フルリタイア可能でも敢えてセミリタイアする利点

お疲れ様です。窓際投資家です。

以前の記事で書いた通り、私は元々セミリタイアではなくてフルリタイアしたいと思ってました。

というのも、

セミリタイアって、要は今の仕事辞めて負担の軽い仕事に切り替えるってことですよね?

そうなると、基本的にはパートやアルバイトといった非正規雇用でフルタイム労働から降りることになろうかと。

正社員って基本的にはフルタイムで週休3日がせいぜい。

なかなかセミリタイアらしい暮らしなんてできません。

で、そうなってくると、今の仕事と比較すると時給換算した時の給料が大幅に悪くなって、

拘束時間が減る以上に給料が減る

給料が減ってる割に拘束時間が減らない

…みたいな話に絶対になります。

それは嫌やなぁ…と。

そんなのになるぐらいなら、最初からフルリタイアしたい!

と、思ってました。

だけど、最近段々考えも変わってきました。

フルリタイアしたければできるぐらい貯めてはいますけど、そこで敢えてセミリタイアを選択するメリットも最近は感じています。

実際のところどうするのか分からないですが、今日は自分の目から見たセミリタイアのメリットを挙げてみたい。

尚、この記事は一般論というより、あくまでも私目線ですので、そこは悪しからず…。

下落相場への対応力が高い

急落する株価

私もFIRE民の御多分に漏れず投資やってるわけですが、以前、サラリーマン投資家の強みについて記事を書きました。

専業投資家とサラリーマン兼業投資家の大きな差の一つとして、下落相場への対応力の差が挙げられます。

例え安くても定期的な給与収入があると、投資で含み損を抱えたとしても耐えやすくなるし、毎月振り込まれる給料を利用して無限ナンピンを仕掛けることだって理論上は可能です。

これがサラリーマン投資家最大の強みです。

専業投資家の場合だと、下落相場の時にも生活費はかかるわけですから、

相場が下がった最悪のタイミングで保有銘柄を売却する必要に迫られることだってあるだろうし、

そうならないように一定程度現金をプールしておく手はあるのだとしても、それはそれで、プールしてる分だけ投資に回せる資金が減ってしまい、リターンが低下します。

また、相場が下げた時に買い増しを狙おうにも、実弾には限りがあります。

「下がったら買う」を安易に繰り返すとすぐに実弾がなくなってしまうんで、下げ止まりを狙う技術が必要になってきます。

サラリーマン投資家だった人が、専業投資家になった途端に稼げなくなって、結局また働き始める

…そんな笑えない話も少なくないようです。

私自身、サラリーマン投資家としてはかなり成功した部類だと思うんですけど、専業投資家としてやっていけるのかは未知数です。

フルタイムでなくても細々と働くセミリタイアを選択するなら、サラリーマン投資家的な要素をある程度残すことができます。

そっちの方が安心と言えば安心ですよね。

金持ちであることを隠蔽できる

できるだけ、お金持ってることは家族以外の人に対して隠しておきたいんですよね。

例えばですが、こういう話があったりするわけですよ。

闇バイト強盗はこうして襲う家を選ぶ…「無料で屋根の点検します」と言う業者を絶対家に入れてはいけないワケ

(中略)

強盗を起こす犯人たちは、手当たり次第に民家に押し入っている訳ではない。当然、「金目のものがある」家を物色して強盗に入る。

(中略)

ブランドや高級車の購入者名簿が欲しければ、従業員に接触して、カネをチラつかせてデータのコピー取らせるとか、さまざまな方法があります。

あるいは、カタギさんに「家にカネありそうなところ知らないか。そこに本当にカネがあれば、(儲けの)10%やるから教えてくれない」って言うと、必死で調べてきますよ。こうした生の情報はありがたい。自分がタタキの実行犯(強盗犯)にならなかったとしても、情報自体が売れるんですから。

引用:闇バイト強盗はこうして襲う家を選ぶ…「無料で屋根の点検します」と言う業者を絶対家に入れてはいけないワケ

…40代前半で、しかも小さい子供が2人もいて、それで働かず毎日家にいて余裕綽々&悠々自適していたら絶対に近所で目立ちます。

「あの家はお金あるみたい」

ってなってしまいます。

「人の口に戸は立てられぬ」なんて言葉ありますけど、

こんな状態だと遅かれ早かれ、ヤバい筋に情報が漏れて闇名簿に名前載っちゃいかねない気が…

まぁ、さすがにこれはやや極端な話だとしても、お金持ってることが家族以外にバレてしまうと、

タカられたり、

嫉妬されたり、

酷い場合は…あることないことを税務署にチクられて目を付けられたり、

…そういう話に関しては、実際に結構聞きます。

なんで、犯罪に遭うリスクだけでなく、その他諸々のことを考えても、お金持ってることを周囲に知られて良い事なんて何もありません。

メリットと言えば、せいぜい、承認欲求が満たされる程度の話でしょう。

その意味では、負担にならない範囲で細々とでも働いておけば、悪目立ちせずに済むんかな?って思うんですよね。

「サラリーマン」という身分に利用価値がある

「サラリーマン」という身分が有利に働くケースがちょいちょいあります。

一例として、政府は金融所得からも社会保険料を取ろうと検討してる話が挙げられます。

これってあくまでも検討段階ではあるし、選挙で与党がボロ負けしたんで実際どうなるか分からないですが…。

ただしです…今回検討されているのは個人事業主や引退済み無職のみが対象。サラリーマンは対象外です。

別記事の情報によれば、サラリーマンの社会保険料は給料を基準にして労使折半になっているため、そこに手を付けるのは簡単ではない…ということではあるらしい。

なんで、仮にこれが実行されたとしても、細々と働いて形ばかりサラリーマンの身分を維持しておけば、社会保険料増を回避できることになります。

そうでなくても、サラリーマンの身分であれば社会保険料が労使折半になるので負担が軽くなる特典が元々指摘されてたりはしますね。

まぁ…これに関しては…

会社が負担してる社会保険料も、もし社会保険制度が存在しなければ給料になってるはずのお金ですから…

その点まで考えると本当の意味で個人事業主より社会保険料負担が安いと言えるのか?

…個人的には、そういう疑念を抱かざるを得ないですけどね…

いずれにしても、都合の良い部分だけ上手くサラリーマンの身分を利用すると、税金や社会保険料の負担を軽くできるケースが結構あったりはするのは確か。

今後何かしら新たにそういう場面も出てくると思うんで、負担軽減ツールとしてサラリーマンの身分を維持しておいて損はない気はします。

適度なストレスは健康に良い

医学的には適度なストレスは健康に良いそうです。

そして、完全なストレスフリーは返って健康に良くないそう。

私も経験あります。

1つ目は、前の仕事を辞めて転職するときのこと。

退職前に1カ月ほど有給消化したんですが、その時、首都圏に借りてたワンルームを引き払って実家に帰ったら…

安心感・安堵感・解放感で凄いホッとしました。

でもそのせいか…あっという間に風邪をひいてしまい、盛大に拗らせてしまいました。

で、結局1カ月ほどんど寝込んで何もできず。

このとき、内科に行って言われました。

「適度なストレスあった方が免疫力も高まる」

らしいです。

2回目は、今の仕事に転職して最初の部署から次の部署に異動した時のこと。

初期配属されたところは結構キツかったです。

でも、2場所目は当たり配属でした。

仕事は楽だし、良い人ばかり。

仕事の引継ぎを受けてそういうところだと分かった時には凄い嬉しかったです。

「ここで3年ぐらいは楽できる!」

と。

ところがです…。

そうやってストレスフルな状態から突然ストレスフリーになったためか、配属されて間もない4月のうちに頭痛でまともに仕事ができない状態になり、6月には出勤すらできなくなって休職。

最初にかかった医者が誤診していたり、次にかかった医者はスキルが怪しかったりと治療に手間取ったのもあって休職は約1年続きました。(※これで私の公務員生命は完全に絶たれ、サラリーマン人生を完全に諦めるきっかけに。)

未だに少し後遺症があって細々と治療してるんだよな…。

体の作りにも個人差があると思いますが、少なくとも自分は、ある程度のストレスはないとダメなんだろうな…。

子供への影響

家族持ちで、特に子持ちで若くしてリタイアすることには、世間的にそこそこ批判もあります。

よくある批判として…

親が全く働かずに家にいるって子供の教育上どうよ?

それが当たり前だと思って育つとロクな大人にならんよ?

というものがあります。

この手の批判に対しては…

「こういう生き方もあるんだ」と知ることは子供の人生においてプラスのはず。

本来、生きてくためのお金を用意する手段は何だって構わないはず。

そして、必要なお金を用意できて時間が余ってるなら、どう過ごしたっていいはず。

「就職して働くのが当たり前」という決めつけこそ教育上良くないだろ。

というのが基本的な考えだし、それは今も変わってないです。

ただね…だからと言って、

「親が働かずに家にいるのが当たり前」

と子供が思って良いと思ってるわけじゃありません。

「働くのが当たり前」という決めつけや思い込みが良くないのと同じで、

「働かないのが当たり前」という決めつけや思い込みも同様に良くないと思うんです。

で…何だかんだ言って、人間って自分が育った家庭で目にしてきたものを「当たり前」だと思って大人になっちゃいます。

「うちは特殊だから、これが普通だと思っちゃダメよ」

という親の言葉がいかに無力か…芸能人の子供見てたら良くわかります。

結局、「知識として知っている」と「自分が実際に見たり体験した」では全然重みが違うんだわ。

なんでね…完全にリタイアするよりは、

無理に働く必要はないけど、諸般の事情から細々と働いてる

ぐらいの方が、子供がフラットにモノを考えるようになってくには丁度良いのかな?という気もしてます。

今後何があるか分からない

これを言っては身も蓋もない話ではあるんですけど、

お金はあるに越したことはないです。

ぶっちゃけ、一寸先は闇ですよ。本当に何あるか分からないですからね。

こういうこと言い出して色んなリスクを見込んでいたら、本当にキリがないんで、何億円持っていようとも「これで十分」と言い切るのは難しいです。

だからどっかで割り切りが必要って話もあるんですが、だからこそ、お金はあったらあっただけ有利とも言えます。

ありがちな話としては、不慮の病気やケガによって多額の治療費がかかってしまうパターンでしょうか。

また、うちの場合、まだ子供が小さいので、この先どれぐらい教育費がかかるか全く読めません。

教育費に関しては、上を見たらキリがなくて青天井の世界ですからね。

うちは教育費に関してはそこそこで良いと思ってますが、それでも、本人が自分から「やりたい」と言い出したことに関しては、なるべく応援してやろうとは思ってます。

逆に言えば、本人が前向きじゃないなら何事も無理にさせないし、お金も出さないつもり。

極端な話、「私立大学の医学部に行きたい」とか言い始める可能性もあるわけで、もしそう言い出したら「医学部なら国公立しかダメ」とはなるべくなら言いたくないものです。

あと、少しでも子供に財産を残したいってのもありますよね。

嫁さんは病院で子供を出産した直後に、

「こんな国、こんな時代に生んでしまってごめんね」

と思ってしまったと言ってました。

何とも悲しくて寂しい話ですが、こういう思い、私にもあります。

今後この国がどうなってくのかは基本的には分からないとは思いますが、

自分の見立てとしては…

戦争とか革命とか財政破綻とか…そういう大きなショックで一度全てがリセットされない限り、ジリ貧が続いてく気がしてます。

もしその予想が当たってるなら、今後、お金を稼ぐのはどんどん難しくなってきます。

であれば、まだ稼げる今のうちに我々親が1円でも多く稼いで、それを子供に渡してやることが家族単位の生存戦略上は正解な気がしてて、私なんかは毎年せっせと子供に暦年贈与をしています。

欲を言えば、かなりハードル高いと思うんですけど、渋沢栄一を何千人か護衛に付けて

「もし仕事辛いならいつ辞めてもいい」

という選択肢を用意した上で子供を社会に出してやりたいぐらいですよ。

こんなふざけた世の中に、自分たち親のエゴで新たに人間を呼び出してしまったわけですから、これぐらいやってあげても良いんじゃないかと。

そう思うんだったら…無理のない範囲で働いた方が絶対に良いよね。

楽しみや生きがいが得られる

あと、リタイア後にちょっとずつでもお金が貯まれば、ポートフォリオ自体が大きくなります。

そうなると、新たに貯まったお金の一部は、私の場合、実物資産であるアンティークコインやカラーストーンに振り分けられることになります。

ずっと言ってきましたが、私にとってこれは趣味と実益を兼ねた投資。

引退後もコレクションが増えていくのだとしたら、純粋に楽しいし生きがいになりそうです。

何より、私は「保有資産評価額」という数字を大きくしていくことをゲーム感覚で楽しんでいます。

もし完全に引退してしまえば、もうこのゲームを楽しめなくなってしまいます。

そういう話はあるんで、定期的な給料がもらえるに越したことはないですね。

まとめ

今までの話をまとめると、こうなります。

私がセミリタイアを敢えて選択するんだとしたら、メリットとしては…

  1. 定期的な給与収入があることで、下落相場への対応力が高まる。
  2. お金持っていることを隠せる。そうするとお金にまつわる諸々のトラブルを回避できる。
  3. サラリーマンの身分を利用すれば、税金や社会保険料負担を軽減できる場合がある。
  4. 「働かないのが当たり前」と子供が思い込まずにすむ。
  5. 人生何があるか分からないし、お金があるに越したことはない。
  6. 楽しみや生きがいが増える。

といったところでしょう。

まぁ…実際どうするか分かりません。

そもそも論として、

働くにあたってのストレスが大きすぎる

ってのはあるんで、まずはそのあたりとの兼ね合いですよね。

あと、あった「方がいい」程度の価値しかないお金に対して、どこまで貴重な時間を差し出せるのか?って話もあります。

そんなことするぐらいなら、子供との時間をもっと大事にすべきじゃないのかとか…。

色々悩ましいですが、まだ考える時間は十分あるし、しばらく考えます。

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