金融所得課税強化に反対する政党がない…orz
お疲れ様です。窓際投資家です。
国民民主党が金融所得課税を強化する方針を示したことで、SNSが荒れているとのこと。
国民民主、沈静化に躍起 金融所得課税強化巡り「増税」批判広がる
(前略)
国民民主の税調は昨年12月24日に発表した「2025年度税制改革と財源についての考え方」で「行き過ぎた格差を是正し、格差の固定化を防止するため、金融所得課税の強化を行う」と主張。「分離課税を30%に上げ、総合課税と選択できるよう目指します」と明記した。この記述がネット上で「増税」と受け止められ、「支持できなくなる」「がっかりだ」などの不満が拡散した。
(以下略)
過去の投稿を見てもらえれば分かる話なんで、理由は割愛しますけど、
私の政治思想って…
- 減税して行政サービスのリストラせんかい。役所は余計なことやり過ぎ!
- その分公務員減らせ。自分なんかもうクビでいい。
- だけど、政治家や公務員になるメリットはしっかり用意して質の確保にはこだわるべき。
- 格差是正なんて必要ない。むしろ、日本に必要なのは適切な格差を作ること。
- 社会福祉を否定するわけじゃないけど、「これ以上は無理」という線引きはどこかですべき。
と言ったところです。
その意味において、「減税」というキーワードに一定程度は期待していた国民民主党が、しれっと金融所得課税強化の方針を打ち出して来たことには、正直はらわた煮えくりかえってます。
Contents
釈明動画見て逆にムカついた
釈明する動画も出してたし、玉木さんはABEMAにも出てて、大体全部見ましたけど…なかなか酷い内容で、見ていて余計に腹が立ちましたね。
投資のリスクを無視した暴論

まず、損するリスク負ってやってる投資の税率と、マイナスになるリスクのない給与所得に対する税率を単純比較して問題視してるのってどう?
ゆろゆきに至っては、
「働かないで勝手にお金が入る人の税率が低いのはおかしい」
と言う始末。
何言ってるんだ、コイツは?
「勝手に入ってくるお金」というなら、100円からでも株買える訳ですし、みんな買えば良いじゃないですか、株式。
でも、大多数の人は買わんわけでしょ?
なんで?
最悪の場合、投資したお金がゼロになる可能性があって、そんなリスク取れないからだよな?
であれば、そういうリスク取って得た報酬って
「勝手に入ってくるお金」
って言うんか??(怒)
玉木さん自身も言ってましたが、仮に総合課税にしたり給与並みの税率にしたりするなら、損した場合に給与等から損失分を控除する仕組みが必須でしょう。
確かに、そうするのが一番フェアですね。
ただしです、そんな複雑な仕組みにするぐらいなら、
「儲かった時の税率を少し低めに設定します。その代わり、損失出ても知りません。」
としておいた方が良くない?って考えもありますよね?
要は現行のルールです。
現役のポンコツ行政マンとして思うんだけど、ルールはできるだけシンプルにしておくべきです。
そうしないと、税務署を始めとした行政の人件費が膨れ上がるよ?
結局それって税金ですからね。
行政の世界では、ルールブックを分厚くして仕事増やしたヤツが出世するクソシステムが存在し、このシステムがクソであることにさえ気づかないクソ職員が多すぎるんですけどね。
「1億円の壁問題」なんて存在しない

また、玉木さんは
「1億円の壁は何とかしたい」
と発言。
これにも
「アホか?」
って思いました。
「1億円の壁」が何かを軽く説明すると、
世界共通で見られる現象として、
所得が一定水準を超えると、例え累進課税してる国であっても税負担率が下がる
というのがあるんですよ。
それが世界中で今問題視されていて、日本の場合、その一定水準というのが大体年収1億円であると言われているんですね。
でもなぁ…
海外ならいざ知らず、「1億円の壁問題」なんて日本では存在しないと私は思ってます。
日本の場合、年収が上がるほど事業を法人化する人が増えるし、
ましてや、恒常的に年収1億円超える人なんて、ほぼ法人持ってて法人の収入という体になってます。
なんで、実態として、
年収1億越えの個人の殆どは、投資や不動産売買による臨時収入で瞬間的に高額所得者になっただけの人。
彼らは本当のお金持ちではない。
そして、こういう臨時収入に関しては、
何年もかけて蓄積してきた利益を、たまたまその年に確定させただけ
という性質があるんで、給与所得と合算して累進税率かけるのには馴染まない性質のもんなんですよ。
これは国民民主に限った話ではなく、
自民党を始めとした他の政党や財務官僚も、金融所得課税の話になると、必ずこの「1億円の壁問題」を持ち出してきますが、
そういう思考の掘り下げがないままに、
表面的なデータだけ示して増税に持っていこうとする論調、
おかしいだろ?って思うし、非常に不愉快です。
そして、メディアも全くそのことを指摘しない。(だから過疎ブログで今吠えてみる)
大体、政治家の資産が公開されても、何億円も持ってる人は殆どいません。
あれも同じじゃないですか。財産の多くを法人名義にしちゃってるからああなるわけで。
分かっててワザとこういう話に触れないんじゃないか、そんな気もしてしまいます。
いずれにしても、私は今のルールを変える必要があるなんて全く思わないですね。
こんなことやっても誰も得しない

何より、仮にこんな増税実行したら、株価が暴落・低迷して結局は富裕層から上がってくる税収も減るでしょう。
年金機構も大ダメージ受けるだろうし、
資金調達できなくなった企業は雇用を用意できなくなるし、
結局は投資をやってない庶民も影響をモロに被ります。
私なんかは、仮にこんな増税が実行されれば、まずは法人作って投資をやることになろうかと思いますが、
日本中の個人投資家がこういう行動に出たら、税務署は大変でしょうね。
そこで「人手が足りない」なんて言って採用増やしたら、人件費が嵩んでまた税金が出ていきますね。
…とまぁ…少し考えれば分かる話ですけど、こんなことやっても、国として国民全体として何の得もなく、育ちかかっていた新興富裕層をただ潰すだけの結果に終わります。
確かに格差はなくなるのかもしれませんが、それは庶民がボトムアップした結果ではなく、富裕層を潰した結果に過ぎない。
これでいいの?
国民民主以外もそうですが、こんなクソみたいな政策訴える政党の多いこと。
えっ、NISAがあるからいいだろ?
生涯投資枠1800万円なんて、準富裕層以上にとっては小さすぎて役に立たんわ!
株式市場は一部の超大金持ちが支えているということをお忘れなく。
NISAは庶民のための制度だけど、現実的に、その庶民はリテラシー低すぎてあんまり制度を使おうとしてません。
それ故、現状、NISAで大金持ちの穴を埋めるのは相当キツいと思うし、
もしそれを将来的に本気でやりたいなら、相当地道な金融教育が必要ですよね。
…でも、こんなの学校で教えようとしても、中途半端な内容にしかなりえない気が…。
国民民主なんて元々信用してなかった

とは言え、今回の国民民主には腹は立ったけど、失望はしてないんですよね。
というのも、元々半信半疑だったからです。
去年の衆議院選挙のとき、私の選挙区から立候補した国民民主の候補は、候補者アンケートで
「税金は富裕層が負担すべき」
とはっきり言うような人だったんですよ。
その時は、これが政党としての考えなのか分からなかったけど、少なくとも候補者個人ではそう考えてるんだなと。
そう思ってこの人に投票するのはやめたんだわ。
私にとって、「減税」とか「小さな政府」って言葉は刺さったけど、「格差是正」っていうNGワードでそれが吹き飛んだ形です。
(その人は選挙区で落ちたものの、比例で復活当選。)
その後、国民民主には似たような考えを持っている候補者や議員が他にも結構いることを知って、
「これは信用できないな」
と思って見ていました。
そう思っていたら、今回の騒動です。
やっぱりな~といった感じです。
国民民主は今後腰砕けに?

ここからは自分の政治思想とは切り離した形で思ったこと書いていきます。
端的に言うと、
今回の金融所得課税強化案の騒動で、国民民主は腰砕けになりかねない
と思うんです。
今回の騒動で感じた国民民主の問題点は以下2点です。
- 「減税」を看板政策に掲げる政党を、「格差是正」を訴える議員・党員が支える矛盾。
- 躍進の原動力となった支持層を怒らせる政策案を出してしまい、ダメージコントロールにも失敗している。
まず、増税や高福祉を訴えてる政党ならともかく、
減税を看板政策に掲げてる政党の中身が、カクサガ-議員でいっぱいって…
おかしくないですか?
基本的には、
増税・高負担と格差是正はセットだし、
減税・低負担と格差拡大もセットだと思うんだけど、
間違ってます?
思うに、根っこが民主党ですから、元々のベースが左派思想だったんでしょうけど、
ある程度保守票を取り込んでウイング広げたかったのかな?(←想像です。間違ってたらゴメンナサイ。)
党勢を拡大させるには、そういうアクションもある程度必要なんでしょうけど、やっぱり、やり過ぎると辻褄が合わなくなっちゃいます。
そして、小政党で注目度が低いとスルーされる矛盾も、党勢が拡大して注目度が上がればつつかれます。
ここらは難しいところなのかもしれないですね。
これから、こういう矛盾を露呈する形で方針や発言がブレて、支持者をザワつかせる場面が多くなるんじゃないだろうか。
あと、これも私の推測ではありますが、今回の件で、
躍進の原動力になった支持層が完全に怒って離れてしまったのではないか?
と思ったり。
私が思うに、国民民主党って、
高齢者を優遇して現役世代から搾取する
増税・バラマキのオンパレードで国民負担率は上がり続ける
近年は左傾化してポリコレも増えた
…こういう自民党のやり方や変質に反発する、若くて優秀な保守層に支持されて党勢を拡大したように思うんですよ。
ひろゆき氏が言うように、ここの政策は偏差値60以上じゃないと理解できないって話もあるしね。
彼らの多くは若い人の中では比較的お金に余裕があり、一定の経済リテラシーもあって投資に抵抗がありません。
だから、投資をやってる人が多いし、これから資産形成して富裕層になり上がってやろうって野心もあったりするんです。
また、税や社会保険料の負担が重いと感じている層でもあり、日本の再分配政策を度が過ぎたものと考えていて嫌気がさしてる人も少なくない。
実際、玉木さんがYouTubeで訴えていた内容って、こういう層に凄い刺さるやろなって内容でした。(改めて見てみると、格差是正の話はサラッと流されていて目立たない。わざと??)
そんな支持者に対して、「金融所得課税強化」だの「格差是正」だのと言ったらどうなるのか?って話ですわ。
国会で↓みたいな発言するのも、政党カラーから言って非常にマズいと思います。
「高額所得者の方は納められているが、生活が苦しい方、低所得者の方はなかなか納められない。であるならば、政府の役割は再分配だ。そういった考えも取り入れながら、年収の壁の議論をこれからも行わせていただきたい」
引用:「国民のみなさまに税収増分をお返しできる状況にない」石破首相、国民民主党の要求突っぱねる(日刊スポーツ) – Yahoo!ニュース
共産党や立憲民主ならともかく、国民民主の議員がこんなこと言ったら支持者は怒ります。
政治家としての信念通すことを否定はしませんけど、こういうのを聞くと、
どんな人に支持されて自分は当選したのか分かってるんだろうか?
という気はします。
ということで
政策上・構造上の矛盾を露呈し始めていること、
躍進の原動力になった支持層を怒らせるようなことをやってしまったこと、
この2点において、この政党はここらで腰砕けになっていく可能性も十分あると感じます。
課税強化に反対してくれる政党がない

皆さんご存じのように、日本には金融所得課税強化に反対してくれそうな政党がほぼないです。
日本保守党ぐらい?
まぁ、前の衆議院選挙でも比例で入れましたけどね。
だけど、時事通信の世論調査によると、反対48%に対し、賛成は18%だと。
反対してる国民の方が多いんですよ。
ここでもし声を大にして反対すれば、一気に支持を取り込める可能性もあるわけで、政治家のセンセイたちはこういう国民の声をもっと拾ってほしいです。
自分としてはこんな話には全力で反対するし、仮にこんなことするなら、本気で海外脱出も検討しないといけません。
一事が万事で、こんなアホな話を平気で進めようとするアホ政治家が切り盛りする国に、マトモな未来があるとは思えない。