富裕層や資産家って案外多いらしい
お疲れ様です。窓際投資家です。
ふと気になったんですよ。この国に金持ちと言えそうな人が全人口の何%ぐらいいるんだろうって。
で、いくつかの調査結果をもとに計算してみました。
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調査結果を見てみる
まず、
「不動産を除く実質的な保有資産が1億円以上の世帯に属する人数」
ってどれぐらい?
というのを調べていきたい。
これが今回の金持ちの定義ということで。
今回は、カウントする資産から敢えて不動産は外します。
不動産の場合、資産価値や収益性の高い不動産もあれば、
所有者にとって負担にしかなってない負動産もあり、
所有者の生活や人生に対して必ずしもプラスになってるわけではないんで、
これをカウントしてしまうと生活の余裕度と保有資産額がリンクしなくなる恐れが強いんでね。
さて、2023年の野村総研の調査によると、こんな感じらしい。

その純金融資産の総額は約469兆円と推計」より抜粋
5億円以上の超富裕層…11.8万世帯。
1~5億円の富裕層…153.5万世帯。
5000万~1億円の準富裕層…333万世帯。
3000~5000万円のアッパーマス層…576.5万世帯
という形になっています。
準富裕層以上の財産はこの2年で約3割膨張
ただ、これは2023年時点の話。
この調査以降も株高やインフレは進んでいるため、家計が貯蓄している金融資産にも変化はあるはずです。
で、2025年の日銀の調査によると、日本の家計が抱える金融資産の内訳はこんな感じ。

2023年の同じ調査と比較すると、
現預金 … 54.2% ⇒ 51.0%
保険・年金・提携保証 … 26.2% ⇒ 26.0%
株式 … 11.0% ⇒ 12.2%
投資信託 … 4.4% ⇒ 6.0%
債券 … 1.3% ⇒ 1.4%
という感じになります。
大きく構成比は変わってないんですが、株式とか投資信託とかのウエートがそれなりに上がってるように見えます。
このうち、「保険・年金・提携保証」「投資信託」ってのは、
多くの場合、ポートフォリオの一部または全部が株式になっていますので、間接的に株を買っているようなものです。
仮にこれらの商品に投下したお金のうち、2割が株式に向かっていたとすると、2023年時点では…
(26.2%+4.4%)×0.2+11%=17.12%
おおよそ、家計が保有する金融資産の2割弱が実質的に株式に向かっていると。
準富裕層以上の世帯は、一般的な世帯より株式の保有比率が高い傾向にあると思われますので、この層に限定した株式保有比率は平均で2.5割程度と仮に推定しておきます。
で、2023年から2025年までの間、オルカン(MSCI-ACWI)は円建てで約2倍に値上がりしています。
ってことは、準富裕層以上の保有資産は、単純に考えてこの2年で2.5割膨張したということになりますね。
この2年で約25万世帯が富裕層に昇格

となると、2023年の野村総研の調査時点で8000万円以上の金融資産を保有していた準富裕層世帯は、2025年現在では富裕層への昇格を果たしている可能性が高いと推定できます。
これがどれぐらいいるのか??
この調査を見ていると、保有金融資産5000万円以上の世帯498.3万世帯のうち、33.2%の165.3万世帯が保有額1億円超の世帯となっています。
また、同じ野村総研の別の調査によると、保有額1億円超世帯のうち約3割が2億円以上とされています。
「閾値が倍になれば、該当世帯数は×0.3になる」
という傾向は見て取れそう。
この理屈に則って計算すると、2023年時点で保有金融資産が8000万円以上あった世帯は…
498.3万世帯×0.3^{(8000万円/5000万円)×1/2} = 190.2万世帯
と推定できます。
これが2025年現在の保有金融資産1億円以上の富裕層世帯を推定でき、約25万世帯が富裕層に新規昇格したと言えそうですよと。
ステルス富裕層の存在を考えてみる

ただし、これは「見えている」財産をカウントした結果に過ぎません。
億単位の財産を保有していると、
資産を法人化したり、
海外に逃がしたり、
課税不能・評価不能なモノに換えてステルス化したり、
そういう税金対策をやって、資産を見えない状態、カウントできない状態にしていることが非常に多いです。
保有額が1億や2億ぐらいまでであれば、ガチでやるメリットそこまでないです。
ですが、それ以上となると、これをやるのはむしろ普通。
政治家の資産が公開されてるの見ると分かりやすいです。
「保有資産ゼロ」が結構いるんですよ。そんなので選挙活動できるわけない。
税理士や宝石屋と話していても、そんな感じ。あの手この手で個人資産を見えないようにしてると。
保有資産1億円以上が190.2万世帯いるのだとしたら、2億円以上の世帯は×0.3で57.1万世帯と推定できます。
2億円以上保有してる世帯は、体感的には、少なくとも見えてる分の倍はいると思われます。
なんで、保有資産1億円以上の世帯の実数は
190.2万世帯+57.1万世帯=247.3万世帯
…ぐらいは少なく見積もってもいそうですね。
実質的な富裕層・超富裕層世帯に属する人は全人口の約1割!

野村総研の調査は単位を個人ではなく世帯にして行われた調査です。
2023年時点での日本の平均世帯人数は2.23人。
世帯人数が多ければ世帯が保有する資産額も大きくなる傾向は当然ありますから、富裕層・超富裕層世帯の構成人数は全国平均よりかなり多いと思われます。
仮に富裕層・超富裕層の平均世帯人数を3人と仮定した場合、そういう裕福な世帯に属する人数は…
247.3万世帯×3人/世帯=742万人
…まあまあ多いですね。
そして、今回は敢えて不動産をカウントから外しましたけど、現実問題として不動産王タイプの資産家だって存在します。
また、分からない数字はやや控えめな推定値で見てきたつもりではあります。
そこらの事情を勘案したら…
実質的な富裕層とか資産家とか言える世帯に属する人って
控え目に見ても1000万人ぐらいはいると見て良いだろうし、全人口の1割ぐらいはいるんじゃないか?
という気がしますね。
普通に生活していると全くそういう実感持てませんけど、思ってる以上に世の中に金持ちって多いんだな…と思いました。
みんな、持っていても黙ってるんだろうなぁ…。
そらそうだ。家族以外にこんなこと公言してもデメリットしかないもん。
あと、これだけ人数がいたら、そこそこ政治的な影響力持てそう。
この層をターゲットにした政党が出てきて欲しいんだけど、政治家のセンセイ方、考えてくれますか?
お金持ってるから献金期待できるし、恐らく投票率も高いよ?
夜警国家を目指す公約を掲げて「あるなら寄越せ」のクレクレ民主主義に歯止めかけてくれるなら、
うちは家族揃って投票させてもらうし、場合によっては寄付しても構わないです。
是非ご検討のほどを…。







