試作貨投資大好き~Only Oneの魅力~

2023年2月27日

こんにちは、そしてこんばんは。窓際投資家です。

今日は久々にアンティークコインの話にしようかなと。

私には好きなコインのジャンルがいくつかあります。

まず、ヨーロッパや北アフリカの古代コイン。

「紀元前にこれだけのものを作ったのか!?」

という驚きや感動があります。

そして、色んな動物、神様、空想上の動物、地域の特産物などが描かれていて、デザインがとても個性的。

実際に保有してますが、投資価値云々抜きにしても眺めていて飽きません。

「もし、お金が湯水のようにあったら、資産価値とか考えずに買い集めてみたい」

って気持ちもないわけではないですが、そんな金持ちになることは今生ではなさそうです。

そして、今回紹介する試作貨。

通貨を量産する前に、どのデザインを採用するのか決めるサンプルにしたり、出来栄えの最終確認を行ったりするために、造幣局内で極少数試験的に作られた硬貨のことです。

イギリスだと「pattern」、フランスだと「essai」なんて言うらしいです。

投資価値抜きにしても、お馴染みの銘柄の没になったデザイン見たりすると、作った人の試行錯誤の跡が見えて楽しいなぁって思います。

あと、デザインが尖り過ぎてて没になったと思われるものも結構あって、こういうの見てると個性的で面白いなと。

私は結構な値段のものを一つだけ保有しているのですが、投資対象としても、資産防衛アイテムとしても、非常に面白いなと思っていて、

「これは」

と思うものがあれば、もう一つ買っても良いかなと思っています。

今日はそんな試作貨投資の魅力を語っていきたい。

量産品にはない高い希少性

まず、試作貨の最大の特長として、

発行枚数や残存枚数が極端に少ない

というのがあります。量産品じゃないんだし、当たり前と言えば当たり前。

試作品ですから、基本的には、数枚から20~30枚しか作ってないことが多いし、1枚だけなんてこともあります。

因みに、私の保有アイテムなんかは、元々どれぐらい作られたのかは記録残ってないんですが、コイン商に言わせれば

「残存数は多くて十数枚」

だそうです。

値上がりしやすい

で、モノの値段は需要と供給のバランスで決まりますから、存在数(≒供給)が極端に少ないとなれば、コレクターや投資家が何かの理由でロックオンしだすとすぐに値上がりします。

何より、理屈抜きで「珍しい」というワードそのものがコレクター魂をくすぐりますよね。

また、極端に希少性が高いとなれば、市場での取引成立数もまた極端に少なく、

値段なんてあってないようなもの

となることがままあります。

自分の保有アイテムがこうなれば、ある意味しめたもの。

例えば、売却を検討する場合には、

自分の納得した価格が市場価格になる

という状態です。

コインオークションに出すにしても、コイン商に買い取ってもらうにしても、取引の主導権はこっちのものというケースも

相続税や贈与税の節税に

あと…良く考えてください。

「値段なんてあってないようなもの」

って言葉…、私が財産課税から財産を守るために重要視する「資産価値のステルス性」そのものだと思いませんか?

取引数が極端に少ないことは、資産価値を判定する客観的な物差しがないことを意味します。

オークションハウス等公開の場での取引実績が全く確認できないケースさえあります。

こうなると、専門知識持った専門家でさえ、査定には頭を悩ませるものです。

実際、先日もよく行くコイン屋で試作貨が500万円ぐらいで売られていましたが…

これ、値段なんてあってないようなもので…
800万円でも「欲しい」って言う人もいるだろうし、
「300万円なら買っても良い」って言う人もいるだろうし…。

なんて具合でした。

こんな具合なんで、査定に出せばぜーったいに、査定額は大きくバラツキます。

相続税や贈与税といった税務上の財産評価額の圧縮にも利用価値が高いと思います。

※露骨じゃない範囲で安い査定を利用できるため。

…だから私は試作貨大好きなんです。

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将来のお国による財産没収対策に?

そして、マイナンバーの件もあるし、今後は…

  • マイナンバーで紐づけるのがそもそも困難
  • 紐づけられたとしても、正面から税務上の財産評価額を圧縮できる

という性質の実物財産を、

ポートフォリオの一部に混ぜておくことが重要じゃないかなぁ…

と私は思ってる訳ですが、極端に希少性が高い試作貨はその最強版だと考えます。

何せ、

「値段なんてあってないようなもの」

で、財産価値のステルス性が高い。

その上、小さいので保管するのに大きな金庫も必要なく、自宅保管も可能。

最悪の場合、持って逃げることもできます。

そりゃね、1946年の金融緊急措置令みたいな事態に今後なる確率ってそう高くないとは私も思うし、過度に不安を煽るのも違うと思ってます。

でも、

「そういうこともあり得る」

って思っておくことは必要だと思うんですよ。

で、万一そうなった時、平時ですら査定に困るようなシロモノを、こんな緊急時に一々査定して課税できるとは思えません。

こんな事態にならないんだとしても、例えば欧州なんかだと、金融資産やローンの状況、不動産や車両の保有情報までマイナンバー的なものに紐づけられて、一定以上の保有財産に対して毎年コンマ何%かの税金払うような制度が既にあったりします。

ノルウェーはやり過ぎて富裕層が国外に逃亡したけどな

少なくとも、日本においても、財務省のお偉いさん方や政治家は似たようなことしたいとは思ってるらしいです。

前回の自民党の総裁選に出てた候補が、全員異口同音に似たようなこと言ってましたよね?

財産が一定以上ある人には医療費の負担増を求めるとか、年金を減額するとか。

実際、もう国民負担率が5割に達してて、給料等のフローからはこれ以上税金取れない…って現実もあるし。

現実問題として、日本でこういうことがシステム的・技術的に可能になって、法律を国会通して実際に課税…となるのはかなり先だとは思いますが、小金持ってる人は今のうちから少しずつ財産の一部をステルス化していったら良いんじゃないかな?

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「お蔵入り」だからこその状態の良さ

もう一つの大きな特長としては、

状態が良い

ということが挙げられます。

当たり前ですが、流通用で作ったものではなく、試験的に作ったものなので、娑婆に出回ることはありません。

ほとんどの場合、造幣局の倉庫か金庫に長らく眠ったままになっていたシロモノです。

それが何かの都合で民間に放出されて、コレクターズアイテムとして出回っている訳ですが、こういうのの民間放出品にワザワザ手を出すのって、ほぼほぼ、ガチコレクターかプロのディーラーです。

故に、民間放出後も、コレクションや投資用のアイテムとして厳重に管理されて保管されているケースがほとんど。

なんで、試作貨の殆どは未使用状態のコンディションで残っています。

状態の良さが投資用財産としてのパフォーマンスに繋がるのは言うまでもありません。

最後に注意点

勘違いされると嫌だし、煽り系記事だと思われるのも心外なんで、最後に注意点も書いておきます。

まず、私は度々、投資対象の実物資産を選ぶにあたって

希少性が高ければ良いってものじゃない!

とも言ってきました。

現実問題として、コレクターズアイテム業界をずーっと眺めていると、激レアアイテムが万年安値放置されている光景はザラに見かけるものです。

当ブログでパライバトルマリンを扱った時にも解説しましたが、これにはちゃんと理由があります。

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尺が長くなるのでかいつまんで言うと…

まず、希少性がいくら高くても、何らかの理由で人気があって需要がなければ資産価値は付きません。

物の価値や値段は需要と供給のバランスで決まりますから。

これ、経済の大原則です。

希少性高ければ需要側に求められるハードルは下が

って話は当然あるんですが、

余りにも希少性が高いと、知名度やブランド力を獲得しづらく、結果として買いが入りづらい

という問題もあって、ただ「希少性が高い」というだけでは中々厳しい現実があります。

あと、常にある程度の数が市場に供給されて最低限の流動性は確保されていないと、資産価値の値上がり云々以前に、そもそも市場が形成されないという問題があります。

アンティークコイン業界では、存在枚数が1枚だけのコインは「ユニーク」と言って箔が付きます。

でも、このユニークなんかになると、もう市場なんて存在しません。

だからこそ、上で言ったように、自分が主導権を握って値段を吊り上げることもできる訳ですが、やはり、取引の相手方にも撤退する権利はある訳で、現実的には法外な値段だと感じれば撤退するでしょう。

なんで、

「試作貨であれば何でも良い」

と考えるのは間違いです。

正解か否か分かりませんが、ロックオンしても良いかな?と思う試作貨は、個人的には以下2つのどちらかだと思ってます。

  • その試作貨の量産型が投資対象として人気がある。或いは今後そうなる見込みがある。
  • 長きに渡って大量に発行されたお馴染みのコインの試作貨で、安値放置気味のもの

要は…

「おお、アレの試作品なんやな!すげーやん!」

と思われるような状況を狙っていくと。

いくら大珍品でも、

「何それ?聞いたことない。」

ではアカンのです。それじゃ買いが入らずに万年安値放置されるのがオチなんで。

ただ、もう一度言いますが、これが正解か否かは分かりません。

投資は自分の頭で考えて、自己責任で行いましょう。