米国株を過信しすぎの日本人投資家

こんにちは、そしてこんばんは。窓際投資家です。

口を開けば、

米国株、米国株…

と呪文のように唱える人が、ここ数年で一気に増えた印象です。

私が投資始めた頃は、海外株式買う人なんて珍しかったのに、世の中変わったもんですよ。

私も米国株は評価額にしてざっくり4千万円分ぐらい保有してるし、別に米国株買うのが悪いなんて思いません。

とは言え、最近少なからず見かける意見として、

「米国株は長期で見たパフォーマンスは1番」

「米国株のインデックス投信だけ買って、とにかくガチホしてれば良い」

なんてのを度々見かけますが、この考えには全く賛同しかねますね。

この発想は

米国株への過信

思考停止

そのもので

現状維持バイアス満載の思考

だと思います。

米国株の強みを考えてみた

確かに、過去のデータを見れば、米国株が強いのは分かります。

2021年までの過去100年だと、

米国株(S&P500)は平均年率6.2%で伸びていて、株価は約400倍になっています。

世界の時価総額の超長期の平均伸び率は年率4~5%と言われる中では、大健闘ですよね。

強さの要因としては色々あるんでしょうけど、個人的には米国株や米国経済を支えてるのは、米国人の国民性なのかなと思ってます。

多様性を認め、フロンティア精神を持つ国民性です。

良くも悪くも、あの国の人って

自分は自分、他人は他人。

なんですよ。

移民に抵抗感はないし、違うバックボーンやものの考え持った人にも寛容でドライです。

そして、良いか悪いかは別として

行政のセーフティーネットなんかあったら、みんな怠けるだけ

…とあの国の人は考えるし、

お育ちや社会階級の違う人を同じ人間と思ってないようなところもある訳です。

故に、

自分の人生は自分で切り開くもの

なんて考え方の人が多いのもあって、民主主義国家でありながら、比較的簡単に足手まといの国民を損切りしちゃうんですよね。

時代に合わない企業もさっさと退場させられます。

道徳的な話は別として、これって社会の新陳代謝を促すし、経済には間違いなくプラスです。

ついでに言えば、良いか悪いかは別として、日本人はある意味これとは真逆の国民性で、日本はこれと真逆のことやってるんで、ジリ貧になるんだと私は思ってます。

シビアな現実です。

そしてまた、こういう米国人の国民性故に、世界でも稀に見る累進の小さい金持ち優遇税制が生まれるんでしょうね。

これもまた大きいです。

発展させた経済で稼いだカネと、この金持ち優遇税制で、世界中から優秀な人材を掻っ攫ってくることができます。

また、最近世界でトレンドになりつつある保有する金融資産への課税もないし、相続税の控除枠も1140万ドル。

日本円で言えば約15億円。日本はたった3000万円!

これってもう、ほんの一握りの大金持ち以外気にする必要ない税金ですよね。

だから、お金持ちはタワマン使ったり、私みたいに実物資産使ったりして、財産評価額を圧縮したり、マイナンバーで紐づけできないようにステルス化図ったりする必要がない訳です。

こうなると、金持ちは資産を金融資産の形で堂々と保有することになるし、それによって、企業は株式や社債や銀行から潤沢に資金調達することができるようになり、富裕層が持つお金がしっかり社会のために活かされるんですよね。

私みたく、金庫に宝石やアンティークコインを保管してステルス化しちゃうと、折角の財産が社会のために活かされない。

社会としては、ある意味最悪。

でも欧州とかではこれがトレンドだったりします。

こうやって、覇権国家という立場を維持して、ジャイアンのように、他国にあらゆる理不尽を押し付けることができると…。

…これが米国株や米国経済の強みなんでしょう。

そして、その強さの源泉たる国民性…

…中野信子さんや橘玲さんに言わせれば、遺伝子レベルの違いだったりもするようなんで、こんなのそうそう変わらないでしょう。

そういう意味では、米国経済や米国株の将来は当面明るいと思うし、日本株も当面クソ株のままだとは思います。

米国株一本鎗野郎の問題点

それじゃ、株式に投資するときは

米国株インデックス一本槍ガチホ

で良いのか?

というと、その考えは…改めて言いますが

間違いじゃないけと危険

だと感じます。

一番言いたいのは、

米国株一本槍でやるならやるで、それはそれで構わない。

だけど、リスクは認識しておくべきだ。

何だかんだ言って、未来の事なんて誰にも分からないぞ!

ということです。

理論上、米国株だけの期待値が高いわけではない

そもそも、上述したような背景や過去の強いパフォーマンスが市場から評価されているからこそ、米国株は元々PERがやや高めのバリュエーションで評価されてる訳です。

そういう元々あった期待をポシティブな形で裏切り続けないと、株価って上がって行きません。

欧州のオールドエコノミー系の株なんかは、逆の理屈で低PERで放置されてたりしますが、こちらはこちらで既に市場からオワコン扱いされてるからこそ、元々バリュエーション低い訳で…少々決算で悪い数字出そうと、市場は反応しませんよ。

そういう意味では、未来の期待値なんて、ある意味でどこの株買っても一緒なんですよね。

理屈の上では、米国株の期待値だけが高い訳ではありません。

基本的には儲けようと思うなら、市場の判断が間違っていて歪みが生じてるエリアを突くしかありません。

米国株、米国株…

なんて馬鹿の一つ覚えみたいに唱えながら思考停止している人に、そんなことできるんですかねぇ??

「今まで良かった」は全く理由にならない

他人のブログ見ていて

「またそれかよ」

「それもうエエわ」

と心底思うのが…

過去のデータをほじくり返して、

「いついつから

○×のインデックスに

月々▲万円積み立てていたら

今では△千万円になっている」

などと、机上の空論繰り広げ

最後に…

「米国株スゲー」

「ガチホしてれば億れる」

ってヤツ。

全く意味のない記事だし、実際に自分が積み立ててた訳でもないという…。

最近静かになったけど、レバナス民が盛んにこれやってましたね。

私は今でも、あいつらただの馬鹿だと思ってますが。

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こういう理屈の何が問題って…

過去の話は過去の話でしかなくて、

過去のパフォーマンスが未来のパフォーマンスを保証するもんでもない

って話なんですよ。

至極当たり前で誰でも腑に落ちると思うんですが。

やや意地悪な見方すると、

パフォーマンス良かった反動で低迷する

って、投資の世界ではあるあるですしね。

信者の人たちはそういう分かりやすいリスクすら考えないんだろうか。

そりゃね、上で書いたように、私だって米国株は好きだし、今後10年や20年のスパンであれば、この状況続くんじゃないかとは私も思ってます。

だけど、その判断は、

米国株がなぜ今まで強かったのか?

その背景は今後も変わらないのか?

という考えの掘り下げをやってからされるべきであり、

「過去良かったから、今後も」

なんて発想、現状維持バイアス満載。思考停止も甚だしい。

こんな思考で投資やってたら、いつか火傷するだろうし、そんな奴はさっさと投資やめた方が良いとすら感じます。

この世は諸行無常と盛者必衰

そうは言っても、個人的には、何だかんだ言って当面は期待できると思っている米国株。

そんな私の判断が間違っている可能性だって当然ありますよ?

それでも、もっと長い時間軸で見た場合は、話が違ってくるじゃないかと思います。

早い話が

諸行無常…人間の行いに永遠なるものなんてない。

盛者必衰…栄華を極めた国も、必ずいつか衰退する。

ってことです。

まぁ…時間軸が長すぎてぶっ飛んでいる気も少しします。

けど、20~30代の比較的若い人や、財産を子供や孫に相続すること考えてる人は、こういう視点も少し持っておいた方が良いと思います。

私には、

40代でFIREすること

と並ぶもう一つの目標が…

それは

自分の子供を金持ちにすること

当然、私の財産も、ゆくゆくは子供に相続ないしは贈与されることが前提になってくるし、既に子供への暦年贈与も開始してる感じなんで、この辺結構気にしてるんです。

ちょっと時間軸が長すぎるんで、正直考えても無駄じゃないかと思ってたりもしますが…

それでも、一つ言えるのは、

30年とか40年とか経ったら、米国が超大国じゃなくなってる可能性とかは普通にある

ということですかね。

今絶賛炎上中の、某国際政治学者の奇麗なおばさんお姉様…いるじゃないですか。アラフォーの。

あの人、なんかの会議だったかで、こんな事言ってるんですよ。

西側諸国中心の国際秩序が、これからもずっと続くと考えている人が多いことに驚きました。

今めっちゃ叩かれてますけど、この発言には激しく同意です。

米国株信者の言動見ていると、マジでこれ思います。

少なくとも、この辺のリスクを考慮すると、米国株一本鎗よりは、世界的に投資対象を分散させておいた方がベターでしょうね。

インデックス投信なら、米国株式型よりも、世界株式型の方に分があると思います。

目先のパフォーマンスは多少劣るんでしょうけどね…。

「過去と同じ未来は来ないし、未来予測なんてできない」

と散々言ってきましたが、

そうは言っても歴史から学べることがあるのも確か。

何千年経とうが変わらない人間のサガを前提とした、一定の傾向は読み取れるんですよね。

テクノロジーの進化や何らかのイノベーションで、国際社会の枠組みってガラッと変わることが割とあって、そういうのの積み重ねで今があるんですよね。

古代文明のころから例外なく、どんな超大国もこの手のものがきっかけで、どこかで必ず落ち目になっています。

米国が落ち目になる時も必ず来るハズで、それがいつ来るのか分からないですが、いつかは必ず来るでしょうし、それが私の予想に反して割とすぐかもしれません。

もっと踏み込んだ話をしてしまうと…

今後、もしかしたら、

IT技術が発達して

大量の個人情報を一元で管理・利用できる

AIが政治家に取って代わる

…そんな世の中では、資本主義よりも、かつて失敗した社会主義的な計画経済の方が上手くいく可能性だって十分あるような。

そうなったら、資本主義や金融システムや株式って概念自体がオワコンになる可能性だってある?

よくよく考えれば、「金融」だの「株式」だのの歴史なんて、精々数百年。

案外根っこが浅いんですよ。

そう考えると…実物資産投資ってどうなんだろう?

私がやってるカラーストーンやアンティークコインってどうだろう?

と思ってしまいます。

というのも、時代や国を問わず…

宝石は古代文明のころからずーっと、権力者やお金持ちに愛されていて、権力の象徴であり、マウントのネタ。

王侯貴族や資産家が趣味で古銭収集する文化だって、紀元前からあります(貨幣経済が存在しなかった国は除く)。

結局、

「珍しいものや美しいものを手に入れたい」

という欲求は、人間のかなり根源的かつ本能的な欲求なんでしょう。

その部分に依拠している分、超長期で見た場合、案外株式よりもこういうお宝系実物資産への投資に分があるのかも知れないなぁと思ったり。

財を築いてある程度の年齢になったら、自分の生きた証として何千万円かするお宝を買う。

自分が死んだ後は、それを家宝として代々受け継いでいく。

…そういうスタイルの、世代を超えた超長期投資もかなりイケてるんじゃないかと私は思います。

まぁ…実物資産にも色々あって、

トレーディングカードやフィギア等、歴史が浅い物や流行り廃りが激しい物は避けた方が良い気がしますけどね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。今日は以上です。