いコインにも似たような例はバンバンあります。

例えば、古代ギリシャのアテネのテトラドラクマ銀貨、通称フクロウ君と呼ばれる銀貨はかなり大量に作られたようで、コインショップでも割と良く見かけます。

表にはアテナ神、裏には知恵の象徴のフクロウと富の象徴のオリーブの枝が描かれています。古代ギリシャのコインと言えばこれ!と言って良いほど有名な銘柄ですね。

古代ギリシャ アテネ テトラドラクマ
引用:テトラドラクマ – Wikipedia

値段は…状態が準未使用品クラスなら、売値が20万円程度、買取り価格が十数万円…といったところでしょうか。(ただし、バージョンがいくつかあって、マイナーなものはもっと高値が付きます。)

ちなみに、テトラドラクマって、当時の傭兵の1週間分の給料です。今のお金で換算すると大体20万円ぐらいの価値だったと言われています。

ここで何か気づきませんか?そうです。

2500年近く経過してるのに、発行当時と価値がほとんど変わっていません。

つまり、地金価格よりかなり高額に評価されているものの、コイン投資としての利回りはゼロですね。だから、こういう大量に発行されて大量に残存してるコインはいくら古い物でも投資不適格です。

あと、発行枚数の記録が残っていない古いコイン全般、希少性の観点から見たら結構ビミョーだったりします。

と言うのも、遺跡の発掘など、何かの拍子にまとまった数発見されることが稀にあるんですね。そうなると希少性が崩れて値崩れ起こす危険があります。

状態

これも分かりやすいですね。

単純に、同じコインでも状態が良いものほど希少性が高いです。

ざっくりしたイメージで言うと、価格はこれぐらい差が出ます。

美品

⇒×1.2⇒極美品

⇒×1.5⇒準未使用品

⇒×2 ⇒未使用品

⇒×2.5⇒完全未使用品

 

重要なのは、一次関数ではなく指数関数であること。しかも、その指数はグレード上がるごとに大きくなる傾向にあります。

そして、状態良いもの程値上がりが早く、市場から消えるのも早いです。

PCGSやNGCといった鑑定機関に鑑定依頼すると、70段階で細かくコインの状態にスコアを付けて来ますが、60超えてくるとグレーディングが1違うだけで平気で3割とか5割とか値段が変わります。

この辺を解析した記事があるんで、参考までにリンクを貼っておきます。

あと、このページも良くできてると思ったのでリンク貼っておきます。

鑑定会社のグレーディングについてはこのHPで解説されています。

デザイン

値上がりするコインには一定の傾向があるように思います。

まず踏まえておきたいのは、

  1. コイン投資家は9割が男性
  2. 最近は女性投資家が増えてきている

ということ。

鉄板は若くて奇麗な女性

まず、市場のメインプレーヤーたる男性投資家が好む傾向にあるのが、何と言っても若くて奇麗な女性がデザインされたコインです。

例えば、この10年でヴィクトリア女王が描かれた記念コインや試作貨は爆上げしましたね。

特に若い時の肖像が使われてる1839年のウナとライオンや1847年のゴシッククラウンなんかは桁が一つ変わりました。

銀貨の裏と表
1847年 ヴィクトリア ゴシッククラウン
引用:ゴチック・クラウン – Wikipedia

ゴシッククラウンは8000枚とか、そこそこ作られてて市中流通用です。ですが、そんなのお構いなしの値上がりです。

ウナとライオンに関しては、元々数百万円で取引されていたものが、この10年ほどで数千万~数億円のモンスター銘柄に成長です。

この人、現代人の感覚で見ても美人ですもんね…こんな人が全盛期の大英帝国の女王だったなんて絵になり過ぎ…。

プトレマイオス朝エジプトのクレオパトラ7世のデナリウス銀貨も、同時代のユリウス・カエサルやアウグストゥスのコインを凌ぐ人気を誇ります。

歴史上の英雄や有名人が発行したもの

私もそうなんですが、歴史好きでコイン収集してる人って、人気漫画のキャラクターグッズ集めてる感覚なんですよね。

歴史って、物語だと言う意味では漫画や小説と変わらないんで。

歴史にハマる人って、漫画のファンがキャラクターや劇中のエピソードにハマるのと同じように、昔の英雄やヒロインの人柄や紡いできたエピソードにハマるんです。

だから、誰もが知っている英雄が発行したものは人気になりやすいと感じます。

例えば、ナポレオン・ボナパルトの金貨や銀貨は市中流通用も含めて結構な枚数残存してるようですが、コインショップに並ぶと状態の良い金貨だと割とすぐに消えてしまう印象です。

ナポレオン1世 20フラン金貨
引用:ナポレオン金貨 – Wikipedia

アレクサンダー3世や、ユリウス・カエサル、マリア・テレジア、クレオパトラ7世あたりも似た傾向にあるように思います。

これから期待できるイケメン

女性需要が増えてきていることで期待されるのがイケメンです。

筆頭格は今のエリザベス女王の父親たるジョージ6世あたりじゃないだろうか。

現に、ジョージ6世ネタはジワジワ値を上げてきてます。

1951年 ジョージ6世 ファージリング銀貨
引用:ジョージ6世 (イギリス王) – Wikipedia

まあ…、この人も映画スターかと思うような整った顔したイケメンですよね。

あと、国内での話になると、日本人、特に女性は古臭い変色したコインより、製造時の状態保ったきらびやかなものを求める傾向があるようです。

ジョージ6世のコインなら、第二次大戦前後に発行されたものがメインになるんで、そこまで古めかしいって感じもありません。特に、状態の良い金貨なら。

余談ですが、今世紀入ってから枚数絞って造られたイギリスのモダンコインを買って、モダンコイン市場牽引してるのが日本人で、その中でも特に女性が強力な買い手になっているという話もあるらしいです。

モダンコインに関しては、マーケティングに踊らされて買わされているだけなのでは?と思えて、個人的には手出さないようにしてるんですが…。

それでいて、ギリギリアンティークコインと言える年代のものでもあり、外国人需要も期待できように思います。

※アンティークコイン=第二次大戦前(もしくは100年以上前)に発行されたコイン

故に、国内外から結構需要出るんじゃないかな~と。もちろん、希少性あるやつ限定ですがね。

他の銘柄も含めて、イケメンが描かれたコインには要注目だと思います。

その他面白い・綺麗なデザイン

神聖ローマ帝国のターレルやダカットに見られるような綺麗な街並みの俯瞰図だったり、動物や建物や乗り物を描いていて構図的に面白いものはそれが理由で人気が出たりします。

ただ、この辺は人間(市場参加者)の感性によるものなんで、何がウケるのか予測が付かない部分もあって難しいですが、それがコイン投資の面白さだったりもします。

意外な銘柄が突然高騰始めることもあります。

つまらないデザインはウケない

逆に、希少価値あって状態良くても、デザインのせいで安値放置されたままになるケースも多いですね。

近代化する前のインドのコインなんかまさにそうです。

古代のインダス川流域に関してはギリシャ文明の影響を強く受けていて、スキタイやバクトリアで西洋規格のものが作られていたってのはあるんですが、それ以外の時代・地域だと、総じて文字が書かれてるだけだし、絵が描かれていても描写が凄いテキトーなんです。

例えばこんな感じですね。

スール朝 シェールシャー ルピー銀貨
引用:貨幣史 – Wikipedia

なんで、希少性や歴史的価値はあってもコレクターとしては面白くない…という部分あるんですね。

インドに限らず、近代以前のアジアのコインは人物、動物、景色や建物が描かれることは稀で、デザイン面に見応えや面白味が今一つありません。

これがおそらく、一部の例外除いて近代化前のアジアコインが低評価を食らう一因になっていると思われます。

発行された国の経済力

ホームカントリーバイアスがかかる

株式投資でも言われる話ですが、投資にはホームカントリーバイアスがかかると言われています。

どの国の人も自国の投資対象を選ぶ傾向が強いと。

コイン投資においてもこの傾向はあり、どこのコレクターも自国のコインを買っています。

コイン投資の本場は欧米、特に北米ですが、アメリカ人とかもアメリカ建国当初のコインが大好きでめっちゃ人気があります。

この傾向は最近コイン投資に興味を持ち始めたアジア人にも見られるようです。

経済が伸びる国はコイン価格も伸びる

なので、経済成長率の高い国のアンティークコインには、資金流入が見込めると思います。

さっき、デザインで近代化以前のアジアコインは損しているというお話をしました。

ですが、経済成長が続く中国、インド、東南アジアで、西洋列強諸国の植民地時代や近代化を成し遂げたばかりの頃に西洋規格を取り入れて作ったコインは、逆に急速に値を上げてきています。

例えばこういうのですね。

引用:英国女王ビクトリアの1841年モハール金貨について | 古銭の森 (antique-coin.info)
1841年 英領インド ヴィクトリア 1モハール金貨

これはインドが植民地支配を受けていた当時に造られた金貨で、いくつかバージョンあるんですが…

  1. 発行枚数は0.6~60万枚とどのバージョンもそこそこ多いが、瑕疵判定が付かない状態で残っているものは稀で状態が良いものは希少性が高い。
  2. ヴィクトリア女王という若くて綺麗な女性が描かれているんで、男性コレクター歓喜。
  3. インドの経済も伸びているんでインドマネーの流入も見込める。

とまあ、これまで値を上げるコインの条件として挙げて来た条件を割とバランスよく満たしているし、今なら準未使用クラスで50~100万円ぐらいで買えます。

方針的には、こういうの狙いたいですよね。私持ってないけど。

衰退途上国はコインも安値放置

逆に、このあたりで損しているのが日本の近代コインです。

明治3年 旧20円金貨
引用:日本の金貨 – Wikipedia

例えば、日本の明治旧20円金貨は西洋規格を取り入れつつ、日本らしさも出た素晴らしいデザインだと思います。残存枚数も200枚程度と推測され希少性も抜群(発行数自体は多い)ですが、こちらは安値放置感が漂っています。

ほぼ同時代に作られて残存枚数もほぼ同じと推測される業界のスター、イギリスの「ウナとライオン」よりお値段的には一桁安い状況で、コインショップ行けば未使用クラスが5百万円~千数百万円で買えます。

日本の場合、江戸時代の前半まで主に物々交換で経済を回してきていて、通貨を利用して取引の決済をしてきた歴史が浅いんですよね。それ故に収集対象になるコインのバリエーションが少なすぎます。故にコレクションし辛くて、日本コインを収集するコレクターが育たない…という問題がまずあるのかなと思います。

だけど、日本経済の低迷も大きな要因じゃないですかね。

いずれにしても、日本人が自国の名品をスルーして外国コインを買っているのかと思うと、日本人としてはやや複雑な気持ちです。

まとめ

当たり前ですが、本の著者も店主もみんなプロですけど、みんな言うことが少しずつ違っている感じです。

以上の内容は、色んな人が色んなこと言うのを読んで・聞いて、それぞれの主張から納得できる部分を取り入れてパッチワークした感じでしょうか。

私の場合、資産規模的に、コインにはそこまで大きなお金は投入できない。だから、比較的安くても値上がり見込めそうなものを狙っていきたいです。(みんな思ってることか)

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