分からないものには手を出しちゃいかんね

お疲れ様です。窓際投資家です。

報道されているように、ここ10~20年ほど、

東京や大阪のような都市部や主要路線の駅近エリア、その他人気エリアでは、不動産価格が高騰してます。

ここ数年は、その余波が私の住む地方都市にもジワジワ波及してきていて、以前は売るのに苦労したような物件でも、値段に文句を言わなければ買い手が付く状況になりつつあります。

これはこれで良い事なんだろうけど、

「不動産を甘く見てはいけない」

と改めて感じさせられる出来事が家の近所で起きています。

買いが潜在的な売りを掘り起こす

最近、物凄い数が売りに出されたけど…建売りも中古も全然売れてないね。

そうやなぁ…
ここは、そこそこ交通の便も良くて需要はあるんだろうけど、これだけ一斉に売り出されたら厳しいわな。

これ、つい昨日、夫婦で交わした会話です。

何が起きてるのか説明します。

私の家の周囲を観察していると、5年ほど前から、不動産を売りに出すと、それなりの値段では売れるようになった様子。

長らくオーナーが持て余していたと思われる物件が建売メーカーに売りに出され、古い建物を解体して新築の建売を建てたら割とスンナリ売れる。

相続したものの物置になってたようなのをオーナーが取り壊して、ファミリー向けの戸建て賃貸を建てると、スンナリ入居してもらえる。

そういうのが直径500m圏内で相次いだ感じです。

私が今住んでいるところは、JRの駅(各駅停車しか止まらない)と、私鉄の特急停車駅、それぞれが徒歩10分以内ですから、立地的なポテンシャルはそこそこあります。

実家がある郊外と違って、底堅い一定の需要はあって、無茶しなければ売れるってことでしょう。

ただ…これを見て、近所の人や建売メーカーが一斉に同じ動きにでてしまった様子。

これがまずかった。。

というのも、私が住んでいる地域全体の問題として、高度経済成長期に行政主導で造られた大型のニュータウンがいくつかあり、人の絶対数に対して住宅ストックが滅茶苦茶多いんです。

そのせいで、私の家の近所のような、比較的条件が良い場所でさえ、持て余していると思われる物件が元々かなりあったんですよ。

こういう物件の所有者が、

「今なら手放せる!」

とばかりに、ここ1~2年で一斉に物件の処分に走ってしまった感じなんですよね。

一番多かったパターンとしては、建売メーカーに持て余していた物件を売って、古い建物を解体した後に新築の建売住宅が建つケースでしょうか。

建売メーカーも一斉に入ってきて、空き家が建っている土地を買い取っていったんですよね。

体感的に、このパターンが6割ぐらい。

残りは、

更地にして売りに出す、

オーナーが自分で解体して、そこに賃貸住宅を建てる、

築浅だから、そのまま中古で売りに出されていたりとか。

で…これが今どうなってるのか?

ぜーんぜん、売れたり、人が入居したりって形跡ありません。

ま、建売メーカーにババを引かせる形で、上手いこと逃げた人だけは大勝利ですね。

あと、中古のまま売りに出して売れないだけであれば、これもまぁ、そこまでダメージはないです。

一番キツいのは、

上屋を解体して、そこに新築を建てて、

それで売れなかったり、入居者いなかったりするパターンですね。

解体して更地にしたのに結局売れない、ってケースも結構キツいと思われます。

彼らは、

何割か値下げして損切りするか、

売れる保証なんかない状態でジッと待つか、

難しい選択を迫られています。

これ、地方だからというよりも、世帯数と住宅ストックのバランスが狂った地域だから問題なんだろうな…。

当たり前と言えば当たり前ですが、空き家が多い地域の不動産には手を出しちゃいかんなって改めて思いました。

そこそこポテンシャルある場所でさえ、こうなっちゃう。

潜在的な売り注文がかなり溜まっていて、少々の買いが入っても、それが潜在的な売りをいくらでも掘り起こしてしまうんです。

不動産取引にはホームアドバンテージがある

で、聞くところによると、今回、こうやって痛い目に遭った人の中には、不動産投資家もいるらしいんです。

いつの間にか、とある近所の空き家の所有者が法人になっていて、

その法人というのが、不動産投資家が一人社長で運営してる資産管理会社らしいんです。

空き家の整理やら管理やら何やら、その他諸々で散々費用を費やした挙句、物件を売りに出そうとしたら売るに売れない状態に陥っている模様。

で、その不動産投資家というのが…地元の人ではなくて、首都圏の人みたいなんですよ。

トラブル起きるたびに新幹線でこっちまで来ていたし、あれに費やす時間や交通費だけでも大概だったと思います。

もう…踏んだり蹴ったりやなぁと。

この人とは、空き家絡みの話で、一度だけ電話で話したことあります。

話していると、

地域全体として住宅ストックが過多になっている話とか、あまりこの界隈の不動産市場を理解していない様子でした。

おいおい、そんなことも分からずに手出したのか??

まぁね、百発百中で儲け出せる投資家なんかいません。

私だって、5回のうち2回は失敗して良いと思ってやってるし、実際、それぐらい失敗してます。

このブログにもみっともない投稿がそこそこあります!

だからね、あんまり他人の失敗に後ろ指さすのも違うんだろうけど、

この事例を見ていると、教訓として…

土地勘のない場所で、いきなり不動産を買うのはやめたほうがいい

そして、

不動産売買にはホームアドバンテージが絶対にある

というのは思いました。

土地勘があれば諸々のリスクに気づきやすいし、穴場を見つけることだってできます。

近くに住んでいれば、市場の動きをリアルタイムで肌で感じることもできます。

特に不動産投資では、株式投資のチャートみたいなものはないんで、これがあるのは大きい。

何かあってもすぐに駆け付けられる場所に住んでいれば、フットワークだって圧倒的に軽くなります。

投資目的でないのだとしても、

リスクをちゃんと理解せずに買ってしまうと、後になって思わぬ痛い目に遭いがち。

投資家目線で見た場合は置いておいて、住民目線で考えても、住んでみないと分からないことってあまりに多いもんです。

なんでね、住んだことない場所に住宅購入を検討するんだとしたら、賃貸で最低3年ぐらいは住んでみることです。

3年住めば、かなりの部分が見えてきます。

その上で、やっぱり住宅を購入したいと思えるんだったら、その時買えばいい話。

大きい買い物なんで、それぐらい時間かけて考えても良いと思うんだよな。

まとめ

今までの内容をまとめると、こんな感じか。

1.住宅ストック数>>世帯数

  となっている地域では、潜在的な売り圧力がかなり存在する。

2.そんな地域では、住宅市場が動き始めて買い手が付くようになっても、

  それが潜在的な売りを掘り起こしてしまい、簡単に状況は変わらない。

3.遠方や土地勘のない場所で不動産を買うのは危険。

4.不動産売買にはホームアドバンテージが存在する

不動産の市場環境が良くない地域の場合、簡単には状況改善しませんよというのがまずあって、

土地勘がない人はそういう地域の実情や特性に気付きづらく、結果的に不動産売買で失敗しやすいと。

要は…

分からないものには手を出しちゃいかん

ということです。

私自身、海外の不動産に投資しようかと何度も検討しては保留にしてきたんですけど、

近所のこういう事例見てると、

絶対にやめた方が良いんだろうな

と思ってしまいます。

国内ですら、土地勘ない奴はこうなっちゃうんだもん。

海外だともっと酷いことになりそう。

現実的には、海外REITでも買っていた方が良さそうですね。

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