投資は本当に余裕資金でしないといけないのか?

お疲れ様です。窓際投資家です。

先日の世界同時株安による暴落で、「それ見たことか!」と言わんばかりに、

「投資は余裕資金でするべき」

「使う予定あるお金はまで投資に回すからこうなる」

「なくなったら困るお金は投資に回すな」

なんてことを言っている著名人・有名人が結構な数いる状況です。

相場が特に荒れているわけでない時でさえ、手元のお金が不足して株や投資信託を売る必要に迫られた人や、絶対に失ってはいけないお金まで投資に回している人に対して、

「あいつは馬鹿だ」

「手元資金持ってないからそんなことになる」

みたいな言葉浴びせる人も少なくありません。

これ、私も結構言われたことあります。

でも、これは本当にそうなんでしょうか?

別にこういう言説が間違いだとは思わないんですけど、どうも違和感があるんですよね…。

確率論で言えば大アリな「オルカンは財布代わり」

因みにですが、私は全世界株式型のインデックス投信(オルカン)を財布代わりに使っています。

基本的には、直近1~2か月の生活費のみ手元に残し、あとは、半年以内に使う予定あるお金も含め、多少の無理は承知で全て一旦投資に回してます。

手元にまとまったキャッシュを持つ場合もないわけではないけど、それが日本円ではなく外貨であることも多いし、多くても全ポートフォリオの3~4%以内でしょうか。

直近で使う予定はなくても数か月後以降に使う可能性があるお金、

どの投資商品に突っ込むか決めていないお金、

こういう資金は全て一旦特定口座のオルカンに回します。

ただし、同じオルカンでも、NISAやiDecoを利用して買う分は完全な余裕資金です。

これらの制度はガチホ前提で設計されているし、iDecoに至っては一旦預けたら年金受給開始まで引き出せないのでね。

で、一旦そういう形にしておいて、

もし所要があって手元資金が足りなくなれば、都度特定口座のオルカンを解約して対応。

ロックオンしてた個別株に買いチャンスが来たり、「これは」と思った実物資産を見つけたりしたら、これもオルカンを解約して資金を捻出。

…という感じです。

これ、世間一般で言われるセオリーからは外れるんですけどが、私は敢えてそうしてます。

無理を承知で手元資金を殆ど持ってません。

というのも…

FIRE民には耳タコ情報だと思いますが、

世界の株式時価総額って、過去200年のデータだと、平均で年率4~5%(インフレ率抜き)で伸びてるんですよね。

株式って、投資家から集めた資金使って企業が経済活動してるんで、リスクは高いものの、長期かつ全世界でならせば高いリターンが見込めるんです。

で、過去がそうだったから未来も同じとは限らないものの、

資本主義経済に根本的かつ世界的な大きな変化がない限りは、今後もこの傾向が続く可能性が高いわけです。

その前提に立つのであれば…例えば半年先にお金が必要になると分かっていたとしても、その半年の間だけでもオルカンに突っ込んでおけば、期待値の上ではインフレ率抜きで2%ぐらいはお金が増える訳ですよ。

もちろん、株式市場は気まぐれなところありますから、こんなことやってたら、運悪く暴落食らって損した状態で売らざるを得なくなるケースもある程度出てこようかと思います。

ただ、同じ行動を何度も繰り返して結果をならしていくと、最終的には2%程度は得することになります。

買いチャンスを伺って予備戦力を待機させておくにしても、買いのチャンスっていつ来るか分からないです。

それを待ってる間、半年、1年、或いはそれ以上、現金のまま寝かせておくと、その間その現金をオルカンに突っ込んでいれば得られたハズのリターンを逃してしまうことにもなります。

だったら…

手元資金を持たずに、オルカンを始めとした株式インデックス投信を財布代わりに使う作戦も、

確率論で言えば大アリ

…いや、むしろそうすべき

ということになります。

投資はやらないと損。例え短期間であっても。

ただし、待機資金の置き場にできる金融商品の条件として、

待機資金の置き場にできる金融商品
  1. 手数料や中間マージンがタダ同然である
  2. 比較的価格変動が小さくリスクが大きすぎない
  3. 流動性が高くていつでも売り買いできる

…というのはあるんかなと思います。

短期間で売買を繰り返すと手数料や中間マージンの分損するし、価格変動大きい投資対象だと資金が必要になるタイミングによっては取り返しのつかない大損になると思いますので…。

例えば、待機資金を価格変動の大きいミーム株や、中間マージンがバカでかいアンティークコインに突っ込むようなことは私にもできません。

オルカンのようなノーロードの株式インデックス投信だからこそ、ある意味例外的に、財布代わりにできると言ってもいいのかもしれません。

なくなったら困るお金だからこそ、色んなものに投資すべき

先日の暴落以降、こういうこと言う人も非常に多い。

絶対に失ってはいけないお金を投資に回すヤツは馬鹿だよな…

じゃあ、日本円や銀行預金は安全なの?

答えを言ってしまうと、それは「ノー」。

そもそも論として、絶対的に安全なものなんてどこ探してもありません。

為替レート見たら分かるように、日本円とよその国の通貨との交換比率は刻一刻と変わってます。

あんなの、国家の信用のお陰で欲しがる人が一定数いて価値を持つだけで、実態としては人の顔が書かれた紙切れです。

金だって、欲しがる人がいるから価値を持つだけで、欲しがる人がいなくなれば、ただの黄色い金属に成り下がります。

株式だって会社が潰れれば紙くずと化すし、

不動産だって欲しがる人がいなければただのスペースだったり、コンクリートの塊だったりする訳です。

これが現実。

これ、算数分からない未就学児にでも十分教えられる、経済リテラシーの基本。

(先入観持たない小さい子にこういうことを最初に教えると効果絶大だと思います。)

長期的に本当の資産価値の安定を目指すのであれば、色んなものに投資してリスク分散を図るべきなんですよね。

「なくなったら困るお金は投資に回すな」

は、短期的に見れば正解な部分もあるけど、長期的に見れば明らかに間違い。

「なくなったら困るお金だからこそ、色んなものに投資してリスク分散を図るべき」

が、長期的に見た場合は正解。

例えば、

10年後に子供が大学に行くための学費が必要

みたいな場合だと、現金で置いておくのはハッキリ言って悪手なんですよ。

例えば、インフレ起きれば大学の学費だって上がるわけですが、現金で持っていたら1000万円は1000万円のままですよ?

万一、何かの理由でハイパーインフレでも起きれば、完全にパーになります。

日本人は、

リスクを取らないリスクってのをもっと真剣に考えるべき

だと私は思います。

常識は疑ってなんぼ

とは言え、自分としては

「こうするのが正解」

なんて言うつもりはないです。

いつも言ってるように、メンタルのリスク許容度を超えて投資するとロクなことありません。

メンタルのリスク許容度が小さい人に対して、自分のように「投資に全振り」しろなんて言うのは違うと思うんで。

例え理屈が分かっていようとも、期待値の大小のみに従って機械的かつドライにもの考えられる人なんて少数派だろうし、それは人間が人間である以上仕方がない話だとも思います。

ただし、事実、現実として、

使う予定のあるお金であろうが

絶対に失ってはいけないお金であろうが、

投資に回してしまうのが理論上は正解。

ということです。

世間の常識なんて疑ってなんぼ。潰してなんぼのもんや!

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