「知っている」と「利用できる」は大きな差だ

お疲れ様です。窓際投資家です。

最近思うんですが、

「分かっていてもできない」

「理解してるけど、その知識を活かして行動できない」

…そういう人ってめっちゃ多くないですか?

無駄な保険に入ってしまう

保険のパンフレットと電卓と虫眼鏡

日本人なら、中学校の数学で期待値というのを勉強してるはず。

義務教育だから全員ね。

そして、保険はというと、基本的には

受け取れる保険料の期待値<支払う保険料

となります。でないと、保険会社が潰れてしまう。

だから、極力保険には入らず貯蓄で対応した方が得なわけで、

「子供が小さいときに世帯主が死亡」

みたいな、起きる確率は低くても、いざ起こってしまえば人生が吹き飛ぶようなリスクに絞って保険は使うべきなんですよね。

私の肌感覚だと、中学校で期待値の概念を勉強してるのもあり、少なく見積もっても世間の過半数はこの理屈を理解してるように思います。

これ自体は結構なことだし、大事なこと。

ただし…契約内容を見てみると…

「1泊2日から入院保障」みたいなオプションを平気で付けてる人がとにかく多い。

こんなもん、明らかに貯蓄で対応できる範囲のものですよね?

期待値の概念分かってて、確率論では損と理解してるのに、多くの人がこんなことをしてしまうんです。

うちの職場でもそういうことしてる人が少なくないんで、それとなくこのこと言ってみたんですが…

期待値で考えたらそりゃそうなんだけど…期待値だけで考えるのもちょっと…ムニャムニャ…

…という感じで、こっちは、もうこれ以上何も言いませんでした。

インデックス投信積立投資を嫌う・続けられない

投資の世界でも同じような話は転がっています。

例えば、インデックス投信の積立投資をやらない人がとにかく多いです。

でもね…

インデックス投資の有用性
  1. 市場参加者の9割は平均点の運用成績が出せない。
  2. インデックス投信の積立をやれば、どんな馬鹿でも平均点を確保できる。
  3. 一度積み立て設定だけして放置しておけばいいので、手間もかからない。
  4. だから、殆どの市場参加者にとっては、インデックス投信の積立投資が最適解になる。

…というのを、多くの市場参加者は分かっています。

ちょっと検索したらすぐにこういう情報はひっかかるし、少しでも投資に興味ある人なら、この程度の情報にはすぐに辿り着きますからね。

かつ、ここまで確定した答えが出ているんですよ。

なのに、私の周囲を見ていても、インターネット上を見ていても、インデックス積立投資を嫌がる人がとにかく多い。

初心者の癖に、インデックス積立投資をすっ飛ばして、いきなり個別株買う人も少なくない。(その個別株がまた、ビミョーな銘柄だったりとか。)

その結果、

市場平均に劣後した運用成績しか上げられずにジリ貧になってたり、

でも、こんなのはまだ良い方で、

短期間で多額の損失を抱えて退場食らうケースも珍しくない。

呆れてモノが言えんわ。なんでこうなんねん…?

また、セオリー通り、インデックス投信の積立投資を始めても、弱気相場になったときに安値でぶん投げてしまう人もかなりいます。

これは絶対にやっちゃいけないこと、

そして、

特にインデックス投資家にとっては、弱気相場は重要な仕込み時であること、

…これにしても大体の人は知ってます。

だけど、ぶん投げるやつ、かなりいるんです。

もうね、本当に意味が分からないですね。

使えない高学歴

あくびするスーツ姿の男性

社会人長らくやってる人なら、使えない高学歴がかなりの数存在するのを知ってると思います。

私の周りにも何人かいらっしゃいます。

私はそこまで高学歴じゃないですが、どのラインを以て「高学歴」と呼ぶのかは曖昧なものなんで、その定義づけによっては私もということになりそうです。

まぁね、仕事で成果出すうえで、

「高学歴で学生時代に勉強できた」

ってことは重要な要素には違いないですよ。

それだけの努力ができる人なのは間違いないし、

学生時代に勉強したことが直接仕事に生きないのだとしても、

勉強の仕方を知っていて努力ができる人なわけですから、

社会人になってからも、その都度必要な知識を頭に叩き込む能力は絶対に高いです。

だから、企業は高学歴を欲しがるんです。

実際に働かせてみないと分からないとは言え、高学歴採用しとけば当たりを引く確率は絶対に上がります。

ただやっぱり…皆さんご存知のとおり、「実際に働かせてみないと分からない」という話は厳然としてあってですね…使えない高学歴ってのもかなりいます。

学歴と業務遂行能力には間違いなく正の相関はあるけど、相関係数がそこまで高いわけでもないんですよね。

学生時代の勉強に必要な能力と、

仕事やるのに必要な能力って、

かなりの部分がダブってはいるんですが、イコールではないってことなんだよな。

勉強は個人で完結するけど、仕事になると他人との関わり抜きに進められません。

だから、仕事にはコミュニケーション能力が必要になります。

仕事で分からないことあっても都度調べればいい。

だから、暗記できなくても調べ方分かってれば問題なし。

だけど、学生時代の試験でそれをやるとカンニングになっちゃう。

学生時代の試験は必ず明確な正解がありますが、ビジネスに明確な正解はありません。

…みたいな話がかなりあるわけで、求められる能力が少し違うんです。

こういう話とともに、上記の保険や投資の例と同じで、この「使えない高学歴」という存在も、

「知識あっても成果が付いてくるとは限らない」

という現実を雄弁に物語ってる気がしてならないんですよね。

要は、「使えない高学歴」って持っている知識を活用する能力が低いケースが多いんじゃないかと。

まぁ、この話に関しては、私も馬鹿にされる側の人間です。

「知っている」と「利用できる」の間には高い壁

こういう事例見ていると

「知っている」

「その知識を活かして行動できる」

の間には、世間で考えられてるよりずっと、高くて分厚い壁があるように思ってしまいます。

沢山勉強して知識量を増やすことにも当然意味はあります。

だけど、いくら物知りになっても、その知識を活用する能力が低いなら、知識は宝の持ち腐れにしかならないんですよね。

実際にそうなってる人がかなりいるわけで。

教育とか勉強とか自己啓発ってのを考えたとき、知識増やすのと並行してこの壁を越える能力を鍛えていかないと意味なくない?と思ってしまう。

でも…そんなん、できるんだろうか?

そんな教育ができてる国や教育機関、私は知らない。誰か知ってたら教えてくれ。

大体、こんなの、個々人のパーソナリティが大きく絡むよな?

そうなると、先天的なものが大きい可能性高いし、

そうでない部分にしても、長い時間かけて染みついてきたものってことになるから、

一朝一夕でどうにかなるもんじゃない。

もし知識活用能力が低いって自覚があるのだとしたら、自己啓発や勉強を諦めるのも一つの手かもしれないですね。

その分野で一生懸命そういうことしても、恐らく成果は上がらないだろうから。

それなら、別のことにそのリソース使った方が良いに決まってますよね。

私なんぞは、今まで仕事では本能的にそうしてきた気がする…

なんかこう、こういうのを冷静に見ていると、教育ってものの限界を考えさせられます。

そういや、日本でも学校で金融教育を始めたらしいけど、あんなの効果あんのかなぁ?

情弱やお調子者が食い物にされる投資界隈の文化って、金融教育に力入れてる国も含めて世界共通だもんなぁ…。

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