なぜいつも「減税≒消費減税」ってなんの?
お疲れ様です。窓際投資家です。
今日の新聞の一面のニュースはこれ↓だったようです。
この話の是非はさておき…。
前々からそうですが、特にここ最近、減税の議論になると、必ず脊髄反射的に消費減税の話になりますよね?
皆さんご存じのとおり、税金って所得税とか相続税とか法人税とか、ありとあらゆる税目があるハズなんですが、いつもすぐ消費税の話に行っちゃう。
まぁ、物価高対策って面はあるのかもですが、理屈の上では、他の税目を下げて手取りを増やせば物価上がっても問題ないわけです。
そもそも、年率数%程度のインフレ率でギャーギャー言うなよ。
こんなの先進諸外国のインフレ率としては普通だし、デフレなんかよりずっと健全やろ。
なのに、なぜ所得税や住民税の話にならずに、消費税の話にばかりなるんですかね?
選挙のときの候補者アンケート見てても、
「消費減税すべきだと思いますか?」
って質問はあっても、
「減税すべきだと思いますか?」
「国民負担率を下げるべきだと思いますか?」
という聞き方はあまり見たことないし、ましてや、
「所得減税すべきだと思いますか?」
なんて質問は見た覚えがありません。
なぜかいつも消費税ピンポイントなんだわ。
私なんぞは、国民負担率の引き下げと行政サービスのリストラをセットでやるべきと思ってますが、それでも消費減税には大反対です。
だから、
減税≒消費減税
みたいな議論のし方ばかりをされるのには強烈な違和感があるし、非常に困っています。
例えば、消費減税に反対だからといって、候補者アンケートで消費減税反対と答えた人に票を入れた場合、
大体においてそういう候補者は増税バラマキ派の人で、私が大嫌いな行政組織の焼け太り政策を推し進めてくるわけですから。
税体系を間接税中心にすべき理由

大体ね、今の日本で消費減税なんて政策としてセンス悪すぎるんですよ。
その理由としては…
少子高齢化で働く人が減ってるから。
そして、徴税コストの小さい税金は行政の無駄を減らすことにも繋がるから。
まず、今の日本みたいな少子高齢化が進んだ国だと、働いてない人からもある程度徴税していかないと、現役世代に負担が偏ってしまうという問題があります。
働いてない人から徴税しようとしたら、基本的には、
消費税、ガソリン税、酒税みたいな間接税
もしくは
相続税、固定資産税みたいな財産税
といった方向性になってきます。
で、財産税に関しては、世界共通の話として徴税コストが大きいという欠点があります。
財産に課税するわけですから、ひとつひとつ財産の価値を算定・合算して申告するわけで、申告がなかなか大変。
申告に複雑な作業が必要ということは、不正行為が入り込む余地がそれだけあるということで、申告が適正かチェックする税務署の負担もそれだけ大きいということです。
となると、税務署で働く人を増やす必要が出てくるわけですが、これには当然税金が必要です。
折角税金取れても、その結構な割合が人件費で消えることになるので、財産税ってあまり財源として美味しくないんです。
ってなると…
働いてない人に負担求めるのだとしたら間接税
ってことになります。
その間接税で一番大きいのが消費税ってなりますわな。
働いてない人からも税金取れるんで、現役世代の負担を軽減できるんです。
また、優秀なプライベートバンカーや税理士雇って武装してる金持ちや、脱税しようとしてる悪い人からも確実に税金取れるんで、税務署への負担が圧倒的に小さく、歳出削減にも貢献できます。
「減税≒消費減税」となるのはシルバー民主主義そのもの

私なんかは、今の日本の状況だと、
消費税を15~20%まで増税して地方財源とし、代わりに住民税を廃止しても良いんじゃないかと思うし、むしろそうせんとアカン気がしてます。
でも、メディアも政治家も、誰もそういう話をしません。
まぁ…
選挙の大票田になる働いてないジジババの税負担なんて、ほぼ間接税≒消費税ですからね。
あいつらにとって直接税である所得税や住民税の税率なんて、マジどうでも良いですから。
減税の議論するにしても、消費税の話にしないと奴らには全く刺さらんのでしょうね。
減税の議論になったときに、すぐに消費税の話になるって風潮はシルバー民主主義そのものに思えます。
これだけでも頭抱えたくなるような話なんですが、
さらに残念なのが、このロジックが理解できず、消費減税を要求する若い人が少なくないこと。
ネットサーフィンしてると、
「国民は物価高に苦しんでいるんだから、消費税減らせ!」
みたいな主張をしてる若い人をよく見かけます。
いやいや…
高齢者がこれを言うのはまだ理解できるんですが、若い人が言うのは本当にアホですよね。
そんなことやったら、ますます自分達の首が締まるって理解できてないわけですから。
この体たらく見てると、この国はどんどんおかしな方向に行く気がしてしまいます。