株価暴落の予兆は?…世間の常識が正しいか検証してみた
こんにちは、そしてこんばんは。窓際投資家です。
よく、こんなコメント出してるアナリストや経済の専門家多くないですか?
株価上がってきて割高に見えるんですけど…米国株のPERはまだ○倍しかありません。
ITバブル崩壊の時は40倍超えていたし、リーマンショックの時は100倍超えていました。
だから、少し割高ではありますが、まだそう割高とは言えません。
少なくとも40倍超えて来ないと大きな暴落は考え辛いと思います。
現に私もこういう思考してきたし、このブログでもこういう言い方何度かしました。
今株価がグズグズしているものの、恐らく大きくは掘らないだろう…と私が予想している根拠の一つが、S&P500採用銘柄のPERがまだ30倍台をウロウロしていることなんですから。
ただ、盲信に近い形で信じてきたこの常識、本当に正しいの?ということで、データ拾ってきて検証してみることにしました。
「PERが高いと危険」は嘘だった
PERの定義
釈迦の耳に念仏かもしれないけど、念の為に説明しておくと、
PER=株価収益率=株価を一株当たり利益で割った数値
です。
なんで、出してる利益の割に株価が安いと低くなり、割安と見なされます。
なんで、言葉の定義からしたら、低い時に買えばお得で、高い時に買えばババを引かされかねない。
という話になります。
バブルのピークではPERが低い
ただ、このプロットを見たら、全く違った景色が見えます。
S&P500指数と、採用銘柄のEPS(一株当たり利益)とPERの推移を30年分プロットしてみました。
株価がバブル状態にあったとされるITバブルのピーク時、リーマンショック直前などではPERはそう高い水準にありません。
株価がピークアウトして経済が崩壊する過程で企業が利益を出せなくなった結果として、後追いでPERが上がっています。
見てわかる通り、PERがピークを付けるのは株価が既に暴落して底値付近にある時です。
現実は世間の常識の真逆
経済危機の時には異常にPERが高くなるのは事実ですが、それは経済が崩壊する前兆なんかではなく、その結果後から起こる現象です。
なんで、PERが上がったのを確認してから逃げていたようでは逃げ遅れるし、冒頭に出したような形で株価を評価するのは間違いだと分かります。
そして、PERの定義と現実はどちらかと言えば真逆で、株価が割高な時にはPERは低くなり、割安な時には高くなる傾向があると言えそうです
なぜそうなる?
株価は将来を織り込む。
つまりはそういう話で、市場参加者は目先の業績を見ていない。
これに尽きるんだと思います。
株の時価総額って、その会社が将来叩き出す利益の総和ですから。
世の中全体が景気良くて、企業業績も良くても、投資家は好景気が終わった後のことも考えて、ポジション取りすぎないようにするもんです。
逆も然り。
不景気でたまたま業績悪くても、景気が回復した後のこと考えて株を買い向かう。
なんで、企業が出す利益程も株価が動かないことによってこういう現象が起きるものと思われます。
「上げて来たけどまだ割安」が一番危険
このチャート見てどう思うだろうか?
勢いよく株価が上がってきてはいるけど、それ以上にEPSが伸びてきていて、PERなんかむしろ下がってます。
こんな状況で、経済番組とかで株価の先行きに関するコメント求められたアナリストはなんて言いますかね?
この検証やる前の私も含め、多分こう言います。
かなり上げてきて割高に見えますが、実はまだまだ割安で上値余地があります。
実はこれ、ITバブル崩壊前夜のチャートを切り取ったものです。
現実にはこの後にドカンとやられてます。
そして、これはリーマンショック前の部分を切り取ったもの。
これも株価は大分上がってしまってますが、企業の利益はしっかり出ていて割高には見えません。
実際、私はこの時リアルタイムで経済ニュース見てましたが、やっぱり、テレビや新聞では
ファンダメンタルを考慮すれば、まだまだ割安です。
って言ってました。
だけど、この後沢山の人が首吊るんですよね。
いつ逃げたら良いの?
じゃ、どうしたら良いの?
こう言っては身も蓋もないんですが、
基本的には…
未来を予測するのは困難なので、下手に動かない方が良い
…と思います。
素人は下手なことやらずに、買う時は積み立てを基本とし、売る時は自分の都合優先させる(何かの都合でお金が必要な時に売る)のが良いとは思います。
銘柄選びはある程度慎重にした方が良い気もするが…
だけど、暴落前のシグナルをある程度掴むことは可能かもしれません。
ITバブルの時とリーマンショックで暴落が来る前に共通する株価の挙動が見受けられます。
株価がピークアウトして暴落する前、
PERがジリジリ下がりつつも、高値圏で株価がさらに上がる
という展開がしばらく続いた後、
PERが底を打って反転したら…ドカンと来ています。
なんで、こういう戦術が考えられます。
- 高値圏で「PERが下がりつつも株価がさらに伸びる」という展開になってきたら、近々ドカンとやられる可能性を頭に入れて積極的な買いは控える。
- PERが底を売って反転したら売り抜ける。またはショート(空売り)を仕掛ける。
という戦術は有効かもしれません。
これなら、ITバブルとリーマンショックの事例に限れば、ほとんど無傷で撤退できることになりますね。
なんでまぁ、主力は動かさないにしても、失敗しても痛手にならない範囲でこういうやり方にトライしてみても良いかもしれません。
まとめ
常識は疑ってみるもんですね。
「高いPERになると危険」は間違いでした。
なんで、過去に私が
PER的には米国株はまだ暴落はしない
と言っていた根拠が崩れました。スミマセン。
ただ、今日の記事に書いてきた視点で見ると、やっぱり、まだまだ米国株に暴落する予兆ない感じですね。
結論は同じでも、理屈が変わったというところでしょうか。
ただまぁ、ITバブルもリーマンショックも結構前の話なんで、今とは市場環境が違います。
故に単純比較して温故知新とは行きません。
この先どうなるのかは、基本的には誰にも分からないものでもあります。
この点はご容赦願います。