魔法が解けて退職する中高年

こんにちは、そしてこんばんは。窓際投資家です。

最近、職場で気になることがあります。

退職者が増えて来た感じなんです。

私は人事じゃないので、組織全体のデータは知らないんですが、私の周囲では辞める人が明らかに増えています。

例えば、私の新しい所属部署では、この春だけで4人が定年以外の理由で辞めました。

以前はいなかった中高年の退職者

まぁね、20代からアラサーにかけての人が辞めることについては、今に始まったことではありません。

うちの場合、ずっと前から、新卒で入った人の2割ぐらいは3年以内に辞めるし、その後もアラサーあたりまではポツポツ退職者が出る感じでした。

ただ、この2年ぐらいで雰囲気が変わってきたなと感じるのが、40〜50代でも退職者が出るようになってきたことでしょうか。

私の部署でこの春辞めた4人のうち、3人は中高年です。

そして、この3人のうち2人はこのまま引退。

皆さん大好きな、「早期リタイア」ってヤツ。

残り1人についても、一度退職した上で会計年度任用職員になったようです。

これ、民間で言う1年契約の契約社員です。

正社員の地位捨てて契約社員です。

これもギリギリ「セミリタイア」と呼べるかも知れません。

こういうの、5年前とかなら、考えられなかったことです。

かつては、

公務員なんて民間で通用するスキルなんてないし、

多くの人にはその自覚もあるんで、

一定の年齢になれば、あらゆる理不尽に耐えてでも必死に組織にしがみつく傾向がありました。

これが、ここ2年ほどで職員の意識もかなり変わって来たように感じます。

コロナ騒動が自分の人生を見つめ直すきっかけに?

退職理由については、バラバラです。

健康上の理由

管理職やるの疲れた

子供が成人して就職した

…聞いてる話としては、こんな感じです。

表向きの退職理由が鵜呑みにできるのか?って話はあるんだろうけど…

この退職理由をそのまま信じるのだとしたら、

以前はこんな理由で辞める人、ほとんどいなかったよなぁ…

コロナ騒動とリンクして、こういう職場の雰囲気の変化が起きているんですよね。

コロナ騒動が職員の意識に影響を与えたのかについては、実際どうなのかは分かりません。

でも、個人的には影響あったんじゃないかな…と思うんですよね。

だってさ

それまでは、毎日出勤して起きてる時間の半分以上を職場で過ごしていたんで、良くも悪くも、

自分にとっての全世界≒会社

みたいな錯覚はみんな持っていただろうし、嫌でも組織への帰属意識が知らず知らずのうちに生まれてたと思います。

これがコロナ騒動で在宅勤務になると、

企業に雇われてるサラリーマンやOLというより、

会社と業務委託契約してるフリーランスみたいな感覚を持つようになった人も多いんじゃないだろうか。

そして、人間って相手の姿が見えなくなると、急にドライな気持ちにもなるもんで、以前は多かれ少なかれあった同僚への仲間意識も一気に希薄になったりとか。

若い人だと、あるあるじゃないですか。

学生時代に付き合っていたカップルが、それぞれ別の会社に就職したのきっかけで、ソッコーで別れたりとか。

あれと同じ。

そうやって、職場から精神的に一歩引いた状態で、自分の今までの生き方や働き方を見つめ直すと、

「何も考えずに必死にやってきたけど、今まで自分は何をしてきたんだ?」

という気持ちにさせられる人、少なくないと思うんですよ。

自分にもこの経験あって、私の場合は、体調崩して1年休職したときにこの感覚になりました。

そして、それまではぼんやりとしか考えてなかった、「早期リタイア」ってのを割と具体的に考えるようになったんですよね。

ホントね、長期間職場から離れるようなきっかけがあると、魔法が解けたように、突然仕事するのが馬鹿馬鹿しくなる場合ってあるんです。

そして、私の嫁さんも産休と育休でこうなりました。

完全に私の推測ですけど、辞めた中高年の人たちも、在宅勤務が増えたのきっかけで魔法が解けちゃったんじゃないだろうか。

これからは引退を自分で決断する時代

まぁね、これはこれで良いんじゃないですかね。

思考停止したロボットみたいに働き続けるより、よっぽどまともな生き方だと思います。

日本の大企業や役所に勤める人って、思考停止したロボットみたいな奴多いし、彼らを見ていて感じる違和感は以前記事にしました。

勘違いされると嫌なので一つ断っておきますが、別に

さっさと会社辞めろとか

独立して個人事業主してた方がいいとか

…これは安易には言えないと思います。

っていうか、私も含めた世の中の人間の8割以上は自分で事業起こして稼ごうとしたってそれだけの能力や需要はないし、自分の頭で考えて突っ走ったところで墓穴掘るだけです。

「組織の歯車」と言えば聞こえは悪いけど、大半の人間は思考停止して歯車になっていた方がまともな人生送れるのが現実ってものです。

ただやっぱり、物事ってバランスが大事。

本当に思考停止してしまうのも良くないと思うんです。

自分の置かれた立場を冷静に見つめつつ、会社の言いなりにならずに、良い意味で自分本位で立ち回ろうってスタンスは絶対に必要でしょう。

パワハラや激務から自分の心身を守るためにも。

なんで、重ねて言いますが、コロナ騒動をきっかけにして、そういう方向に人の意識が変わって来たのだとしたら、それは凄く良いことだと私は思います。

実は、私の隣で仕事している50代のおじさんも…

俺はもう60歳で辞めるって決めてるよ。
定年引き上げるって話あるみたいだけど、関係ない。
「60歳以降は働かない」って自分で決めてるんや。
定年になろうがなるまいが、俺は60歳まで。

なんて言っています。

一方、70歳近くなっても

「体が動くうちは働きたい」

と言って嘱託で働く人もザラにいるし、本人が楽しいと思ってやってるのなら、それも良いと思うんですよ。

この春に中途退職していったおじさん・おばさん方や、こういう周囲の人達を見ていると、

これからは定年に関係なく引退を自分の意思で決断する時代

ってのを強く感じました。

プロスポーツ選手みたいですね。

今日は以上です。