これって大人になった男の子の夢!
お疲れ様です。窓際投資家です。
今日は、以前から気になっていた、少し変わった投資について書いていきたい。
恐竜化石の高額落札が相次ぐ
希少なケラトサウルスの化石、45億円で落札
現存するわずか4体のうちの1体であるケラトサウルスの化石が競売にかけられ、3050万ドル(約45億円)で落札された。
オークション会社のサザビーズは16日に発表した声明で、この希少な恐竜の化石は「これまで見つかった同種の化石の中で、最も状態が良好かつ完全なものの一つ」だと述べている。
当該の標本は、4体中で唯一の幼体の化石。サザビーズ・ニューヨークでの予想落札価格は400万~600万ドルだったが、6人の入札者による6分間の激戦の末、予想の数倍の価格で落札された。
ケラトサウルスは肉食の恐竜で、鼻の上の小さな角、長い歯、そして背中から尾に至る骨質の装甲といった特徴を備える。
サザビーズによると、体高1.9メートル、全長約3.25メートルのこの幼体の化石は139個の骨で構成されており、そのうち57個は「ほぼ完全な状態の見事な頭蓋骨(ずがいこつ)」を構成している。
サザビーズによれば、この化石は2000年から24年までユタ州サンクスギビングポイントの古代生命博物館に展示されていたが、科学誌で正式に研究または報告されたことはないという。
「ケラトサウルスの落札者は、化石をいずれかの施設に貸し出す予定だ。これほどの希少性と重要性を有する標本にはそれがふさわしい」と、サザビーズは述べている。
ここ何年か気になっていて、何か面白そうだなって。恐竜が。
ここのところの目立った恐竜の落札実績を並べてみます。
ティラノサウルス 33億円(3180万USD) 2020年
トリケラトプス 8.7億円(660万EUR) 2021年
ステゴサウルス 70億円(4460万USD) 2024年
ケラトサウルス 45億円(3050万USD) 2025年(引用記事のやつ)
いやいや…途方もない金額です。
落札金額そのものよりも驚くのは、いずれのケースも事前の落札予想価格を大幅に上回って落札されていること。
こういうの、博物館や研究機関が落札するケースももちろんありますが、ここには超富裕層の投資資金も流れ込んでいます。
現にここで挙げた事例4件の落札者は、ステゴサウルスがヘッジファンド、残りの3件は個人だそうです。
20〜30年前ぐらいだと、ティラノサウルスの全身骨格が10億円ちょいとか言われてましたから、同一個体でないので単純比較はできないですけど、投資対象としてはそこそこ良いパフォーマンスですよね。
恐竜投資の魅力
地球史上の人気キャラクター
恐竜って、その圧倒的な存在感と強烈な個性で、「地球の歴史」という物語の中の人気キャラクターになってて、めちゃくちゃファンがいます。
ファンが多ければ、「化石を手にしたい」という人も当然多くなるし、需要がそれだけあるってことは値上がりもしやすい。
投資や事業で成功して大金持ちになった人の中には、
「子供のころに図鑑で見ていた遠い昔の英雄を手にしたい」
って気持ち持つ人も少なくないはず。まぁ、大人になった男の子の夢ですよね。
私も趣味で化石採集してたような人間なんで、好きな人にとっては、こういうのってお金の損得を超えた価値があるのよく分かります。
まずはこういう恐竜ファンの存在が恐竜投資の魅力ですね。
人を呼べ、経済が回る
人気あるがゆえに、公共の場に提供すれば人を呼べて経済が回ります。
例えば、件のケラトサウルスの落札者は、「いずれかの施設に貸し出す予定だ」ということです。
賢い判断だと思うし、過去にもそういう事例多いようです。
まず、恐竜の化石なんて、でかい。重い。
自宅や倉庫に保管するにしても、かなり場所を取るし、大型のものなら床の補強が必要になるケースも。
一般人には専門知識もない。適切に管理しないと劣化や破損の恐れもあります。
だったら、所有者としては、博物館に貸し出して専用の設備とプロに管理を委ねた方が安心だし手間もかからない。
タダで貸し出しても十分メリットあります。
それに加え、
博物館 ⇒ 客が呼べてカネになる
研究者 ⇒ 化石を研究に使える
という、小さくないメリットがありますから、
希少性の高い高額アイテムであれば、博物館側からいくばくかの賃料貰えるケースだってあります。
(ただし、中途半端なものだと保険料や移送費程度しか負担してもらえない。)
通常、実物資産は何かを生み出すわけではないので、投資のトータルリターンを比べたら理論上は株式には勝てません。
株式の場合、投資家から集めたお金で人間が生産活動を行って企業価値を高めたり配当払ったりする仕組みがありますが、実物資産にはそれがないからです。
でも、恐竜は例外!
「人を呼べてカネになる」
という性質があるんで、上手く活用したらちゃんとキャッシュフローを生み出します。
やり様によっては、株式を超えるトータルリターンも期待できそうです。
…という事情を踏まえると、恐竜って良い投資対象だと思うんですよ。
途方もない落札価格は、純粋な古生物の化石としての値段ではなく、そこら辺の事情も込みでついた値段だと思われます。
仮に恐竜投資をやるとしたら、こうやる!
恐竜投資、やってみたい気持ちはあるけど、私にはそんな資金力ないです。
だけど、
仮にやるとしたら、どうするのか?
考えてみるのも面白いですね。
ティラノサウルスは鉄板の投資対象
仮にイーロン・マスク級の金持ちなら、ティラノサウルスの全身骨格を狙います。
恐竜の中でも知名度や人気が圧倒的じゃないですか。SF映画やアニメにも登場しまくる存在です。
あと、あまり知られてないですが、化石の希少性が高い。
今までに見つかったのは30体程度で、状態の良い全身骨格ともなれば、片手ほどしか見つかってません。
希少性が高い上に圧倒的な知名度と人気を誇るわけですから、これを買わない手はないでしょう。
研究対象としての価値が高い上に、コレクターや投資家にとっても憧れの存在で、人を呼んで経済を回す力も圧倒的。
昨今は、ステゴサウルスの「Apex」が4460万USDで落札されるような状況になってますから、
今後状態の良いティラノサウルスがオークションに出てきたら、最低ラインが6000万USDぐらい?
かなり値が張りますが、それでも、資金力あるなら買っちゃって良いと思います。
というのも、実物資産投資は高額商品ほど投資パフォーマンスが良いという性質があります。
資金力さえあるなら、ヘンに穴を狙わず、ど真ん中の王道系狙った方がいいんですよ。
イーロン・マスク級の金持ちなら、プライベートミュージアムを自分で作っちゃって、そこの目玉にしちゃっても良さげ。
実際、海外では大金持ちがプライベートミュージアムを作って、そこに自分のコレクションを展示してビジネスにする例が急増してるそうです。
小金持ちならアロサウルスやトリケラトプス
ただ、イーロン・マスク級の金持ちなんて、そうそういません。
日本にはゼロでしょう。
もう少し現実的なライン、資産総額10〜20億円ぐらいの小金持ちだったらどうするか考えてみたい。
私だったらですが…
アロサウルスかトリケラトプスの状態良い全身骨格を狙います。
そして、落札後は日本に持ってきて、どっかの施設に、あわよくば有償で貸し出してはどうかね?
その心は、、、
アロサウルスやトリケラトプスなら、保存状態の良い化石が多く見つかっています。
それだけ生物として成功して大繁栄したということなんだろうけど、希少性という意味では若干微妙で投資パフォーマンスとしては怪しいところは否めません。
ただ、それゆえに落札価格もリーズナブルな傾向にあり、
過去イチにデカい上に保存状態も良かったトリケラトプスの「Big john」が660万EUR(約8.7億円)で2021年に落札されたり(冒頭に出した事例)、
アロサウルスの状態良い全身骨格が2020年に300万EUR(約3.7億円)で落札された実績が目立つ程度。
これなら日本の小金持ちにもギリ手が届きそうです。
ポイントとしては、状態の良い全身骨格を落札して、日本のどっかの施設に貸し出すという点。
日本って、
骨が分解されやすい地質であるとか、
砂漠や岩山が広がり樹木も生えず、人も住めない場所(=好き放題発掘できる場所)が全くないとか、
諸々の悪条件が重なり、恐竜に限らず骨格化石自体が見つかりづらい。
動物の全身骨格なんて滅多に出ません。
そのせいもあり、日本の博物館に行っても展示されてる恐竜化石の多くはレプリカ。
そんな環境にオリジナルの全身骨格を持ち込むとどうなるか?
世界基準で見ると若干希少性に疑問があるのだとしても、日本に持ち込んだ瞬間に希少性が高くなるわけで、有償で貸し出せるんじゃない?
ありふれたものであっても、強い需要がある環境に持っていけばリターンが狙える可能性が出てくるんじゃないかと。
また、アロサウルスやトリケラトプスだって、知名度や人気という意味ではティラノサウルスに次ぐものを持っているし、例え学術的な価値が微妙だとしても、大型種だけに全身骨格ともなると存在感は圧倒的で間違いなく展示映えはします。
なんで、貸し出す先が博物館である必要もなく、公共の大型施設の吹き抜けみたいな空間に展示するだけでもインパクトあるし、人の流れ変えられると思うんだけどな。
借りる側としては、吹っ掛けられたりしないなら有償でも十分価値あると思うんですよ。
(小金持ちにプライベートミュージアム作るのは無理やろけど…)
実際、ここ数年はこうやって展示映えするものに投資資金が流入する傾向があり、落札実績に挙げたトリケラトプスやアロサウルスも落札予想価格を大幅に上回る落札でした。
という意味では、キャピタルゲインも期待できるかもしれないですね。
…とは言え、そのアロサウルスやトリケラトプスですら、状態のいいものを手に入れようとすると、億単位のお金が必要と思われます。
ま、私には一生縁のない世界やな。ここらは来世に期待したい。