庶民にババを引かせて金持ちは逃げる

お疲れ様です。

窓際投資家です。

富裕層が株式を売って実物資産にシフト中?

前にもちらっと触れましたが、少し前、投資用のカラーストーンを卸業者に直接買いに行きました。

そのとき、対応してくれた店の人から聞いた話がこれ。

霞が関の官僚とか、大企業の役員の奥さんとかが最近よく買いに来ますね。
投資用とか資産防衛用です。
戦争とか財産没収とか、そういう有事の際の備えにもなりますからね。
「下手な不動産持つより確実」って言う人も割といます。
お金の出どころ聞いてみたら、「株を売った」って言う人が多い。

…まぁ、彼らも商売ですから、営業トークってところもあるでしょう。

言葉通りに受け取ってはいけない面はあると思います。

でも、この世界で20年近くやってる私からしたら、「さもありなん」って感じの話でもあります。

みんながやりだすと旨味がなくなる

まだまだだとは思うものの、この10年ぐらいで株式投資の有用性に関する世間の認知度はかなり上がり、若い人を中心にやる人はかなり増えました。

去年からNISAが拡充されたこともあり、私の周囲だけでも何人か投資を始めたって人がいます。

投資はやるべきだと思うし、そのためのスキルや知識も生きてくために必要だと思ってます。

これは決して悪い傾向ではない。

ただその一方で、少しモヤモヤした気持ちも抱えてるんですよね…

有用性をみんなが知ることとなり、実践する人が増えた時点で、その世界に旨味はなくなる

ってのは絶対にあるんで。

株式投資に関して言うなら、政治家がしょっちゅう金融所得課税強化の話をちらつかせてきますが、私に言わせれば、これもやる人が増えた弊害だと思うんですよ。

社会の隅っこで変わり者がニッチなエリアでチビチビ美味しい思いしていたとしても、大体においてスルーされるんです。

美味しい思いしてる人数が少なすぎて、そこに課税強化したところで殆ど税収増えません。

認知度が低ければ「ズルい」「不公平だ」みたいに言う国民もいませんので、美味しい思いしてる人を締め上げたところで選挙の票にもなりません。

だけど、みんなが旨味を理解してやりだしたら、どうなるのか?という話です。

やってる人の数が多ければ、そこに課税強化すれば税収が見込めます。←これが目先だけって話もあるけど、官僚や政治家の多くはそんなこと考えられるほど賢くない。

認知度が上がれば「ズルい」「不公平だ」みたいにハレーション起こす国民も何割か出てきます。

政治家にしてみたら、ここで美味しい思いしてる人を公開処刑したら、選挙で票が取れます。

要は、スポットライトが当たるとロクなことないんですよ。

その意味で、SNSやブログで「FIRE達成」とか盛んに言ってる奴ってかなり鬱陶しい存在。余計なこと言わずに黙ってろよと。

私も他人のこと言えない面はあるにせよ、記事の内容によっては検索エンジンに引っかからない設定にしてるぞ?

…というのがあるんで、最近の世相を見ていると

いやぁ~な雰囲気になってきたぞ…

って思っちゃうところは少なからずあるんですよね。株式投資、好きなんだけどなぁ…

庶民にババを引かせて金持ちは逃げる

これ、あるあるなんだよな。

陰謀論チックな言い方をするとこんな感じか。

金持ちや上級国民は、NISAで庶民に株式投資をやらせて、自分が持ってる株式を高値で庶民に売りつけて逃げようとしている。

実際そうなるのかどうかは知らないけど、これ、投資の世界あるあるなんでね。

為政者がこういう効果を狙って庶民向けの優遇制度を作るケースはあまり多くないと思うんだけど、投資の世界の構造上、結果的にこういう話になってしまいがちなんですよね。

この状況だと、マトモな投資家は

「NISAがあるから金融所得課税強化したところで庶民には影響ないだろ」

「NISA枠を超えて投資やってる奴なんて金持ちだけなんだから、税金取ったら良い」

みたいな世論が広まって課税強化に舵が切られるリスクを頭にいれつつ投資やるべきだと思うし、少なくとも私はそうしてます。

で、そういうことを考えつつ日々過ごしていた中で、宝石屋で冒頭の話を聞いたわけ。

だから、営業トークだとは思いつつも、妙に心の中に染み入るような話だったんですよ。

多分、言い方で色付けてるんだとは思うけど、嘘は言ってないと思うしね。

ひょっとしたら、こういうシナリオになるのかもしれないな…

一部の嗅覚の優れた人が株式投資で財産を築く(2010年代)

⇒株式投資の有用性が世間に知れ渡り始め、株式投資に参入する人が増える(2015年以降)

⇒成功する人が一定数出てくると、それに対するハレーションも出てくる(2020年以降)

⇒政府は金融所得課税の強化や保有する金融資産への課税をちらつかせ始め、既存の金持ちは危機感を持ち始める(2022年以降)

⇒政府は庶民の資産形成のためにNISAを拡充。株式投資する人がさらに増える。(2024年以降)

⇒既存の金持ちは課税強化のリスクを踏まえ、株高を機に利益確定に動き、金融資産を実物資産に換えていく(←今ここ)

⇒NISA拡充により財産を築く人がまた一定数出てくる。

⇒国民の経済格差が問題視され、金融所得課税の強化や保有する金融資産への課税が決まる。

⇒課税強化と株価暴落で元庶民の新興富裕層は死ぬが、既存の金持ちや嗅覚の優れた人は実物資産にシフト済み。

…まぁ、めっちゃ陰謀論っぽいよな。自分で言うのもアレやけど。

でもこれ、割とあり得る話だと思うんですよね。

これまでも、似たような話が何度も繰り返されてきましたし…。

今後のことは分からないですけど、「こういうリスクもあるんだ」というのも頭に入れつつ、これからもやっていきたいです。